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とある兄弟の日常〜1〜

作者: ミヤスケ

これはある街に住む2人の兄弟のお話。


「ただいま〜お母さんお腹空いた〜」

学校から帰ってきたばかりの高校2年生、雅也。

いつも通り学校から帰宅しいつもの口癖で

母親のあけみに訪ねる。

「おかえり。そこにおやつあるから食べなさい」

「は〜い」

と雅也は食卓にあったお菓子を手に取り2階へ駆け上がる。


「はぁ〜疲れた。」

と呟きながらドアを開けると机に向かって勉強をしている弟の優希。

優希は雅也が帰ってきたことに気づかないくらいに勉強に集中している。

「ただいま!!」

とおどかすように優希の両肩に手をあて、声をかける。

「わっ!びっくりしたぁ〜兄ちゃん帰ってたんだ」

「うん笑今学校から帰ったとこよ。ってか優希今日学校終わるの早かったんだね」

「そうだよ。今日は昼までの授業だったんだ〜だから今こうして宿題してるの」

と言い、優希は机にまた顔を向けた。

「そうなんだ〜昼までの授業かぁ。いいなぁ。」

と雅也はつぶやきながらベットに腰をかけ食卓から持ってきたおやつを食べ始める。

「あ、そうだ兄ちゃん!あとで相談があるんだ〜」

と照れくさそうな顔で優希は雅也に話しかけると

「なに?相談って。珍しいね〜どんな相談?」

「それは内緒。あとで話すね!」

と嬉しそうな声で優希は言った。


「終わった〜」

と両手を上に伸ばしながら優希は言うと机から離れベットで携帯をいじってる雅也の元へ。

「ねね、相談なんだけど〜」

優希は両膝を床につき。まるで犬のように雅也の両膝に手を乗せ下から雅也の顔を覗き込む。

「なんだね?相談っていうのは」

と雅也は優希の頭を"ポンポン"と叩きながらたずねると優希は立ち上がり甘えるように膝の上に乗ってきた。

「わっ!なんやねん!」

そりゃそうだ。滅多に甘えない優希が今日はなんだか様子が変なのだから。

「兄ちゃん!お姫様抱っこして!!」

「えっ!?」

雅也は今日の優希はなんか変だぞ?と思いつつ優希を抱っこしてあげた。

「立って!立って!」

優希がそういうと「しょうがねぇなぁ〜」とつぶやきながら雅也は立ち上がる。

「優希・・・重くなったなぁ〜」

と雅也は優希に話しかけると「えへへっ」と照れくさそうに笑う。

たしかに優希が小さい頃、雅也はよく優希を抱っこしていた。その頃は軽々と持ち上げれていたが今はもうずっと持ち上げておくのは無理なくらいだ。

しかし雅也は優希の暖かさを実感していた。

冬の寒さなのに半ズボンの優希の足を触った時は凄く冷たかったが今は凄く暖かい。

"こんなに体が熱くなるほどの相談なのか?"

そう思いながら雅也は優希に

「相談ってなんだ?」

と優希を持ったまま再びベットに座りそうたずねる。

優希はしばらく黙ったあとに口を開けた。

「えっとね・・・」

と優希はそう言うと深呼吸をしてさらに続ける。

「す、好きな人ができたんだ!!それでね、告白したいんだけど勇気が出なくて・・・」

一瞬雅也は固まった。

あの優希が好きな人ができた・・・そして恋をしているだなんて。

「おぉ〜優希にも好きな人ができたのか〜」

まるで雅也は自分の事のように優希の頭をクシャクシャとなでる。

「ちょっ、やめてよ〜」

恥ずかしそうな優希は

「それでね?兄ちゃんになんか上手くいくアドバイスもらえたらなぁって。兄ちゃん今付き合ってる人おるでしょ?どんな風に告白したとか聞かせてよ!」

「そうだねぇ〜」

雅也は今付き合ってる彼女にどう告白したかを思い出そうとした。

「いきなり付き合ってくださいはダメだと思うんだ。まだお互い相手のこと知らない訳だしさ、いきなり付き合ってやっぱダメだったってなったら嫌でしょ?だからさ、まずは友達になってくれませんか?でいいと思うよ?」

「やっぱり・・・」

と優希は言い

「やっぱそうだよね!いきなり付き合ってはダメだよね!友達からかぁ〜上手く話せるかな」

「大丈夫だよ!優希照れ屋だけど思いやりや人の事大切に出来る子だから上手くいくはずだよ!兄ちゃん応援してるからね!」

と雅也は言うと優希は立ち上がり部屋を出ていった。


「こんな寒いのに半袖半ズボンはこっちが寒く感じるわ。・・・・とりあえずがんばれ。優希。」

雅也はそうつぶやくとベットに横になり夕飯まで眠りにつくことにした。

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