表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友殴りに異世界へ  作者: ヒナの子
6/33

第六話 入学 入学編

「ふむ、これまでじゃの。」


「まだやれる。」


「もうほとんど魔力も残ってなかろう。

それに、もう1人のお嬢さんも帰って来たようだしの。」


「クッソ」

最初の火の蛇を倒してから、次は水の馬、

風の鳥、土の亀。

そして今は火と水でできたヤマタノオロチと戦っていた。


「ふむふむ。では記憶を見させてもらうぞ。」

そう、火の蛇を倒した後、

負けた時は記憶を見させろと言ってきたのだ。


「ふむそういうことか。お主は守ると誓うか?」


「誰をだ。」


「あのお嬢さん、エリスのことじゃよ。」


「なぜだ?」


「その内分かる。何があっても、全てを敵にまわしても。」


「よく分からんが。誓おう。」


ドクン!ギュルン!

魔力量が一気に増えた⁈


「ふむでは帰ろうか。

安心せい、何も誰にも言わんよ。」

ヒュン!


「大丈夫だったの?」


「ああ、それより試練は大丈夫だったのか?」

魔力量が明らかに増えている。


「ええ、誰かの記憶を見させられただけ……」

そう言って、疲れたのか布団に倒れ、そのまま寝てしまった。

賢者が魔道書らしきものをパラパラめくって


「今回こそ成功するとええのう。」


「何がだ?それとなぜエリスの魔力量が増えた?」


「それはわしにも分からん。ただ前任者の記憶を伝えよう言われとるだけだからのう。

わしもここも、もうすぐ消えてしまうからのう。役目はしっかり果たしたからのう。」


「最後に、あんたはまだ生きているのか。」


「分からん。その内あえるかもしれんぞ。

……時間じゃ。さらば転生せし者よ。

この国の…真…おぅ……」

パシュッ


「「ん…ここは…」」

同時に目覚めた。

ーーーー朝日が運命の見えない2人を照らし出した。







「「「お誕生日おめでとう」」」

「ありがとう」

俺とエリスと母さんがシンティラ兄さんを祝っている。シンティラ兄さんは20歳になった。このまま姿が変わることはないそうだ。

そのままバースデーパーティーは終わり。深い眠りについた。



約三年後一ーーーーー

「レビン。はやくはやくー。」


「そんなに急ぐ必要ないだろう。」


「最初だから迷うかもしれないでしょ。」


「はいはい、それじゃ行ってくるよ。」


「2人ともいってらっしゃい。」


そう今日は入学式なのだ。

学校はそれなりにお金がいるらしく、入学するのが10歳の人は、学年の3分の1ぐらいだそうだ。

学校に入れる種族は、人間、エルフ、ドワーフだけだそうだ。


地球と変わらず面白味のない入学式と思いきや、生徒会長が魔術を披露するなど意外と面白かった。


「一緒のクラスだね。よろしく。」

そう言ってきたのは同い年ぐらいの少年だ。


「私の名前はエリスよ。よろしく。」

ちなみにエリスも同じクラスだ。


「僕の名前はレビン。よろしく。君の名前は?」


「ああごめんね。すこし緊張してるんだ。

すっかり忘れてたよ。

僕の名前はアレス。ハーフエルフなんだ。」

赤髪、瞳は透き通った金色だ。


「お、アレスじゃないか。久しぶり。」


「あっレスティア。久しぶりだね。

今日の集まりいらいだね。これからよろしく。」


「ああ。ところで後ろのお2人さんは?」


「僕はレビン。よろしく。」


「私はエリスよろしく。」

レスティアは、水色の髪に、明るい紫の瞳だ。同い年ぐらいだ。


「おい。お前邪魔だ。」

なんだこいつ。

そいつは顔をニヤニヤさせ、子分を4人つれている。これまた同い年ぐらいだ。


「あれ〜?なんでお前らみたいなクズがここにいるんだ?アレス、レスティア?」

後ろで笑いが起こる。


「なんですあなたたちは、失礼じゃないですか?」

そう言ったのはエリスだ。

侮辱された2人は悔しそうな顔をしていたが、エリスの発言に少し驚いている。


「なんだ。そこのクズどもの同類か?

汚い。近寄るな。」

ドカッ

「キャッ!」


「お前なにしてんだ?なにいきなりエリスを蹴って。なにが面白い。」

ずっと後ろで笑っている。

クラスの3分の2がクスクス笑いながらこっちを見ている。残りの奴らも目をそむけている。


「俺様が蹴ってやったんだから。

感謝して欲しいぐらいだな。」

ペッ!


「おいおいなんだやる気か?」

エリスに向かってつばを吐きやがったので、

剣でそれを防いだ。


「いいぜ。俺様に喧嘩を売るとはいい度胸してるじゃねーか。おい、お前がこのクラスの担任か?」


「はっ!はい!」

人間の先生があきらかに怯えて答える。


「この調子に乗っているやつに、俺様が本物の力を見せつけ、上下関係を教えてやらなきゃならねえ。ってことで訓練場を借りるぜ。

いいよなせんせ。」


こんなことから今訓練場に俺はいる。

エリスを蹴飛ばし、つばまで吐こうとしたこいつはベントと言うらしい。この学校の理事長の孫にあたるらしい。

まあそんなことはどうでもいい。

絶対に許さねえ!


「どちらかが降参するか、戦闘不能になったら終わりだ。

準備はいいか?ベント、殺したら面倒だからやめろよ。そっちの子もぶをわきまえろ。」


どうやらこの審判をしている先生は目の前のゴミ野郎の兄らしい。

ここは訓練場だが、全校生徒が観戦できる。

会場には全校生徒が集まっているようだ。


「では、はじめっ!」

号令と同時に持っていた剣で襲ってくる。

こっちは素手だ。

手に魔力を纏う。剣を振る回してくる。が、ヘーブリヒ兄さんに比べると止まったように見える。わざと避けずに剣を手で受け流し、足をかけて転ばせる。手は魔力を纏っているので痛くもかゆくもない。


「舐めやがって!ブォルクスウルフ!」


「馬鹿野郎殺しはダメだろうが!」


「兄上は黙っとけ!」


会場を見ても先生達があたふたしている。担架まで用意されている。この魔法は有名なようだ。アレスとレスティアは今にも泣き出しそうだ。エリスは何故か自信満々にわらっている。


「行けっ!ブォルクスウルフ!」

雷で作られた狼で足の下の地面が焦げている。命令とともに飛びかかってきた。

雷でできているからか。スピードは中々だ。


「瞬歩。」

魔力を足にためるだけのシンプルだが、とても難しい武術だ。身につけるまで丸々2年かかった。


「それがお前の魔法か。はっ!移動するだけとは悲しいな。しかもそれだけしか動けない

俺様とは格が違うな。」

会場から笑いが起こる。

しかし十数人は驚愕の顔をしている。


「終わらすぞ。」


「はっやれるものならやって見やがれ。

行けっ!戦闘不能まで追い込め。」


簡単な命令をこなせるらしい。

本人が操っているのではないのか。


「剣舞・イノセント。」

瞬時に1メートルほどの剣を24本創り出し、

狼に刺す。魔力を纏っているのでやすやすと刺さっていく。


「瞬歩。」


「そん…な…」

一瞬で距離を詰め、蹴りを腹に入れる。

落とした剣を拾い相手の顔につきつけた。


「審判コールを。」


「バカな。ベントだぞ。雷狼使いのベントだぞ。負ける訳がない。こいつ!どんな汚い手を使った!」


「そこまでです。先生決着はつきました。

勝者、レビン・ツァオベライ‼︎」

代わりに生徒会長がコールした。

歓声は半分くらいの生徒から貰った。


「レビン君、後で生徒会室にきてくれるかな?」


「はい。分かりました。コールありがとうございます。」


そのまま去っていく。

「レビン、お疲れ様。」


「いや、あんなのなんてことないけど、

エリスこそ大丈夫?精神的にも、身体的にも。」


「うん。とってもムカついたけど今のあいつの顔を見たらスッキリしたわ。

ありがとう。」


「僕もムカついたしね。そういえば2人は?」

ベントはあのまま白目を剥き、気を失ったので担架で運ばれていった。


「あー。2人は驚きすぎて。」

エリスが指差す方を見ると、2人とも上を見ていた。放心状態だった。

エリスはちょくちょくヘーブリヒ兄さんとの訓練を見に来ているので、驚いていない。



「「す、すごいね。」」

放心状態から戻った2人は少し引いていた。

言い返さなかったことには、何らかの事情がありそうだったので聞かなかった。


実はベントは20歳で去年の30歳以下の武闘大会でベストエイトまで残ったらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ