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自己紹介


「邪魔者は退散するよ。荷物はそこに置いといたから」

 ロイは床に置いた女の荷物を指さし、ケイの家から出て行った。



 本当にロイは誤解したのだろうか?

 疑問ではあったが、ケイにとって別に大した問題ではなかった。


「とりあえず、さっき言った『私のせい』っていう事情を教えてほしいね」

 ケイは女の手を離した。

 夢の中で男の手をつかんだような気がしたが、実際は女の手だった。

 もしかしたら彼女の中に巣くうモノは男なのかも知れない、なんとなくケイはそう思った。


「その前に自己紹介しようか。僕はケイ」

 ケイが名乗ると、女も自己紹介をする。


「私はシームァ」



     * * *


 シームァは、砂漠の中、街らしきものが目指し歩いていた。


 途中、井戸を見つけた。

 砂漠のど真ん中の井戸なんて枯れ井戸か水はあっても飲めないようなシロモノじゃないか、そんな危惧もあった。

 近づいてみれば、蓋つきの井戸だ。

 汲んでみると澄んだ水だった。シームァはその水を飲んだ。


 砂漠というものは思った以上に体力を奪う。

 そんな時に飲める水はありがたかった。



 井戸の前には像があった。女性がモチーフの像。

 だが、そんなものよりももっと目を引くものがあった。


 井戸のそばに家があったが、それは廃墟のような家だった。

 誰も住んでいないのかと思ったが、人はいた。


 シームァの目は機械だ。彼女の機械の目は温度も見えている。

 家の中でその人物は横になっていた。

 だから、声を掛けてみた。



「ごめん下さい」

 だが返事はなかった。

「……お休み中かしら?」

 病気で動けないとか、何か事情があったりするのだろうか?

 だが、それ以上のことはよくわからなかった。


 そんなシームァのそばに、ドラム缶型のロボットがやってきた。

 それは彼女の故郷にもあるロボ、ファッティによく似ていた。

 だが大きさが違う。

 ファッティは腰くらいの高さまであるのに対し、そのロボは膝くらいのミニサイズだ。

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