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精霊のミミとメアリー  作者: まひろ
1/1

新生活初日・・・いきなりつまずいた!

「どうやらこの人が新しい家主のようデース」


「はわわ、今度の家主さんはすぐいなくならないといいのです」


ドアを開けたら部屋のど真ん中に二人の少女がいた。


「何にしろ今日はパーティーデース!メアリー早速準備開始デース!」


「はわわ、ミミちゃんパーティーをするための材料や道具がないのです」


どうやらデース調がミミで、のです調がメアリーと言うらしい・・・口調に関しては突っ込んだら負けだと思う故に突っ込まない!知りたければ各自で調べてほしい、きっとすぐ分かる。

それよりも状況を確認しておこう、俺の名は壁谷庄治かべやしょうじ、大学に通うために今いるこの部屋を貸りたのだ。

間取りは2LDK、トイレ、風呂別、最寄り駅まで徒歩7分!

普通に考えたら学生が住めるような料金の部屋じゃないのだがこの部屋家賃何と1万円!

はい、もう分かるとおり曰く付きの物件です。

聞くとこの部屋、ラップ音やポルターガイストが多発してるそうな・・・まぁそんなこと俺は気にしないのでこの部屋にしたのだが、さすがに少女が居座っているのは論外である、曰く付きとかの問題じゃない。

早急にこいつらには出て行ってもらおう、よし決定!!


「お前ら二人どっからこの部屋に入ったんだ、と言うかこの部屋は俺が貸りた物なので早急に出て行ってくれ」


そう話すと二人の少女は揃って後ろを見た。


「メアリー、誰もいないネ・・・」


「誰もいないのです・・・先ほどまで誰かいたのでしょうか?」


・・・何かのコントでもしているのだろうかあれは


「ミミとメアリーって言うのか?お前ら二人のことだ・・・なんでそんな顔してるんだお前ら」


それはすごい顔をしていた・・・どんな顔かって?例えるなら怖がりがホラー映画を見た後の夜中にトイレに行って怖くて後ろを振り向いたら本物にあったときのような顔だ・・・ん?例えが長すぎるしよく分からないって?大丈夫だ俺も分からん!!


「・・・HEY、メアリーこの人もしかして私たちが見えてるのデス?」


「はわわ、きっと別の少女二人組みの名前が私たちと同じだったのだと思うのです」


・・・これは無限ループに入る兆候か?仕方ない、強硬手段にでるか。

そして俺は二人に近づき部屋から追い出そうとしたとき   スカッ  ・・・え?さわれない、どうゆうこと・・・と言うかよく見たら半分透けてるこれって、ホ・ン・モ・ノですか?

え、何それ、真昼間っからでるもんなんですか?ヤベー視認できてるよ!オラ背中がゾクゾクしてきた、汗がぶわっと噴出してきたよ?


「・・・つかぬ事お聞きしますが、あなたたちは何者でしょうか?」


ここで目が合い要約二人(?)も理解したらしい・・・ここで理解してほしくなかったなぁ、と言うか何で俺は掴めなかった後に話しかけるなんて暴挙をしたんだ?逃げる時間無いジャン!!と思ったら二人で話し始めた。しめた、これは逃げられるか!?


「メ・・・メアリー、この人本当に私たちが見えてるようネ」


「はわわ、私たちが見える人は初めてなのです!ミミちゃん私緊張するのです」


よし、今だ!「脱出ーーーーーー!」って何で俺は声に出した!!?気づかれたぁぁぁ!!

「ま、待ってほしいのです」

そう言って彼女の手が伸びてきた、しかし捕まらなければどうと言うことは・・・思いっきり羽交い絞めにされたぁぁぁ!!は、速すぎて見えねぇぇぇ!?てかなぜ向こうは触れれるんだ理不尽だぁぁぁぁ!!

「やーめーてーぇぇぇぇ!!部屋から出て行きますから殺さないでぇぇぇぇ!!」


「物騒なこと言わないでほしいのです!とにかく落ち着いて話をしたいのです!」


騙されはせん!騙されはせんぞぉぉぉ!!俺は生きてこの部屋から出るのだぁぁぁぁ!!!


「HEY、ちょっと落ち着くネ」

その言葉とともに側頭部に衝撃が!?そしてそのまま俺の意識はブラックアウトしていった・・・





◆◇◆◇◆◇◆◇





あー・・・なんか頭が痛い俺は一体何してたんだっけか?

何かすごく怖い夢を見ていた気がする、そう本物の幽霊に会った夢で俺が憑り殺されるのだ、えーっと寝る前にホラー特集でも見てたっけ?

まぁそろそろ目を覚まそうじゃないか・・・そして目覚めた俺の前には二人の少女がいた。

ドウヤラユメジャナイヨウダ


「目が覚めたようなのです。ミミちゃん謝ったほうがいいのです、一歩間違えば大惨事だったのです。」


「sorry、気が動転しててやりすぎマシター」


近くには大破したかぼちゃが・・・いろいろ突っ込みたいがあれが粉々になっているという事は俺よく生きてるな、普通死ぬと思う、いや死んでるのか俺は?


「だっ大丈夫なのです。死んではいないのです、そして私たちがやっぱり見えているのですね?」


ここまできたらもうジタバタしてもしょうがないと思い俺は開き直ることにした。


「見えてるな、でお前らは俺をどうするんだ?」


開き直ったとはいえ相手は幽霊(おそらく?)怖いもんは怖い俺はどうなるのだろうか、とりあえず冒頭で曰くつき物件選んで大丈夫とかほざいてた俺を殴り飛ばしにいきたい。


「そんなに睨まないでほしいのです、私たちはお話がしたいのです。今までの家主さん達とは意思疎通が出来なくて困らせてしまいましたから」


「HEY、と言うわけで自己紹介ネ!私はミミ、壁の精霊ネー」


「ミ・・・ミミちゃんいきなりすぎるのです。あ、私はメアリーです、しょ・・・障子戸の精霊なのです」


せ・・・精霊ね、それも壁と障子ですか、で名前はミミとメアリーねぇ、駄洒落かよ!!


「・・・いろいろ言いたいことはあるがいいや、ミミとメアリーね、で俺をどうしたい訳?」


「ちょっと待つネ家主、家主の名前は何デスカ?」


「ん?俺の名前か、俺の名前はー・・・」

そこで気付いた俺の名前は壁谷庄治、こいつらと一緒になってしまっては正に駄洒落になってしまうではないか!!ここはなんとしても回避・・・出来ないよ?本名だよこれ?ここで偽名使うの?いやいやいや、どうせ違約金払うことになろうがすぐにこの部屋は解約するのだ、偽名を使っても問題はあるまい、ならばどんな偽名にするか・・・思いつかん、ここはしょうがない山田太郎とでも言っておくか。

「俺の名前は「壁谷庄治というのデスカ、私達と一緒だとなんだか駄洒落みたいデスネー」


ノオォォォォォォォォォォォ!!?


「なっなぜ名前が分かったのだ!!?お前らまさか心が読めたりするのか!!?」

こいつはまずい、まさか俺が今まで考えてたこと丸分かりか?


「何いってるデスカ?さっき自分で庄治と言ってるではないですか」


俺が口走ってただけだったぁぁぁぁ!!


orz





「・・・・・・ミミ、庄治は一体どうしたんデスカ?あっまさか私がぶつけた傷のせいデスカ?だとしたらどうすればいいのでショウカ?嫌われてしまうのです!!困るのです!!」


「分からないのですが多分違うと思うのです。別の何か思い悩むことでもあったのだと思います、落ち着くまで待つしかないと思うのです。」


「そうなのデスカ?人間っていろいろ大変ネー」



あぁぁあぁぁああああぁぁぁぁああぁああぁあ!!

と転がり続ける庄治を眺める二人がいた。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「はい、大変取り乱しました。なぜ自分でもあそこまで取り乱したのかよく分かりません、大変すみませんでした」


と言いつつ二人の精霊(?)に土下座している俺がいました。


「庄治、もう大丈夫デスカ?」


「氷の替えを持ってきたのです、庄治さんはもう少し大人しくしてるのです」


えー・・・二人に心配されてるこの状況には訳があります、さっきまで臨死体験していたようです。

意味が分かりませんか、では詳しく言うと悶絶して転がっていた時ですが、加減なしに加減なしに柱に後頭部をぶつけ血を流しながら動きが止まったそうです、しかも息してなかったそうな・・・怖いですねーよく生きてますね自分、まぁその時二人は蘇生および治療をしてくれたわけです、こうなった原因の一つに側頭部のダメージも無きにしも非ずですが助けてもらったのは事実な訳ですはい・・・何かあったらやばいので後から医者に行くことするとしてそろそろ本題を進めねば、色々脱線しすぎな気がする。


「あーありがとう、で結局何の話をしようとしてたんだっけ?」


二人がキョトンとしてます、何かおかしなことを聞いたのだろうか?


「庄治、私達は会話をしたいだけなのデース」


「今までこの部屋に住んでいた人たちは会話はおろか見ることもできていなかったのです」


・・・つまり話がしたいとは言葉通りただ話がしたいだけだったと?


「なら話さえすりゃお前達は部屋から出て行ってくれるのか?」


「無理デース!」


「わ、私達は基本この部屋から出られないのです」


なし崩し的に状況整理が始まってしまった。

で、聞いたことをまとめると二人は現段階では俺以外には誰も見えないらしい、この部屋と言うかこの2LDKの物件の外には出られないらしいと言うこと、それともう分かりきってることだがここが曰く付きになったのは二人の悪戯のせいらしい・・・まぁ悪戯のつもりはなく意思疎通を試みらしいのだが結果として悪戯にしかならなかったんじゃな。


「なるほどねぇ・・・じゃ大家のところ言って部屋解約してくるわ、じゃあな二人とも」


話を聞き終わったので俺は立ち上がりさわやかにこの部屋を退室する決意をした。


「ま、待って下サーイ。庄治はこの話の流れでそうくるのデスカ!!?」


「はわわ、庄治さん居なくならないでほしいのです!」


「しかしな、前科持ち(曰く付きの原因)が目の前に居て一緒に住むと思うのか?それ以前に俺から言わせれば不法侵入者みたいなもんだぞ?」

どんな理由にしろ現状この二人が居ることは俺にとってはデメリットしかないのだ、一時のノリや勢いで決めてしまうと後々後悔するだろうしなぁ。

二人を見ると頭を抱えだして唸り始め、何かひらめいた顔をした。

ろくでもないことでも思いついたようだ。

「庄治!この部屋に居てくれるなら私達からいいものが手に入るネ」


「あ、説明を忘れていたのです」


・・・こういう話の流れだと邪な考えを持つ者もいるのだろうが今の俺の心境はまったく違う、すごく駄目そうと言うのが俺の感じだものだ。


「この部屋の主でいる間は私達の加護が手に入るのデース」「そうなのです」


「いらん」


バッサリ切り捨てたら二人が泣き出した・・・見た目のせいでこう・・・罪悪感が出てくる、仕方ない。


「泣くな、悪かった話は聞くから泣き止め」


そう言うと泣き止みはしたが目が潤んだままで眉毛も八の字もまま、嘘泣きなのかガチ泣きなのか俺にはまったく分からん・・・


「グズッ私達の加護はある特殊な力が使えるようになるのデース」


「ヒック、私達一人につき一つなので二つの力が手に入るのです」


・・・中二的な何かの方向に向かっている気がする、とは言えそれが本物なら中二ではないか妄想じゃなくなるわけだしな、だがそれ以前に疑問が出来た。

今までここに住んでいたやつらは、そういうものがあった上で出て行ったのだろうか・・・いやもしかしてその能力もあいまって出て行ったのではないだろうか?


「私の加護は壁に耳をつけたとき壁をはさんだ音が聞こえるのデース」


「私の加護は戸の穴を覗いた時、戸の穴の先が見えるのです」


・・・・・・・・・・・・堪えるんだ俺、ここでその行動を起こしたら負けな気がする。

「まんまかよ!!と言うかそれって加護なくても普通に出来るよね。と言うかそれやってるの見かけたら犯罪者にしか見えませんよね!?」

駄目だった。突っ込みいれてしまった。


「だ・・・誰にでも出来たのですか!!?に、人間ってすごいのです」


「そ、そんな!?私達が庄治を引き止められる材料が無くなったのデスカ!!?」


「居なくなっちゃうのです、ミミちゃんなにかないのですか?」


「手詰まりデース、もうお終いなのデース」


二人してまた泣き出した。てか手詰まりはえーな!!はぁ、段々疲れてきた・・・最初こそ意識を刈り取られたりしたが、こいつらじゃ何も出来ないような気がしてきたぞ、それに今から部屋を解約して次探すのも実際のとこ現実的じゃないしな。


「お前ら見てると考えてるのが馬鹿らしくなってくるな・・・もういいよ、お前らが俺に害をなさないならここで生活するよ」


そう言ったら二人ともキョトンとした顔になっていた。


「迷惑掛けないのです!だからここにいてほしいのです!」


「庄治、約束するのデース!有賀となのデース!」


そう言ってミミが突っ込んできて・・・そのまま俺は倒され後頭部を強打!本日3度目のブラックアウトを体験しました。

だからそういうのをやめろと思うのだが、ここで生活するなら今後の課題か・・・











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