クセ強令嬢は自由を愛する
結婚初日、つまり初夜の直前まで、私は親に決められた配偶者と仲睦まじくなる努力をするつもりでいた。
夫となった男が奴隷の異人に夢中だと知るまでは。
つまり私は隠れ蓑だ。私に決めた理由は、その奴隷と色合いが同じだったからだろう。初夜をすっぽかし、夫婦の義務を果たさず奴隷とよろしくやっているのは、そういうつもりなのだろう。奴隷の子を我が子とするつもりだ。多分父はそれを承知の上で私を捧げた。通りで上機嫌で
見送るはずだ。ただ侯爵家と親戚になるから喜んでいるのかと思いきや、恐らくそれに見合った金額を手にしただろう。
(前世に続き、今世までも、つくづく愛に縁がない人生だわ)
夫が義務果たす気配がないなら、妻も義務なんて果たさなくても良いわよね。侯爵家の南の別荘地貰って、前世にできなかった完全自給自足生活目指そうかしら。
奴隷の子って教養はあるのかしら、あるなら公爵夫人に成りすましてもらえば解決ね。できなくても執事か家政婦長にさせればいいんだし。あら、案外悪くないかも。
早速明日、夫(仮)に提案しなくちゃ。
結婚は人生の墓場、なんて男の人が良く言うセリフだけど、女にとっても墓場よね。大概は。
ああ、楽しみになってきたわ。
早く明日にならないかしら。
「君は何を言っているんだ?」
「ですから、わたくし基本的な教養は教えて差し上げますので、侯爵夫人として遇して差し上げれば宜しいのてはないかとご提案しております」




