創世
いつも一緒。別にそういう訳ではなかった。
大学、という事もあって、確かに昔からの幼馴染や友人と仲の良いグループもあったが、大学から仲良くするようになったグループもある。
そんな年齢だから、仲違いもあれば痴情の縺れもある。親友と呼べる者もいれば、顔見知りとも呼べぬ他人もいた。
ただ、そのグループは何となく一緒に行動する事が多かった。
「何ここ?」
「え、教室どこ行った!?なんで外!?」
「あれ〜、これって所謂異世界転移ってやつ?」
「やだ、何ここ」
「うわ、虫出そう」
「え、これ夢じゃないの?」
三者三様の反応を見せつつも、昨今の映画やアニメ、ゲームの影響かそうパニックにはならなかった。
「夢じゃないなら、取りあえず寝床確保しなきゃ」
「やだ、帰りたい」
「私も帰りたいけど、帰り方が分からないもの」
◆
私達は年を取らなかった。
私達は人とは違うものになってしまった。
子供が出来ない事を理解した。
一人は完全な人の世界を創ろうとした。
無から有を作り出す。それが如何に難しい事か、分かっていてもやめられなかった。
一人はそれに寄り添い同じ道を進んだ。
一人は知的生命体を創ろうとした。
遺伝子的には、豚が一番人に近いという。しかし実験は一つに限らず、知力が高いと判断された生命体全てに適用された。
一人はお遊び気分でより強い生命体を創った。
それは所謂、伝説と呼べるようなもので、本来は生まれるはずがない存在。
一人はただひたすら魔法を極めた。
その内三人はそれぞれのしている事に関わりたくなくて、誰も来ない最果てを目指した。一人は一番遠い陸地に、一人は地の底に、一人は海の底に。
それは未来で神話と呼ばれるようになる。




