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ネタ帳  作者: とある世界の日常を
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進化論

 核戦争で荒廃した世界で、人類は大きく数を減らした。その多くは核による直接的被害で数を減らし、生き残った者達も蔓延する放射線に徐々にその体を蝕まれていった。


 富や権力を持つ者は開発された新薬にて難を逃れ、持たざる者はその身が朽ちるのを受け入れざる得なかった。

 崩壊した社会の前に人権など無に等しく、次々に開発される新薬の治験対象となったのは持たざる者達だった。その犠牲者は語るも悍しい結末を迎えた者が多い。幸いにも症状の緩和した者もいたが、続けざまの人体実験としか言えない所業の果てに命を散らした。

 元より放射線により遺伝子情報は崩壊している者達がその治験の対象であった。元々ただ死して待つ運命だった者達を使ったに過ぎないのだ。当然に研究者達に罪悪感等はない。否、治験を重ねる毎になくなったのだ。

 死の恐怖は人を狂わせる。治験は放射線治療に関する治療という題名にて大々的に募集された。初めは中国が、そしてそれに呼応するかのように各国は同様の治験を募集した。戦争が始まったとはいえ、元は人権の保証された世界で温く生きていた者達だ。それでも権利が保証されているはずだと甘く考えていたのだろう。一向に効果の出ない治験に、集まった民衆は怒りを顕にした。

 研究者達は出資者達にも強く結果を求められていた。代謝の早い子供には既に症状が出始めていたからだ。そんな中治験という名の元に集まった民衆は、大した役にも立っていないにも関わらず声を大にして文句ばかりを言葉にする。研究者達がそんな彼らに情を感じなくなるのはそう難しい事ではなかった。


●エルフ


 彼らは実験で生まれた種族ではない。人類が生んだ新たな種と言っても良いだろう。

 彼らの特徴は陶器のような硬質で滑らかな肌だ。彼らは表皮の代謝というものが無い。固く分厚い皮膚は関節の部分だけがほんの少し柔らかくなっており、動作は緩慢なものの概ね人と同等の可動域を保っている。硬質な皮膚の為か表情は乏しく、一見すると人形のような印象を受ける。そして硬い皮膚が成長を阻害するのか、身長は低く男女の身体的特徴に大きな差異はない。

 人と比べると見目は12〜13歳程度だ。心拍数も低く、人の5〜10倍程の寿命を持つ。動作が緩慢なため直接的な狩猟は不得手であるが、罠等を活用し、狩猟農業をバランス良く取り入れている。

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