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ネタ帳  作者: とある世界の日常を
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実験教室

いじめを無くすにはどうすれば良いのか。

天真爛漫な教師が試行錯誤を繰り返しながら、生徒と一緒に成長する(予定)物語

 いじめとは、弱いものが更に弱いものを虐げる行為だ。


「入学おめでとうございます。これから一年間、あなた達の担任を務めます、山田花です」


 中学に上がったばかりの幼い子供たちの顔は、慣れない教室内の雰囲気に押されてか、緊張に強張っている。


「これからあなた達は新しい事を学び、少しずつ大人になる為の準備をします。楽しい事もあればつまらない事もあり、嫌なことだってあるでしょう。私はできる限りあなた達が健やかに成長し学べる様に手助けをします。完璧なんてありません、お互いなりたい未来に向かい切磋琢磨していきましょう」


 長くなりすぎないよう、出来るだけ簡潔にかつ伝えたい事を盛り込んだつもりだが、伝わったのか伝わっていないのか、生徒たちは少し呆けた様子に見える。まあ失敗ではないだろうと気を取り直して彼らの自己紹介を促す。


「それではまず、お互いを知るために自己紹介をしたいと思います。が、突然言われてしまえば何を言えば良いか緊張でわからなくなるでしょう。私はそうでした。ですので自己紹介表を作りました。今から配りますので、こちらに記入して下さい。記入後全てを話す必要はありません、好きな項目で自己紹介して下さい」


 何もない状況での突然の自己紹介。あるだろうなとは思っていても、真剣に考える事は少ない。だからと言って突然出来る訳ではない。ならば直前に情報を与え、整理させれば良いのだ。


「記入時間はあまり多くはありませんが、10分にしましょうか」


 項目はそう多くない。当たり前に「名前」「誕生日」「星座」「血液型」「好きな食べ物」「嫌いな食べ物」「毎日する事」「アレルギー」「学校から家までかかる時間」「家族構成」「ペット」「気になる部活」「得意科目」「伝えたい事」等だ。因みに表には顔写真を貼るスペースもあって、教壇にはチェキも用意している。

 これをした理由は簡単、覚える為だ。


「全てを今埋めなくても大丈夫ですよ、自己紹介の後に再度記入の時間を設けます。後ほど皆さんの写真も一人ずつ撮らせて下さい。先生も皆も早く覚えられるように、教室に掲示します」


 因みに先生である私も同じものをこれから書く。同じ条件でする事で、緊張や不平不満を減らす事も目的だ。写真は一応準備して来たが、誰かに頼めそうなら撮ってもらう予定だ。


「さて、そろそろ大まかに記入は終わりましたかね?」


 教室内を見回せば、ペンは殆ど止まっている。


「それでは、まずは私から自己紹介しましょうか」


 誰だって、一番最初というものは緊張する。大人が手本を見せてこそ、だろう。

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