表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。  作者: 氷高悠
エピローグ 【超絶朗報】俺の嫁になった結花、いつまでも可愛いしかない。
293/294

☆一緒に笑お?☆

 披露宴会場を中座して、メイクルームに移動したら。


 着席した私のところに、式場のスタッフさんが、入れ替わり立ち替わりやってきて。


 あっという間に――私がお願いしてたとおりに、お色直しをしてくれました。



 小さい頃から憧れてた、純白のウェディングドレスから。

 お花をあしらった、とっても可愛いピンクのカラードレスへ。



 ゼラニウムは、『君ありて幸福』――赤いお花が、一番好きなんだけどね?

 お色直しは、どんなドレスにしよっかなーって考えたとき。


 やっぱりそれは……ピンクだったんだ。



 私、和泉いずみゆうなにとって、かけがえのない存在。

 アリスアイドル――ゆうな。


 そのイメージカラーのピンクよりも、この晴れの日にふさわしい色なんて……あるわけないんだから。



「……ゆうな、ありがとう。あなたに出逢えたから、私はガラスの部屋を飛び出して、和泉ゆうなになれたよ。『恋する死神』さんに、ゆうくんに、たくさんのみんなに――出逢うことができたよ。大好きだよ、ゆうな? ずっと、ずっと…………」



 独りでそんなことを言ってたら、なんか泣きそうになってきちゃった。


 いけない、いけない。せっかくのメイクが、台無しになっちゃう。

 私はグッと涙を堪えながら、ゆっくりと席を立ちました。


 そして振り返ると、テーブルの上に置かれている――電報と、フェルトで作った桜の花のリース。



結花ゆうかちゃんのこれからの人生が、ずっと変わらず、幸せであることを願ってます』



 ……咲良さくらちゃん。


 専門学校を卒業して、働きはじめたばっかりの咲良ちゃんは、残念ながら仕事で参列してもらえなかったけど。

 咲良ちゃんの気持ちは、ちゃんと受け取ったよ。ありがとう。


 遠く離れてても、咲良ちゃんの幸せを――願い続けてるからね?



「……って、また泣きそうになってるじゃんよ! もぉ、私ってばぁ……」


「――それでは新婦様。入場の時間になりますので、ご移動の方をお願いいたします」


「ふぁっ!? は、はいっ!!」



 スタッフさんに声を掛けられたところで、気を取り直して。


 ――――ニコッと。

 思いっきり笑って……涙なんて全部、吹っ飛ばしてやりました。


 遊くんの笑顔が、遊くんとの楽しいしかない毎日が――。


 ――辛かった過去や、弱虫だった私の心を、吹き飛ばしてくれたように。



「さーて、遊くん……今から行くから、待っててね?」



 声優としては、地味な活躍しかできてないけど。

 仲の良い友達以外には、相変わらずコミュニケーション下手っぴなところもあるけど。


 そういうのも全部、引っくるめて――私は綿苗わたなえ結花ゆうかだから。




 こんな私だけど、これからもどうぞよろしくね?


 大好きな、遊くん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 結花ちゃんとゆうなちゃん二人の結婚式ですね 心から祝福させていただきたいです [一言] 更新ありがとうございます! あと一話…寂しすぎますが楽しみにお待ちしてます!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ