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親友殴りに異世界へ  作者: ヒナの子
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第十二話 精霊との出会い 精霊界編

起きて、、、起きて、、、

「、、っん、どこだここは?」


緑の森の中一人で座り込んでいた。

木々が生い茂り、太陽が真上に登っている。

前方には大きな山が見える。山には木々が全く無く、山肌が見えている。


「そうか。扉をくぐってここに。

そういえば声がした気が、、、うわっ⁈

誰?」


肩に小さな羽の生えた白い球体が乗っている。


「私は純色の精霊。何色にも染まる貴方のための精霊。貴方の種族はっと……何で見えないの?」


こっちに聞かれても困るな。前半部分もよくわからないし。


「名前は?」


「貴方が決めて。」


難しいな。


「要望は?」


「私にふさわしく、貴方の好きなものでいいわ。」


虹だな。この世界に来て一度も見ていない。


「イーリス、うんお前の名前はイーリスだ。

よろしくな。」


「まあ、悪くわないわね。」


そう言うと飛び上がり、太陽の光を反射させる。雲は不規則に動いているようだ。


「で、ここはどこなんだ?」


「精霊界よ。」


精霊界、ここが。太陽が昇るまで気を失っていたのか?向こうの世界はどうなっているんだろ。


「ああ、太陽ばかり気にしてもダメよ。

太陽に見えるけど、あれは、いやあの方は、

太陽の聖ウルズ様なのよ。」


なるほど太陽までもが精霊なのか。


「精霊と聖って何が違うんだ?」


「格ね。そもそも種族が違うとも言われているわ。私もまだ聖になれることはあるのよ!」


種族が違うか。遠すぎて分からないな。


「お前は精霊なんだろ?」


「選定の儀それで全てが決まるの。」


「選定の儀?何なんだそれは?」


「貴方の親は何も言ってくれなかったのね。

選定の儀は貴方が精霊魔法を得るための儀式

こっちにしたら全てが決まる儀式ね。」


儀式を受ければ精霊魔法を使えるようになるのか。


「その為に精霊王に会いに行かないと行かなければならないの。」


どっかで聞いたな。どこだっけ?


「先代ラティース様が貴方の世界の戦争で亡くなり、今の王はカンナース様。

ラティース様と、カンナース様は神聖と呼ばれる種族よ。」


思い出した!ここに連れて来たのは泉だけど、その時に会って助けてくれたであろうのが先代精霊王ラティースの思念体だったはずだ。もう一人の思念体にあったら貰った魔力を渡せって言ってたか。


「どうしたの?」


「いや、ここの時間の流れと俺のいた世界の時間の流れは一緒なのか?」


「違うよ。空間がそもそも違うから元いた世界の時間は進んでいないよ。」


良かった。母さんのいう事情も分からないしな。


「ゆっくり話す時間は終わりだよ。

風の落霊!数は四だね。頑張って‼︎」


「お前は戦わないのか?」


「まだ無理ね。貴方がこの世界に来ると同時に生まれたの。だからまだ無理よ!

来た!」


○○ー・○ッ○ーに出て来る魂を吸うやつみたいだ。風を体に纏ったように汚い緑色だ。


「よいしょ。終わったね。」


元素魔法で土の塊を作り上から落とした。


「す、すごいわね。魔力もほとんど減ってないし。」


「ありがと。それより落霊ってなんだ?」


「そもそも精霊や聖は死なない。契約者が死んだときに共に死ぬ。でも聖はこの世界に残れる。たまに契約できたりするからね。

まあ太陽の聖は限りなく神聖に近いと言われているし。カンナース様も元々は聖で、精霊王になったと同時に神聖になられたから。」


なるほど俺が死ねばイーリスも死ぬと、で、

落霊ってのは結局何なんだ?


「で落霊は、この世への未練が強くて無理やりこの世界に残った精霊。精霊から堕ちて落霊になるの。」


怨霊みたいな感じか、


「怨霊は契約できないのか?」


「できるわ。貴方が私を捨ててあんな奴と契約するならね。」


確かに理性の片鱗も見えなかったし、それは勘弁願いたい。


「複数の精霊や聖と契約できないのか?」


たまに契約できるということは、どういうことなんだろうか?


「できない事もないけど、選定の儀が終わり元の世界へ戻るのが普通の流れ。この世界で死んだら二度と精霊界には入れず、契約もできなくなるわ。」


気をつけてって言ってたのは、一回しかチャンスはないから頑張れと。


「それがどう繋がるんだ?」


「選定の儀では、精魂石というものに魔力を込めるの。それでそこに込められた魔力が契約の力となり、魔力の質や量によって契約する精霊の性質や力が決まるの。」


「で、ほとんどの人は魔力を使い果たし精霊界にいられなくなり契約した精霊と共に元の世界に戻るの。でも、契約する精霊が聖に昇華できる様になると精魂石に魔力が入らなくなるの。ここまでいい?」


「ああ。それでだ、その魔力が余った人はどうするんだ?」


「そこで精霊界に残り、魔力が回復したらこの世界に残っている聖と契約しに行くの。」


どうやら精霊界でも魔力は回復するらしい。


「もう一回選定の儀を行うのか?」


「いいえ、頼みに行くのよ自分でね。」


「あの太陽とかにか?」


「今まで二人目の精霊と契約できたのは三人しかいないの。三人ともその時の精霊王と契約したわ。」


なるほど先代の精霊王は、契約者が死ぬ直前に思念体を残したと、でも精霊王もこの世界に残れたんじゃ?


「先代精霊王は何で死んだんだ?」


「二人の精霊と契約すると契約者が死んだときに必ず死んでしまうの。これがリスクになるわね。」


「魔力が余った人で、二人目の精霊と契約しなかった人はいないのか?」


「いないわね。魔力が余ったのもその三人だけよ。」


転生魔法の使い手だとは思うんだけどな。


「その人達はみんなエルフだったのか?」


「いいえ、一人は初代のエルフの長、もう一人は現在のエルフの長、もう一人、先代の精霊王と契約したのはよく分からないわ。」


最後のは転生者ぽいな。


「分かった。もし俺がもう一人の精霊と契約できるとなったら、、イーリスお前はそれでもいいのか?」


「もちろんよ。貴方が死ぬときに私も死ぬつもりよ。」


堂々とした告白に驚きつつ、信頼できると思った。


「精霊は見る種族なんだよな。」


もう三年以上過ぎた。


「ええそうよ。」


誰でもいいから受け止めて欲しかった。

否定されたくなかった。

もし、この少年自身の人格が目覚めることが可能性があったのなら、自分はこの子の人生を生まれる前から奪ったことになる。

みんなが本当に求めていたのはレビンの目覚めであって、俺の転生ではない。


「名前を見てくれないか?」


だから周りの人に言うのが怖かった。

このまま関係を崩したくなかった。

初めてこの世界に来た時は驚きとファンタジー感で現実逃避していた。日々を過ごす内にレビンとして過ごし褒められ、指導され、

祝われ、怒られ、共に生活する内に罪悪感が生まれ、隠し、隠し、今日まで来た。

泉のことも忘れてはいけない。元いた地球のことも。これが一番怖かった。この世界に慣れ、この世界の住人になり地球のことを忘れてしまうのが。


「名前はんーっと何?見にくいわね。」


だから嬉しかった。この貰い受けた、奪った生を共に生きてくれると伝えてくれたから。

心の底で別世界の住人としか思えなかった自分をこの世界で認めてくれるのが。


「どうみえる?」


だからイーリスには全て話し、秘密を共通したい。地球のことを忘れないために。


「二つあるわね。レビン・ツァオベライ・ハーシー、夏目 弥。一つは貴方が元いた国の名前ね。もう一つは遥か極東の島国の名前ね、確か日出国ひいずるくにの名前かしら。」


「この世界にも日本があるのか。いつか行って見たいな。」


これは心からの本心だ。


「この世界?何をいっているの?ニホンってどこのこと?」


「俺の本当の名前は夏目 弥。地球という別世界の人間だ。レビン・ツァオベライ・ハーシーはこの体だけなんだ。」


「そう。別世界とは何を指しているか分からないけどそれがどうかしたの?」


「その世界のことを忘れたくないんだ。

でも俺はレビンだ。だから、、他の人には言えなかった。別世界というのは別の空間じゃない。魔法のない世界。もちろん精霊だっていないそんな世界なんだ。」


「そ、そう。貴方は、いえ弥は帰っちゃうの?」


心配そうに見てくる。


「大丈夫だ。もう帰れないし、帰ろうとも思ってない。でも、別世界、地球のことを忘れたくないんだ。だから地球の話を聞いてくれるか?」


「もちろんよ!弥は私の生涯のパートナーなんだから!」


「あ、ありがとう。」


恥ずかしげもなく結婚のプロポーズを言うイーリスに夏目 弥としての初めての言葉が口からこぼれ落ち、光が反射し頬に光の道筋が現れていた。


「感動の所悪いんだけど。少しいいかしら?」


「貴女は?」


どこかで聞いたような声を聞き、振り向くと。


「夏目 弥と聞こえたのだけれど気のせいかしら?」


「瀬崎じゃないか⁈なんでここに?」


「ほ、本当に夏目君なの、

わぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん。怖かった、本当に怖かったんだから〜!」


かつて見慣れたクラスメイトがそこにいた。



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