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親友殴りに異世界へ  作者: ヒナの子
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第二十二話 目覚め 帝国崩壊編

同時刻、ツァオベライ家、、、


「どうだい?目覚めそうかい?」


「何とも。時封じを使ったのは初めてだと思うから。」


四人の人影が一つのベットの周りを囲んでいる。


「もうすぐタイムリミットが来てしまう。

起きなかった場合は私達だけで行く。」


「もちろんです。禁書目録の封印を解かせてはいけない。…七龍帝セブンスエンペラー、、、、あんなものが解放されてしまったらこの国は、いや大陸全土が破滅の道を辿るしかなくなってしまう。」


「対抗魔法が貴方の元素魔法なんです。

しっかりしてください。」


幼女二人、青年二人。


「七龍帝に太刀打ちは出来ない。

その時はお前の出番だアクトン。」


「ええ、全てを転移させます。

パラダイムセレクト。そうなった場合はこの場所に戻ってくる。どこに飛ばされようとも。」


「緊張感あるのもいいけどもう少し落ち着いた方がいいと思うよ。焦っちゃダメ。」


「すいません。やはり焦っていますね僕は。

全力を尽くすそれだけを考えます。」


緊張感。張り詰めた空気が和らぐことはなかった。

その横の横の横の部屋では一人の女の子が、

深い深い眠りについていた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ごめんちょっとお手洗いに行ってくるわ。」


「じゃあここで待ってるわ。」


自由時間になって二十分。魔法師団は思っていたのとは違った。急いで報告書を書いている人が多く、魔法師団っぽいのは何もなかった。


魔法師団の本部から出て今はさっきの広場の近くにいる。メイドはどこに行ったのか一度も見かけていない。


お手洗いは王城の入って少し行ったところにあったのですぐに帰ってくるだろう。


「遅いね。迷ったのかな?行く?」


十五分が経過して残り時間も短くなってきた。ついにレスティアが我慢出来なくなり、

四人で王城に向かう。




「どうしたんですか?」


彼女はそう尋ねた。お手洗いを済ませて出た時、彼女の前に現れたメイドに。


「いえ、何でもないですよ。」


そう言ったのを最後に彼女の意識は落ちていった。





『魔法の反応よ!場所はトイレのすぐ前!』


まさか!


「瞬歩!」


「チッ!瞬歩!」


「ちょっと二人ともどうしたの!」


そう嘆くレスティアの後ろには黒い影が地面から現れ、少女と少年の意識を刈り取りそのまま消えた。


『また魔法の反応よ!二人が⁈』


「どうなってる⁈ここは王城だろうが。」


「レビン!何も思い出さないの?」


「何のことだ!それよりどっちに行けばいい?」


『エリスは多分教会よ!アレスとレスティアは地下よ!多分地下牢ね。』


「エリスの方へ行く!精霊召喚!」


「アトミック・フルバースト!」


「私も行くわ。煉獄・修羅道!」


「教会にエリスがいる!」


三人は消えるように移動を開始した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「間に合わない!アクトン開けて!」


「くそッ!結界が強い!結界を破ってくれ!」


「私がやるわ。

オプスキュリテ。」


暗黒の太陽が王城の真上に出現し、結界を打ち払った。


「いけ二人とも!もう彼女は生贄の祭壇に運ばれた‼︎未覚醒者の二人も地下に捕まってる!かなりやばい!」


「七龍帝が目覚めて私達が敗走したら、

発動してくれ!」


そう言って幼女と少年は運命が交差する戦場へと転移した。


街では魔王が攻めてきたなどと騒がしく、

絵に描いたようにパニックになっていた。

それほどに規格外の魔法で結界が破られた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よくやったぞ妖精王ファータ。」


「いやいや、気にすることはない、適材適所だ。それより早く儀式を始めな。っ⁈

結界が破られた?姉上か。」


「何?お前の結界が破られただと。

相手は誰だ!」


「姉上、妖精女王シリカ。やっと出てきたか。」


「奴らがくるぞ!騎士団ども俺とこのガキを守れ!」


ぞろぞろと騎士団の本部から、虚ろな目の騎士達が出てくる。残念ながら数秒遅かった。

ヘーブリヒの、、枷は解かれた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「何だ今の衝撃は⁈」


「結界が破られた。王城を守っていた最も強かった結界が。それより今は!」


影。そうとしか言いようが無い、人型の影が道を立ちふさがっている。


「飛ばして行くぞ。剣舞・イノセント、

エンチャント、テンペスト!」


「雑魚は任せる、私はあれを!」


「ああ任された。イーリス!」


「ええ、炎天・インテースヒート!」


影の軍団の足元から火が生え、絡みつき、

燃やし潰していく。


「妖刀ムラマサ!羅刹、エンチャント煉獄鬼火」


日本刀を創り出し、漆黒の炎を纏い斬る。


「ふはははっ!」


笑い声を上げて消えて行くメイド。


「分身体ね。」


「ええ、黒魔道士ファータ。

国王の影の側近よ。それよりも急ぎましょう!」


「お前達を行かせることは出来ないな。

王国騎士団長として止めなければ。」



「また、厄介な。」


「彼は?」


「騎士団長。王の魔法で操られてるわ!」


目は虚ろだったのが少しずつはっきりしてきている。


「目が虚ろな時がチャンスだったんだけど、

遅かったみたいね。」


「お前達は賊か?まあいい、ここで成敗してくれよう!」


「っ!はやい!」


「アトミック・フルバースト!」


またもやオッドアイになり、剣で受け止める。


「くっ!強い!テンペスト!」


後ろから来る兵士達に向かってはなつ。


しかし、噂に名高い剣撃魔法で打ち砕かれ、


「しまっ⁈」


ガキィーーン‼︎

頼もしい兄が戦場に辿り着いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「起きてよ、ステランス。息子達が頑張っているんだよ。頼むからもういいでしょ。

もう随分寝たじゃないか。」


頬を光の粒が伝ってその男の顔に落ちる。


その時、この世界のイレギュラー、吸血鬼の王ステランス・ツァオベライ・アンペラールが目を覚ます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「弥、聞こえているか弥。」


微かにいつかの俺の名を呼ぶ声が聞こえる。

確か操られている騎士団長と戦っていて、、

どうなったんだっけ?


「弥、聞こえているなら返事をくれ」


暗闇の中、懐かしい声が知るはずもない名前を呼んでいる。


「聞こえている。どこから言っている?

そして誰だ。」


暗闇の中にぼんやりと輪郭が現れ、

次第にはっきりと形を示す。


「ステランス、お前の父親だ。

時が来たようだ。今まで封じ込めていた力を返す。まだ誰も見たことがない、だから賢者の作った鏡にも魔法名は映らなかった。」


父さんの声が聞こえる、話と共に記憶が返ってくる。


「お父様、俺の力は弱い。エリスの元にたどり着くことも出来ない。」


「大丈夫だ。お前の血を封じていたのは俺だ。吸血鬼の王と妖精の女王の息子だ。

ヘーブリヒ、シンティラは血を受け継がなかった。だが、お前は受け継いだ。

その力でするべき事をなせ、頼もしい仲間もいるだろう?」


力、体全体を駆け回っている、今にも爆発しそうだ。


「我は時を封じし者、我はアンペラールを

引き継ぐ者。我の力、時剣・クロノスの力を解き放ち、汝の枷を解き放つ!」


「行け。お前のパートナーが呼んでいるぞ。」


全てを思い出した。記憶で真実は語られていた。天上の巫女の血を引き継ぐ者がエリス、

かつて七龍帝を封じた巫女の末裔の血を持って『禁書目録』の封印は解かれる。


王の目的は七龍帝を解き放ち、操り、大陸を統一し、新たな王国を作ること。しかし、七龍帝が戦えば間違いなく一度国は滅ぶ、


そんなことはさせない‼︎


「ありがとう父さん!」


「ああ、行けレビン!」


ここに覇王の申し子が誕生した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「大丈夫か、悪い遅くなった。」


「いえ、それよりレビンは何も。」


目の前には騎士団長の攻撃から守ってくれた兄の背中と、その横に並ぶシャルロット。


「いや、思い出した。父さんが力をくれた。ここは任せていいか?」


「、、え、ええ。こいつらは引き受けるわ。」


シャルロット、謎が多い。結局君は何者なんだ。


「大丈夫だ。俺も残る。片付けたらすぐに追いつく。」


『行くわよ!何があったのかは後で聞くわ。』


精霊召喚が切れている。

騎士団長の腕には螺旋状の傷がついている。


「行けっ!」


「任せます!」


少年は後ろを振り返らず教会へ走り出す。


歴史に残る戦いの火蓋が切られた。



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