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いら立ち

 そんな姿が嬉しく……


 でも、自分もなんか手伝いたくて。


「私もやってみたい」

 と、ファウはキョウが使ってた千枚通しを半ば強引につかみ、たこ焼きをひっくり返しはじめた。

 やってみたら、なかなか楽しい。


 キョウも喜んでくれてるし、なかなか上手にできたと思う。




     *


 二人がたこ焼きを食べ終えた頃、怪我をしたガイルがやってきた。




 二人の時間を邪魔されたことを怒ってなどはいない。

 ちょっとだけ残念だっただけで。


 ガイルの怪我の治療を優先させなければ。



 だが、普通の怪我じゃなかった。

 通常の怪我なら、ガイルなら魔法で治せるはずなのだ。

 呪いのかかった怪我のようだった。その原因は魔導機械の残骸だったらしい。

 幸い、キョウが呪いを無効化できたから、事なきを得たが。


 そのキョウは疲れてしまったのだろう。

 眠ってしまった。


 残念な気持ちはわずかにあった。

 だが、ガイルもキョウも無事で何よりだと思うことにした。


 せめて、キョウの負担が軽くなるようにと、食器を洗い始めたら……




 食器からキーッという不快な音がした。



「なんだ?どうした!?」

 ガイルは驚いたようだが、ファウはそれ以上に驚く。

 キョウが食器を洗ってる場面を何度となく見ていて、こんな音が出たことはない。



「それ、焦げとか汚れのすごい時に使うたわしだろ?」

 ガイルの指摘が、ファウにはよくわからなかった。


「貸せ、俺が洗う」

 ガイルはスポンジを掴み、半ば強引に食器洗いをかわる。

 なかなか慣れた手つきにファウは感心していた。


 それに引き換え、自分は……

 ファウはふつふつと怒りが湧いてきた。自分に。



 段々とその怒りの矛先は、ここから一番近くに住んでいるリゾへと向く。

 ガイルの怪我の原因は、アンドロイドの部品が破裂したから。

 この近辺までアンドロイドが来たということ。

 いつぞやのラミア型アンドロイドのようにリゾが取り逃がしたのだろう。



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