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十日目
「おはようございます。愛しい人」
「……よく毎日毎日飽きもせず足を運びますね」
「転移魔法を使っているのでどこにでもいけますよ」
「さすが……魔王ですね」
「私は誉めて伸びるタイプの魔王なのでいくらでも誉めてください。アザレアに誉めていただければぐんぐん伸びます」
「私は栄養材ですか」
「アザレアは私の光です。植物の成長に太陽の光が必要なように私にはあなたが必要ですから」
「口が上手いですね」
「アザレアにだけです」
「面白半分のくせに」
「私は本気ですよ。あなたが望むなら何でも叶えてごらんにいれましょう」
「どうしてそこまで振り向きもしない相手に尽くせるんですか」
「愛ゆえに、です」
「……」
「報われなくても振り向いてもらえなくても、愛しいから役に立ちたい。恋とは厄介なものですね」
「……厄介どころかまるで呪いのようですよ。周りが見えなくなりますから」
「それには同感です。私もあなたのことしか見えていませんから」
令嬢が考え込む正面で魔王は微笑んでいた。




