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35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~  作者: 出雲大吉
第6章

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第233話 魚を食べると頭が良くなるにゃ


 十分すぎるほどの岩を回収した俺達は作った道を引き返し、平地に戻ると、魔法で岩を砕いてちょうどいい大きさに変えていく。

 砕いた岩はそのままでは尖っていたりして危ないのでルリが綺麗に研磨していった。


「タツヤ様、ちょっと余りそうですね。いかがします?」


 モニカが並べられている加工した石材を見て、聞いてくる。


「余ったら村に提供しようか。舗装だけじゃなくて何かに使えるでしょ」

「それもそうですね。では、そのように致しましょう」


 まあ、使わなかったら森に捨てればいいや。

 石なら大丈夫でしょ。


「タツヤさーん、終わりましたー」


 ルリが最後の岩を研磨し終え、声をかけてきた。


「ありがとうねー。良い時間だし、ご飯にしようか」


 俺達は一度、家に戻ると、出前を取り、昼食を食べる。

 そして、少し休み、再び、平地にやってきた。


「よーし、〇ッシーを狩るぞー」


 キョウカが剣を取り出した。


「若いのによく知ってるね……」

「でも、異世界だから本当にいそうで怖いわ」


 確かになー……


「ミリアム、この世界ってドラゴンとは言わないけど、なんかでっかいトカゲみたいなのっているの?」

「いるにゃ。ドラゴンもいるし、ワイバーンもいる。火を吹くでっかい地竜もいるにゃ」


 いるんだ……怖っ!


「ふっ、ドラゴンスレイヤーの称号をもらいにいこうではないか」


 この子はなんでこんなにやる気に満ちているんだろう?

 上級悪魔を倒しただけでなく、ドラゴンスレイヤーの称号を持つ貴族夫人って何?


「あのー、確かにそういうのもいるらしいですが、さすがに人里にはいませんよ」


 モニカが苦笑いを浮かべながらキョウカを止める。


「人里? ここは?」

「一応、人里です……」


 うん、一応……


「大丈夫にゃ。そんなのがいたらさすがにわかるにゃ。少なくとも、この辺りにはたいした魔物はいないにゃ」


 ほっ、良かった。


「ドラゴン見たかったよね?」


 キョウカが残念そうにユウセイ君に聞く。


「まあ、ちょっと見たかったな」


 ホント、度胸のある子達だよ。


「ドラゴンも精霊もいないってさ。ミリアム、湖はどっち? せっかくだし、同じように道を作るよ」

「あっちにゃ」


 俺達は午前中と同様にミリアムが指した方向に向けて、道を作りながら進んでいく。

 そして、1時間くらいかけて進んでいくと、湖に到着した。


「おー、大きいです」

「確かに……でも、なんかこえーな」


 ユウセイ君が言うようにちょっと怖い。

 というのも湖はかなり大きく対岸まで百メートルはある。

 それでいて、波どころか波紋ひとつなく、しかも、辺りが静寂に包まれているのだ。


「安心するにゃ。魔物はいないにゃ」

「おばけが出そうだけどね」

「お、お、お、おばけ!?」


 急にキョウカがビビり始めた。


「あ、いや、妖精さんかな?」


 似たようなものだけど。


「ルリちゃん、怖いよね? お姉ちゃんが手を繋いであげるね」

「え? いや……あ、はい」


 キョウカが強引に手を取ったのでルリは何も言えなくなってしまった。


「確かにちょっと怖い気もしますが、神秘的で良いと思いますけどね。読書に向いてそうです」


 モニカが頷く。


「ベンチでも作る?」

「良いかもしれませんね。タツヤ様は釣りでもなさいますか?」


 悪くはないんだが……


「魚いるかな?」

「どうでしょう?」

「よし、試してみよう」


 空間魔法から釣竿を取り出した。

 なお、調査で儲けた金で買った新品。


「用意がいいですね」

「湖だから持ってきた。さすがにエサはないけどね」


 針に疑似餌のワームを取り付けると、湖に向かって竿を振った。

 すると、仕掛けがぽちゃんと湖に落ち、浮いている浮の周りに波紋ができる。


「あれが沈んだら釣れるわけ?」


 ユウセイ君が浮を指差しながら聞いてくる。


「そうそう。ユウセイ君は釣りとかしないの?」

「子供の頃に親父に連れていってもらったな」

「もう1本あるけど、ユウセイ君もやる?」

「やるやる」


 もう1本の釣竿を取り出し、ユウセイ君に渡す。

 ユウセイ君も疑似餌のワームを針に付けると竿を振った。


「釣れるかはわからないけど、異世界の魚ってどんなのなんだ?」

「うーん……この前のパーティーでも魚料理はあった気がするけど、食べてないんだよなー」


 肉食ってた。

 結構美味かった。


「毒とか大丈夫か? あっちの世界にも毒や寄生虫で食べちゃダメな魚とかあるだろ」

「あるねー」


 フグとかが有名。


「あのー、タツヤさんの黄色のが見えなくなってますけど」


 モニカに言われて浮が沈んでいることに気付き、慌てて、引く。

 すると、手にググっという確かな引きを感じた。


「あ、かかったわ」

「早くあげるにゃ!」


 猫さんはすぐに興奮するな……


 竿を引きながらリールを巻いていくと、ついに魚が釣れた。


「何これ?」


 釣れた魚はアユやマスのような川魚に見える。

 だが、そこそこ魚に詳しい俺でも知らない魚だ。


「知ってるにゃ」

「そうなの?」

「名前は知らないけど、よく川とかで釣れる魚にゃ。もらったことがあるにゃ」


 そういやこの猫さんはにゃーにゃー鳴きながら釣り人に近づく殲滅の悪魔だったわ。


「はい」


 釣った魚から針を外し、ミリアムにあげる。

 すると、ミリアムはすぐに魚を咥えて地面に降り、食べだした。


「こんな感じでミリアムと釣りに行くと何も持って帰れない」


 スーパーに行くことになる。


「さっき食べたばかりなのによく食べられますね」


 モニカがちょっと呆れている。


「山田さーん、浮が見えなくなったけど、引けばいいのかー?」


 あ、ユウセイ君の方にも当たりが来たようだ。


「そうそう。引いてー」

「おー、結構な引きだな!」


 ユウセイ君の竿もぐぐっと引いていた。


「釣るにゃ! バラすなよ!」


 もう食べ終えてるし……


 俺達はその後も釣りをし、釣り上げた魚を片っ端からミリアムが食べていたので皆がちょっと引いていた。

 そして、夕方になったので家に帰り、約束していた焼肉に皆で行った。

 何気にルリとモニカは初めての焼肉だったのだが、ユウセイ君を見て、若干、引いていた。

 ユウセイ君もミリアムも食いすぎ。


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
男子高校生の食欲と性欲は凄いからwww
>針に疑似餌のワームを取り付けると、湖に向かって竿を振った。 >釣った魚から針を外し、ミリアムにあげる。 >すると、ミリアムはすぐに魚を咥えて地面に降り、食べだした。  ミリアムはそのまま食って大丈…
>「よーし、〇ッシーを狩るぞー」 「イ」か「ク」辺りかな?「ネ」は有名すぎるし、「ヨ」はあの会社がまずい
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