引きこもり
ケイは、勿論、手を出すつもりで自分の家につれていったわけで。
対するクスナの方はといえば、まんざらでもなさそうに見えた。
正直なところ、ケイがクスナに危害を加えていなければそのまま立ち去るつもりだった。
ケイが膝蹴りなんかするから、そのままクスナを連れ去ったわけだが。
あわよくば、クスナを助けてその後に告白……なんて流れになればいいと思ったが、かなり警戒されている。可能性は相当低そうだ。
ロイはため息をついた。
ロイは話題をかえる。
「あんたはドSだけど今までずっと働いてたわけだし、休養を取りたかったら思う存分取ればいいと思うが……」
普段のケイなら、『ドSだけどは余計だ』なんて言い返してるのだろう。
「こんなとこにいたら益々病むぞ。せめて掃除したら?」
ロイは正論を言う。
「ところで……」
ロイは本題を話しはじめる。
「結界が裂けてたんだ。おかしいと思わないか? 結界を張りなおしたのがつい最近の話なのに」
「……なあ、聞いてるか? これだけは聞いてくれ」
「………」
「地震や台風があったわけでもないのに、結界が裂けたんだ。それを修復しようと思ったらあの六番隊隊長が修復していた。俺たち最高位にも想像もつかないようなことが起こってる……」
いろいろ喋ってたロイだが、ケイが反応しないから諦めた。
とはいえ、ケイもボンクラではない。大事なことは伝えたし、もういいやと帰った。
ケイはうとうとしていた。
ロイの話は半分くらい聞いていたが、面倒くさいしどうにかするつもりはなかった。
* * *
ようやく実現したたこやきパーティ。ファウはわくわくしていた。
キョウはどうも疲れてるように見えた。
環境維持ロボを操れるようになったらしいが、それは言い換えれば本人の負担が増えたということではないか。
そんなことは口に出さず、たこ焼きの準備をしてくれた。