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夢の果て
いつのころからか、明晰夢を見るようになった。
夢の中で、少しずつ自由に動けるようになるのが楽しくて、やりたい事は何でもやった。
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「何をぼんやりしているの、シンデレラ」
ある夜、私はいつの間にかツギハギで薄汚れた服を着て暖炉を掃除していた。
「お姉様・・」
自然とその単語が口を突いて出た。
そう、この人は私の義理の姉の片割れ。
「こっちを見ないで頂戴。貴方の薄汚さがうつってしまいそうだわ」
「見ているだけで汚れはうつりませんよ」
「まあ、貴方わたくしに歯向かうの!?」
変な夢だ。そう思った。




