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月色の砂漠~コーヒー売りはチート嬢~  作者: チク


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すでに掛かってるから


 ケイがキョウに邪眼を掛ける?

 それもまた意外な話だと思った。



――それでわかった。キョウ君は邪眼に掛からないんじゃなくて、すでに掛かっている。

(そういう事か)

 それを聞いて理解した。


 キョウに邪眼を掛けた人物。

(レンだな)


 同じ最高位であり、かつてのカースの恋人でもあった女。

 いつしか、キョウの金色に輝く髪に固執し、その髪と魂を奪った……



――キョウ君が環境維持ロボを操れるようになったのもその辺が原因だろう。

 そういえばグレスが『新入り』とかはしゃいでたな、とカースは思い出していた。



(いいのか? 今まで最高位以外で環境維持ロボを操るなんて前例がない)

――その件は黙認しようと思ってる。無論、公認は出来ないがね。


 カースは頷いた。

 キョウは私利私欲を貪ってるわけではない。

 それに、最高位によってそういう事態に陥ってしまったのだから。

 むしろ、それに関してキョウが何か不利益を被ったら、全力で最高位がフォローすべきとまで考えていた。



――きみには世話になったからね。少しは役に立てたかな?

(ん……?)

 正直、微妙だった。


 ミンは、キョウが邪眼に掛からないことを不審に思っていた。

 その謎を教えて上げたところで、今さら別に喜びもしないだろう。

 ミンは今や長老の罪を隠すことに必死になってるようだった。


(まあ、謎を解いてくれたことには感謝する。俺も伝えたいことがある)

――おや?


(長老はたぶんピンピンしてる。確証はないが、あんたと同じ仮病だ)

――失礼な。僕のは本気の恋煩いだ。

 カースは苦笑した。

 自分で恋煩いだなんてよく恥ずかし気もなく、言えたものだ。


(だったら、その恋煩いを治すためにも長老を攫っちまえば?)

――……

 ケイは沈黙してる。

 夜中だし寝てしまったのかもしれない。

 だが、カースは続けた。


(ラテーシア家は、あんたを暗殺未遂した長老を隠すつもりだ。それならあんたが攫っても問題ないだろう)


レンがキョウの髪と魂を奪った話は、月色の砂漠

グレスとキョウの出会いに関しては、月色の砂漠第四話

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