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夢の跡
恐怖というものは、心に深く残るものだ。
「い、やぁあ!!!」
自分の叫び声で我に返る。
「く、び・・!」
自分の喉元を掌で押さえる。
傷もなければ痛みもない。あれが、夢だったとでもいうのか。
手が震えている。不思議と感じたのは痛みではなく熱だった。熱いと、思った。多分、あれで死んだのだ。
震える体を起こして、ベッド脇にあるテーブルの上に用意された水差しを手に取る。止まらない震えのせいでカチャカチャと煩い。水も少し零れてしまった。
ベルを鳴らそうとして思い留まる。死ぬ前に、ここで働いていた使用人がいた。恐らく私が処刑される様を見に来たのだ。水くらい放っておこう、そう思いベッドに戻る。
嫌な、夢だった。
横になったものの、眠る気はしない。そもそも眠気は吹き飛んでしまったし、寝てしまえばまた夢の続きを見てしまいそうな気がする。




