第十八話 魔競大会のメンバー 帝国崩壊編
百にもなる鶴。それに魔力を込めることで式神化する事が分かった。
その後、俺は学校へ瀬崎はもう少し練習してから動くと言っていた。
「レビン!おはよう。」
後ろから追いついてきたのはエリスだ。
走ってきたのか髪が少し崩れている。
「おはよう。髪の毛、直さないとボサボサになってるぞ。」
そんな事を言いながら教室に向かう。
教室にはあまり話すことのないクラスメイトしかいなかった。
『邪悪な気配が近づいてきているわ。』
イーリスがそう言ったのと同時にアレス、レスティア、シャルロットが入ってきた。
「おはよう。」
驚いたことに一番最初に声をかけたのは、シャルロットだった。誰に向けて、、教室の端から端まで離れている状態(シャルロットが教室に入った瞬間)でこっちを見て挨拶してきた。その朝、クラスメイト達の最初の不運がおこる。
まずドアに近かった生徒が嬉しそうに挨拶を返した。もちろんなんらおかしいことはなかった。
シャルロットが見向きもしなかっただけで。
それが五人続き、シャルロットはやっと俺達までたどり着いた。
『邪悪な気配の半分はこいつね。』
そんな声を聞くと笑ってしまいそうになる。
事実シャルロットに見向きもしなかった生徒達の恨みの視線はシャルロットへ、ではなく俺達に向いていた。
「「おはよう。」」
黙っていれば普通の美人、見かけは十七歳ぐらいに見える。
「シャルロット、普通に彼らにも返事したらどうだ?」
「ええそうね。皆さんおはよう。」
素直に挨拶したことに、教室が静まり返った。この事でレビンはイーリスの助言を忘れていた。シャルロットがこっちを見てフッと笑った気がした。
「おはよう!」
「ああ、おはようレスティア。」
入り口で立ち止まっていたアレスとレスティアがやっと入ってきた。
二人も見事に驚いていて、後ろが詰まっているのにも気づかなかったようで一気に教室が騒がしくなってきた。
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「で、結局後一人どうする?」
魔競大会。それは、この国にある魔法学校(第一から第六まで)の運動会みたいなものだ。一年、二年と三年、四年と五年の部に分かれていて、一年の部の競技は、一キロリレー、バトルスマッシュ、ローリングストライクの3つだ。
三人組をクラス内でつくり、この3つの競技から一つを選んで予選にエントリー。
各競技二組が本戦に出場できる。
その三人組を今週中に決めなければならない。アレスと組むのは決まったものの後の一人が見つからない。
「バトルスマッシュは毎年けが人が多いから自信がある人しか行かないからなぁ〜。」
下手に出場して怪我をしたくないという人が多く、後一人がいないかもしれないのだ。
「誰かいないかな。このままじゃエリス達に勝つどころか当たる前に負けちゃうよ。」
そう、エリスはレスティアと、シャルロットと組みバトルスマッシュに出る事になっている。
「心当たりがないわけじゃないんだけど、」
瀬崎が今週中に入学して、しかもこのクラスに入ってくれれば、、、都合が良すぎるか。
「ごめん、今なんて言ったの?」
不確定すぎるよな。
「いや、本当にどうするかな。」
『学校って思ったより暇なのね。』
そんな事はない。この昼休みが終わると、待ちに待った魔術の授業があるのだ!
「生徒会のメンバーは放課後生徒会室に集まってください。」
この放送を最後に昼休みの終わりを告げる予鈴がなった。
魔術のクラス分けは当然一番上のクラスだった。メンバーは六人、俺、エリス、アレス、
レスティア、シャルロットそれともう一人、
セリーナだった。セリーナはハーフドワーフの眼鏡っ娘で、今まで話した事はなかった。
「セリーナを誘ってみるか。」
授業前にこんな話をしていた。
魔術のクラスの先生は校長先生だった。
若く見える(当たり前なのだが)エルフの女性。レジーナ先生だ。
「魔術と魔法の違いはマナだけではありません。魔術には、魔術陣をつかったり、詠唱したり、色々な発動方法があります。
下級魔術、第一階級、第二階級、第三階級、第四階級、第五階級、第六階級、第七階級魔術まであり、第七階級は天変地異を起こす魔術と言われています。詠唱と魔術陣を同時に操る事でしか間に合わないと言われています。」
こんな感じで今日は説明だけで終わった。
ちなみに第七階級を使うには五百のマナ量が必要らしい。
無詠唱でもできるそうだが、威力が落ちてしまうらしい。
生徒会長が入学式で使ったのは第三階級の魔術、この学校を卒業するまでに魔術はマスターするものらしい。
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「「失礼します。」」
「二人とも早かったね。もう少し待っててくれるかな。」
生徒会室にはまだ会長とアクトン先輩しか集まっていない。
「会長は第何階級まで使えるんですか?」
通常は第三階級で良い方。帝国魔法師で、
第五階級が平均。
「第五階級までだね。突出してよかった属性がなかったからね。」
第五階級で突出していないというのはいささか謙遜が過ぎる気もするが、この人はもっと上を見ているんだろうと思う。
「あっ、きたね。副会長は今日は来れないから始めようか。」
入り口にはバートン先輩とカル先輩、そして、瀬崎が立っていた。




