愛という名のもとに
あらすじ
待ちに待ったデビュタントで、少女は壮年の国王に見染められてしまう。祖父よりも年上の国王が自分を愛妾に求めている事を知ったテレジアはただ恐ろしくて泣き喚いた。
両親に縋りつくも、両親はそのまたとない機会に乗り気で、その話を進めてしまう。
愛妾になる為には人妻でなければならない。その馬鹿げた条件を満たすための花婿探しが始まった。
しかし事はそう簡単には運ばない。
華やかな社交界へと足を踏み出す一歩に、彼女の心は沸き立っていた。これからの期待に胸を膨らませ、ほころぶその笑顔はまるで可憐に咲き誇る花のようだった。
「ポートリッド伯爵家が娘、テレジアにございます」
いずれは社交界を賑わす花々の一つになろう。彼女はそう思わせるものを持っていた。
「良き出会いに祝福を」
「感謝致します」
緊張するばかりの国王への挨拶が終われば、次はダンスなのだが、格式ばった挨拶は時間が掛かるものだ。伯爵家という立場上、最初ではなかったものの挨拶の順序としては先から数えた方が早い。だから自分の番が終わったとしても、暫し待たなくてはならないのだ。
(それにしても、流石はデビュタントだわ。素敵な殿方ばかりなのね)
デビュタントのペアとして招かれているのはその誰もが社交界で噂になる紳士ばかりだ。
○デビュタント
国王への挨拶→素敵な紳士方とのダンス→貴婦人との楽しい会話→皇太子の登場→帰宅
○愛妾への打診
母と共に刺繍→突如部屋を訪れた父→国王の愛妾への打診→理解出来ないテレジア→驚きながらも喜ぶ父母→理解が追い付き泣き喚くテレジア→泣き縋るテレジア、諭す父母→喜び部屋を後にする父母に、絶望するテレジア
○婚約者探し
父母による婚約者探しはテレジアを介さずに行われていた→既に愛妾打診は社交界の噂になっており婚約者探しは難航→その旨を国王に伝えると国王自ら候補者を選別→公爵という相応しい地位を持つ冴えない青年が、ついに婚約者として選定される→それはテレジアにとって愛妾宣告そのものだった→泣き暮らすテレジア、喜ぶ父母
○結婚式
相手の顔も知らぬままテレジアは結婚式当日を迎える→初めて対面する2人→若き公爵ルーシェンはひと目でテレジアに恋をする→
○穏やかなひと時
○王宮への出仕要請
出仕要請→啜り泣くテレジア
○結ばれる絆
テレジアを抱き締め、誓うルーシェン→泣き縋るテレジア
○
○再三の出仕要請
○領地への逃避行
○幸せな日々
○授かりし天使
○忍び寄る影
定例となった母子での楽しいピクニック→その母子へと近付く不審な人影→それが国王だと気付き子を連れ一目散に逃げるテレジア→いつか妻を誘拐されると危ぶむルーシェン
○慌ただしい日々
業務の引き継ぎや任命等忙しい日々
○国からの脱出
国王の手を逃れる為、不仲な隣国へ亡命
○差し伸べられる手
保護される
○三度の平穏
○引き渡しの要請
国王が引き渡しの要請を敵国に→勿論断られる
○引き起こされた戦乱




