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ネタ帳  作者: とある世界の日常を
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転生しました。

 記憶を持ったまま、多分赤ちゃんになったと気付いたのは生まれて一週間以上が経った頃だ。

 最初は何かの病気で倒れて色々な事が不自由になったんだと思った。意識が戻ったときは寒いし、喉とか肌とか色々な所がヒリヒリして痛かった。光も痛く感じたのを覚えている。さらに色を認識できないし視力も落ちて視界はかなり悪かった。

 体はどこもかしこもうまく動かせなくて、もどかしかった。口さえも上手く動かせなくて、言葉らしい言葉が話せない。音も水の中にいるみたいに遠くて、自分が何を言われているのか全く分からなかった。手足もあまり言う事をきかない。頬が痒くてただかきたかっただけなのに、手は勢いよく顔に当たったりする。

 本当に、全てが終わりだと思った。そんな中でも幸運だったのは、食事が口で取れることだ。とはいえ固形物は与えられないのだが、胃ろうでないだけでも回復の見込みがあるのではという希望になった。

 実際意識が戻ってからは少しずつ感覚を取り戻していくのを実感していた。赤ちゃんであることに気付くのに一週間もかかったのは、それだけ精神的に追い詰められていたからだ。

 気付いたきっかけは授乳。肌の感覚になれ始め、口や顔に触れるものが人肌である事に気付いたのだ。それから食事後に背中をトントンされれば、自然と口からゲップが出る。可能性に気付いて一つずつ検証すれば、身体障害者というよりも赤ちゃんといった方がしっくりくるルーティンだった。

 子供の時期は無双できそうだな。今世は毎日の宿題は勿論、長期休暇の宿題もちゃんとして、遅刻もしないし万引もしない。友達とも適度に遊んで大学行こう。学生のうちにちゃんと恋人とかも作って、損得なしの純粋な恋愛というものをしてみたい。大学卒業したらそこそこ緩めの大企業で無理なく事務とかやりたい。

 二週目の人生だと自覚した日から暫くはそんな妄想をしつつ日々を過ごしていた。


 二ヶ月ほど経つと視界は良好になり、前世の裸眼程度の視界は確保できるようになってきた。大体0.07位だ。ギリギリ裸眼で運転可能なラインだ。色々と興味を持って見るようにしていたから、多分他の新生児より視力は良い気がする。今世では視力落とさないようにしたいな。聴力は微妙なところだ。音自体は聴こえるし、悪いわけではないが、会話は聞き取れない。一音一音を認識できないので、全体の音の長さは認識できるが、言葉としては聞き取れていない。水の中で聞いているような感覚はなくなったのだが、難しいものだ。


 視界が良好になり、部屋の内装などが認識できれば、この家が裕福そうであることは判別できた。それなりに綺麗で重厚な家具が揃っていたし、装飾品はあるものの部屋はスッキリしていて洗練されているように見える。貧乏だったりすると家具にそんなにお金は掛けられないし、勿体なくて色々な物が捨てられず溜まっていくのだ。


 よくあるネット小説のような異世界の裕福そうな家に生まれた。最初は異世界チートだとか逆ハーか悪役ザマァかとワクワクして、とんでもないご褒美だと無邪気に喜んでいた。

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