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ネタ帳  作者: とある世界の日常を
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時間

 過去を改変する時に大切なのは、いかに変えていない様に装うかである。

 あからさまな改変は歪みを生み出し、あったはずの未来を亡くしてしまう。それはつまりなかったものとなり、歪みのない範囲での改変でなければ認識外の領域で修正がなされ、改変しようとした本人でさえ気付かずに同じ時を繰り返す。

 データとしても残されていないその存在さえしない筈の時間を観測することは不可能に近く、その多くが過去改変そのものよりも、過去への時間移動の失敗として処理されている。


 過去改変が成功した例もないわけではない。しかしそれが成功する確率というものは宝くじが当たる確率よりも低く、また成功した者が幸せになった訳でもない。


 過去に事故で愛する人が植物人間になった男の話をしよう。男は生涯彼女以外に目を向けなかった。男は彼女の為に存在しているかのように、医療を学び、脳科学を学び、複製分野を学び、研究し追求し実験を繰り返した。しかしそれらで得た成果をもってしても愛する人は目覚める事はなかった。男以外の全てが匙を投げても、男だけは諦めなかった。しかし全ての手を尽くしても、女が目覚める事はなかった。男は次第に過去改変へと興味を向ける。

 既にその頃、幾つかの著名な研究機関は秘密裏に研究を進めていた。しかし男にはそこまで知る術もなく、男がまず手始めに踏み込んだのはとある小さな宗教団体であった。

 宗教団体とは言ってもそれは金を集める手段であって、その本体は小さな研究室だ。彼らの内の一人は狡猾で頭が良かった。その男が主体となり宗教団体を形成している。

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