洗える着物を作る
一般的に、洗える着物と言えば、ポリエステルの着物を指す。が、ポリエステルは洋服でもあまり着心地が良いとは思わない。通気性が悪く、臭いもこもりがちだ。東レのシ○ック等の高級ポリなら良いのかもしれないが、万がつくポリを買う気は、更々ない。
用意した生地は、ヤフオクで安くゲットした、綿絽の浴衣反物と、楽天でセールになっていた、服地の綿麻ダンガリー。
因みに私、和裁の心得は全く無い。洋裁に関しては、十代の頃から趣味として楽しんでおり、現在、小金が稼げる腕前だ。運動神経が無い私を憐れんだ神様が、手先の器用さを授けてくれたようだ。
運動神経が無いで思い出されるのは、小学生の頃の体育の授業だ。なぜ、あんなに逆上がりをさせられたのだろう。もちろん、私は出来なかった。努力する大切さや、成功したときの達成感を味わわせたいのなら、味噌汁の一杯でも作れるようになった方が、将来役に立つのに。逆上がり、使えねー。
あ、反れた……。うん。
まずは、着物の作り方を勉強しよう。用意した本は、昭和に出版された和裁と洋裁の中間のような本(もちろん絶版)と、グラフィック社から出ている「ミシンで着物」。和裁で作る気が、全く無いことが、おわかりいただけるだろう。
目指す仕上がりは、目標は高く!デパートのプレタ。デパートのプレタは、ミシンで縫われているが、表にミシン目が出ないよう作られている。これが量販店の安物だと、裾や袖口などに、ミシン目がはっきりと見える。デニム着物のように、デザインとしてミシン目を見せるのは有りだが、お手軽縫製のせいでミシン目が見えるのは、好みではない。
反物と服地で大きく違うのは、布幅。反物は幅が狭く、基本幅いっぱい使うので、裁ち端の解れ止めは必要ない。対して服地は、まず反物の幅にカットするので、裁ち端の解れ止めが必要だ。
うーん、ロックミシン、使いたくないな。量販店の安物と、同じ造りになってしまう。
そんなわけで、実験的な意味も込めて、袋縫いと折りふせ縫いとをやってみた。結果、洗濯機で回すなら、袋縫いかな。折り伏せ縫いでも、本体に直線ミシンでたたきつけるなら有りだが、表にミシン目を出したくないなら、袋縫いの方が丈夫できれいだと思った。その後、本体に軽くまつり付けると、縫い代が落ち着くだろう。
さて、肝心の作り方だが……。
まずは、生地の水通し。布は最初の洗濯で一番縮むので、先に縮ませておいてから、裁断。
手持ちの着物で着心地の良い着物のサイズを測り、それに縫い代を付け足したサイズで裁断し縫う。のが、一番良いと思う。
本縫いは、ミシン目を洋裁の時よりは大きく、糸調子は緩めに設定。滑り止めには、紙ヤスリ使用。
裾、袖口などは、最初は手でまつっていたが、あまりにも距離が長いので嫌気が差した。ふと、家庭用ミシンの取説を開くと、使ったことのないまつり縫い機能を発見!以後、その機能を駆使する事になる。