表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネタ帳  作者: とある世界の日常を
63/178

廻る刻

 どんなに創意工夫をこらし努力を重ねても、結果は何も変わらなかった。まるでそこだけは決まっているのだと言うように、彼らは私に殆ど同じタイミングで全く同じ言葉を吐く。


「君には失望したよ」


 これは生まれて直ぐに私の婚約者という立場に収まってしまう男の言葉。


「愚かな女は嫌いだ。君は浅はかで鈍感だ」


 これはどんなに距離を置こうと思っても、親同士が親友であるから幼馴染みという立場から逃れられなかった男の言葉。


「貴女を姉とは思いたくない」


 これは勘当されていた父の妹が産後直ぐ亡くなった為に引き取られ義弟となってしまう男の言葉。


「もうこれ以上貴女を主であると思いたくない」


 これは私の執事兼護衛として父が見いだして育成していた男の言葉。


 一度目は確かにそう言われても仕方の無い態度であったと我ながら思う。否、寧ろ一度だけではなく、繰り返される時間の何度目かまではそうであったと自覚している。

 それ程までに私は愚かで浅ましく、そして醜かった。勿論見目がではない。心が、だ。


 何度も何度も打ちのめされた。繰り返していくうちに、繰り返される経験を糧に成長したと言って良いだろう。最初こそは過ちを認めずにいたが、幾度か目に過ちが何であるかに気付き、そして更に回数を重ねて過ちを認めた。そしてまた回数を更に重ねて、私は漸くそれらの事実を受け入れたのだ。

 受け入れてからは態度を改め、彼らとの関係は改善されたかのように思えた。それなりの信頼関係を築いたつもりだった。しかしそれらには何の意味も無かったらしく、彼らは一度目と同じ台詞を私に投げつけた。


 何が悪かったのか、まだ私はそうまで言われる程に「悪」だったのだろうか。そう思って繰り返される次の人生では更に気を付けた。しかし結果は同じだった。

 何度か繰り返す内に、これは決まっている出来事なのだと気付く。ここからは変えることの出来ない未来なのだと、ここからはまるで彼らは操られているかのように同じ言動を繰り返す。


 悲しかった。まるでそれらは呪いの言葉のように私の人生に重くのし掛かる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ