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親友殴りに異世界へ  作者: ヒナの子
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第二十三話 各戦場の戦い 帝国崩壊編

「イレギュラーも目覚めたようですね。」


「始める。外の掃除は任せた。」


「ええ、これでやっと目的が果たされます。では任せましたよ。」


「ああ、コード・パトリオット!」


祭壇に寝かされたエリスの上に魔方陣が現れエリスから魔力が抽出される。


「むっ⁈これは、半覚醒している⁈」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「起きなさい!」


真っ白の何もない部屋。そこに光る球が浮かんでいる。


「あなたはなに?ここはどこ?」


確かお手洗いに行って、、どうなったんだっけ?


「思念体です。そんな話をしてる場合ではありません。このままではあなたは死んでしまいます!」


「な、いきなりなんでですか?」


「貴方は賢者に記憶を伝えられている。

それを覚えているはずです。

私が記憶の枷を解きました。」


ぼんやりとしているが、知らない女の子が殺される夢を見た気がする。


「それで私はどうすれば?」


「逃げなさい。賢者は信用なりませんが、

ステランスあたりが貴方を助けてくれるでしょう。」


「でも、私は魔法が使えないから、、逃げ切れないと思います。」


「そうですね。取引をしませんか?」


「取引、どんな?」


「簡単です。貴方の体を貸してください。

私はもう時間がない。貴方を生かすのが私の使命です。」


「そ、そうすれば逃げれるんですか?」


「ええ、可能性は一割ほどでしょうが、

もちろんこのままでは可能性はありません。」


取引、、確かに私が殺されると禁書目録の封印が解かれてしまう。


「分かりました。貴方を信用します。

私をよろしくお願いします。」


「ええ、任されました。ではお休みなさい。

シビル・ディセント!貴方を死なせはしない‼︎」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「か、覚醒したのか⁈」


紛うことなき聖天の光が教会を満たした。


「久しぶりですね、ペルソナ!」


「その魔力はレビィア!

コード・ロイエ!全身武装ゴルトオーロ!」


魔方陣から光の砲弾が数個放たれる。

しかし、一つ一つが当たれば五感を奪う堕天使の光だ。


「効きませんよ!禁書目録を渡しなさい。」


熾天使魔法。神の化身熾天使の力を行使する魔法。対極の力、闇以外の攻撃は効かない。


「くそッ、ここまで来たんだ。

お前はこいつとでも遊んでいろ!

ゴルトデューク!」


黄金創生魔法。基本的に光を吸収し、物理防御力が高い。

約七メートルの純金の兵士、熾天使魔法の足止めとして召喚された兵士は強く何人も逃しはしない。


「厄介な、はっ!、なんだと⁈」


光のレーザーを放つがほとんど効いていない。


「足りないがしょうがない。」


「待てっ!邪魔だ!くそッこのままでは!」


「さらばだ、我が憎き友よ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おや、姉上は来ていらっしゃらないのですね。残念です。」


「奴が、黒魔道士ファータ。

気をつけろ奴は妖精だ。来るッ!」


「ディアボーロ!どうしますか?」


無数の漆黒の炎の槍の先の一つに生徒がいる。


「レスティアさん!」


「おい!それは幻影だ!生徒の転移は済んでいるんだぞ!」


寸分変わらずあの少年のつれの女の子だ。


「二人地下にいたはずです!

エレメンタル・バニッシュ!」


「四元素魔法ですか、お見事ですが、残念です。」


女の子が影に変わり、少年の背中を貫いた。


「断絶障壁!雷狼群!」


「これは、これは、オンブル!」


先日の狼とは桁違いの質と量の狼が地面から生まれた影に滅多刺しにされ、消滅する。

その間三秒にも満たなかっただろう。


「エタンセルマ!」

しかしその三秒は戦いの中では大きな隙となる。

無数にある陽光の槍が妖精の体を貫く。



「ふー。怪我を受けたのは何年振りでしょうか。さすがは太陽を司る魔法、効きますね。」


これは挑発でも冗談でもなく、妖精の体には一本の槍に深々と肉をえぐられた跡がある。


「ウルサンスパークル!」


小さな球が弾幕となり、妖精に襲いかかる。


「ダークネスウォール!ディアボーロ!」


弾幕を影の壁で防ぎ、闇の槍で少年を狙う。


「断絶障壁!チッ、腐っても妖精かい。」


傷は元通り治っている。


「結界障壁魔法、陽光紅炎魔法。

厄介ですね。」


空中で光と闇の衝突が起こり、少年は戦場は

戦場から弾き飛ばされた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「すまん。遅くなった。息子達が戦っているのは知っている。心配かけたな。」


真紅の目にしっかりと光を灯し、彼の妻を三年ぶりに見る。


「いいのよ。戻ったのね力が。私は弟の作った結界を破っただけでもう力尽きちゃった。」


「ゆっくり戻して行けばいいんだ。

俺はもう行く。シリカを頼む、少年。」


「ええ、お気をつけて。」


「レビィアを助けてあげてね。」


空中から愛剣を取り出し腰に挿す。

そして漆黒の翼を広げ、窓から戦場へ飛び立った。




ガタガタ。


「大丈夫か母さん!」


「シンティラ!町の人の誘導は?」


「終わったよ。警護には六天聖の人達がついているから大丈夫。僕は母さんを守るのが役目だ。」


戦場も次の場面へと動こうとしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「解いてください。このままではジリ貧です。」


「しかし、解けばお前が、、」


「私はシリカさんが治してくれます。

、、暴走はしない。この時の為の力のはずでしょう!」


少女と男は大きな広場で、騎士団と魔法師団を食い止めていた。しかし、魔導王の参戦で戦況は劣勢だ。


「分かった。詠唱の間、耐えてくれ。


我は叡智を極めし者、汝を縛る枷よ。

我の知識で汝の縛りを解く。

溢れ出る力よ、力の主に従い、我に従い、

従属せよ!我の名はグレイス、原罪の力よ、

紛うことなき力を示し給え!」


「久しぶりの感覚です。これなら大丈夫です。背中は任せます。」


後方からは聖十六将の三人が向かってきていた。


二人対二百人の戦いの火蓋が切って落とされた。


「神をも降す原罪の力よ、我に従属し給え、

我の名はサラスラマーナ、ここに汝の力を示し給え。

覚悟した方がいい、私は今とても強い。

神魔刀!煉獄阿修羅!」


禍々しきオーラを放つ刀、全身に紋様が刻まれ、周囲が焼け落ちる。


「怯むなかかれー!」


魔導王の号令と共に戦況が動く。

騎士団長を先頭に四方向から攻撃が飛んでくる。


「効かない!はっ!」


刀が現れ攻撃を防ぎ消え、一振りするとその直線上を煉獄の炎が焼き尽くす。


「そ、それは七つの大罪を超えた闇の力。

何者だ⁈」


何者なんだろうか。この世界で捨てられ、

拾われ、訓練され、研究され、、、


「分からない。だが、自分の居場所は、、、

私は一年B組のシャルロット・コード・サラスラマーナだ!」


今の自分にはこれだけでいい!


「まあいい。やれ!」




「ふむ。ここまで質が落ちとるとはの。

先輩がちと叩き直してやろう。

ヤマタノオロチ!」


黒ローブを着た男と八つの首をもつ化け物が突如現れ、騎士団と魔法師団を一人残らず消し炭にした。


「手応えがない奴らじゃ。」


そう言って化け物がきえ、その男も消えた。


後ろを見ると、全身に返り血を浴び赤く染まった男が立っていた。


「終わったか。こっちも今終わったところだ。急ぐぞ!」


教会の方から大きな音がなり、足先をそっちに向け、音速に迫る速さで教会を目指した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


教会の中から飛び出してくる影が一つ。

教会の中へ逆から壁を破って入った影が一つ。

教会の中で巨大な黄金兵と戦う影が一つ。


「久しいなレビィア。」


「やっと来たのステランス。

ちょっと助けてくれないかしら、結構時間がないの。」


「ああ、もう一人の旧友を止めに行かなければな。黒雷・イカズチ!」


男の手から黒い雷がほとばしり、黄金兵を貫いた。


「私は先に追うわ。」


「その必要はない。もう終わる。

黒雷・シュペーア!」


巨大な黒い雷で出来た槍が黄金兵を貫く。


「さあ行くぞ。」


彼女が苦戦していた黄金兵は、突如現れた男に一分足らずで倒された。


イレギュラーの中のイレギュラーが戦場に降り立った。

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