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鬼ノ鉄兵 ~ その大怪獣は天空の覇王を愛していた ~  作者: かすがまる
第7章 疾風の鬼神、天帝の古歌
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第9話 正体

 1人の少女と面と向かっていた。


 黒髪が艶やかに長く美しい。白い陶器のような肌の裸身。表情はない。

 その姿以外は何もない。黒でも白でもなく、無だ。彼女しか見えない。

 俺すら無い。俺は意識と視界があるきりで……手も足も何もない。


 あの子だ。天照領の屋敷の庭で琴を弾いていた少女。やはりな、と思う。

 重魔力を鎮めて安らぎの中に眠らせる力……並大抵の力じゃない。


 何者なのだろうか。そして、何を目的としてこんなことをするのか。


「貴方は眠らなければなりません」


 口も開かずに話す。ならばこちらも口はなくとも話せるのかな?

 お断りだ。そっちこそサイアの中で何をやってるんだ。出ていけよ。


「出ていくのは貴方です。どうしてこの世界にいるのですか?」


 どういう意味だ。この世界ってのは……日本と違うという意味かよ。

 だとしたらこっちが聞きたいくらいだ。どうして俺はここにいる?


「……日本は遠い昔に滅びました。今はただ、天空の秩序があるのみです」


 日本が滅びただと……いや、でも、そうか……ホラーキングダムの遺跡

 が真実の日本だとしたら、そうなるのか……滅んだのか。そうか……。


 けど、なら、俺の記憶の日本は何だ? 妄想なのか? 繋がらないぞ?

 俺の知る日本にはホラーキングダムなんてなかった。別の日本なのか?


「貴方の記憶などに何の価値があるでしょう。それに依らねば居られない

 ことこそ哀れ。或いは、そういった妄念こそが貴方なのでしょう」


 妄念だと? 俺が? どういう意味だ……さっきから聞き捨てならない

 ことばかりを言うじゃないか。別に問答する気はなかったんだけどな。


「貴方は何も知らない。何もわからない。そのままにお眠りなさい。何を

 知ろうと、何をわかろうと、その何もかもが生きとし生けるものの道理。

 貴方には関係のないものなのです」


 生きとし生けるものときたか。随分と大きく出たじゃないか。罪のない

 サイアを操り人形のようにして、その手でナルキを傷つけさせやがって。

 ハニまで殺させようとして。それでそんなお綺麗なお題目を唱えるのか。


「人が死なずに済むと思う方が妄想です。今、地球において人類がいかに

 脆弱であるかを知らずに。危ういとも知らずに。妄念は妄言を生みます」


 地球……地球と言ったか。ここは地球で、日本が滅んだ後の世界という

 ことなんだよな。それが現実だとして、どうして俺が妄念ということに

 なるんだ。妄言はそっちだろうが。どこに弱者を苛む道理がある!


「強者も弱者も生者の有り様。死者である貴方にはわかりません」


 ……死者? 俺が? この身はやはり無生物ということなのか?


「いいえ、貴方はただの死者。魔石の力に囚われているだけのこと」


 魔石。悪魔石か。生物も無生物も取り込む、不条理な力を持つ物質。

 船をすら呑み込み力にする存在。乾燥して転がる死体すらも生きて

 いるかのように動かす。俺自身の中にも色々と在る。

 

 俺もか。俺もどこかのタイミングで取り込まれた存在だということか。


「哀れにも彷徨い歩く死者よ。有象無象のより合わされた中にあって己の

 意志のみを現している貴方よ。恥じなさい。そして眠るのです。世界を

 生きる万物のために身を引くのです。それが摂理というもの」


 摂理……摂理と言ったのか、罪無き者の手を操り、罪無き者を殺害させ

 ようとした人間が、その口で……万物の摂理を語るのか。お前が。


「この世界に罪があるならば、何者もその罪を免れることはないでしょう。

 この世界に罪無き者があるならば、あらゆる者が等しく無罪でしょう」


 言葉遊びをしてるんじゃないよ!


 黒い衝撃が生じた。それは俺の意志のままに少女を襲い、ことごとくが

 遮られた。8色の光が少女の周囲にあり、彼女を護っている。


 ……光の中に何かいるな。


 赤の光の中にはウサギ、青の光の中にはカエル……精霊か。それぞれが

 精霊なのか。凄まじい力を感じる。ほどばしる軽魔力は1つ1つが人の

 限界を楽々と超えている。眩しいほどだ。


 8種8属性の力を、精霊の形でもって自在に操るこの少女は……何者だ。

 人の常識を超えている。人じゃないのか? それとも……?


「貴方を眠らせるために多くの方が亡くなるのです」


 何だと? ナルキたちのことを言っているのなら、そうはさせないぞ。

 アンタを殺してでも護ってみせる。これは脅しじゃない。小首を傾げ

 て、何を不思議そうにする。殺せないとでも思っているのか?


「50万人が亡くなりますよ?」


 え……え? 何? 何て言った……50……万人??


「貴方の力を封じるために、この浮島の核たる魔石を使い捨てにしようと

 しています。既に浮力は減じる一方。今夜の内に地上へ墜ちるでしょう」


 な……何を……何を言っている? え? 墜ちる? 墜ちつつある?

 ここの浮島が……闇右京領そのものが……地上へ墜ちていくのか!?


「天空の最大多数のために、今夜、少数たる50万人が亡くなるのです。

 元より地上にいたような2、3の命など……妄念であることを発言が

 証明していますね。哀れな」


 嘘だろ? おい、ちょっと待て、おい……冗談だろう? 本気なのか?

 アンタが、アンタたちが何者かは知らないが……落とすのか? 島を?

 俺を封魔するってだけのために……この浮島自体を? 正気か!?


 50万人ってのは、この都だけじゃなく、方々の町や村も含んでの数

 なんだろ? だって、そうだよ、全滅しちゃうじゃないか。避難とか

 考えてるのか? いや、どうせ一部なんだろ、そういう数字だぞ!


「お眠りなさい。罪在る者があるとすれば、それは貴方です。貴方が存在

 すること自体が災厄なのです。人類が存続するために……有象無象へと

 戻りなさい。私が導きましょう。永遠の眠りの中へと」


 待て! 説明しろ! どうしてそうなる!? どうしてそうなるんだ!

 俺1人殺すだけに50万人!? 狂気の沙汰だ!! 何様のつもりだ!

 そして……何者なんだよ……アンタは……俺は……!!


「私は天帝。この天空の秩序を預かる者」


 天帝。かつて邪龍を打倒して天空社会を築き上げた存在。それが。


「貴方はただの妄念。恐らくは遥かな過去の死者。それが偶然にも絶大な

 力を操るに至っただけの存在。予想された形を裏切った形のモノ」


 妄念。死者。予想……?


「邪龍が垂らした血の一滴。それがかくも力を持とうとは」


 邪龍。


 その言葉が合図となって。


 俺の中でいつも猛り狂っていた化物が、黒い衝動の源が、俄かに目を覚

 ました。お前か。お前がそうなのか。未だに寝惚けているようなザマで

 力もないが……お前が邪龍か。人類を地上から追放した存在なのか。


 閃光のように思い出される光景がある。


 死に際に見るという走馬灯だとしたら、こいつは再生方向を間違ってる。

 逆向きに俺のこれまでが見える。速いせいかどうにも欠落だらけの記憶

 だけど……何1つまともに見れないけど……ああ、最初の俺だ。


 地上の森を見下ろして、虎蜂に運ばれる俺。


 逆向きだから、蜂は顔とは反対方向へ飛んでいく。後ろ向きに森を越え、

 丘を越え、長くを飛んで……海へと至った。波打ち際に俺を降ろした。

 黒い海水に濡れて倒れる俺。蜂はそれを拾ってきたのか。


 ああ、そうか……だからダッフルコートは、あんな所で見つかったのか。

 旧土御門領と天照領とを結ぶ途上の森の、何某かの魔物の巣穴の奥。

 悪魔石が手に入れようとしていたっけ。そいつも喰っちまったが。


 つまりは、ここは、あの海なんだ。天照領から落ちた俺が着水した海。

 重魔力の濃度が空気中よりも濃い、暗い暗い海。俺は最初から?


 俺が動き出した。


 這いずるようにして海へ戻っていく。匍匐後退とか気持ち悪い移動だな。

 水中へ没する前に、首にエラが生じたようだ。この時既にそんなことが。

 いや、それどころじゃない。腕はヒレに。脚は1本につながって尾びれ

 のように変貌していく。服も曖昧になっていって……鱗になった。


 おいおい……化物じゃん。もう。


 まるで生物の進化を逆向きに見させられているかのようだ。海中を移動

 するに及んで、俺だったモノにはもはや人間の跡形もない。長い海蛇か、

 はたまた鱗を帯びた魚雷か。猛烈な勢いでもって岸の遠きへ、海の深き

 へと逆進していく。どうやらその形態がもっとも速度を出せるようだ。


 というのも、形態はまだまだ変わっていくんだ。魚風になったり、イカ

 風になったり……それらに変化した後に、順序的には前なんだろうけど、

 それらを獲ってるのがわかる。


 化物魚を取り込んでは化物魚の性質を。

 化物イカを取り込んでは化物イカの性質を。


 どいつもこいつも巨大で凶悪で強力な魔物たちだ。やはり海中の重魔力

 濃度が影響してるんだろうな。それらを問答無用に、無差別に喰らって

 いくソレ。ソレが俺なんだ。とりあえずエラと触手の由来が知れたな。


 ああ……そうか、これか。天照領から脱出した時、海中を必死に泳いで

 いて感じた既視感の正体は。俺は元々、海の中を陸へと泳いできたのか。


 そしてどこまで戻っていく。どこから来たんだ、俺は。


 どれほどの海の深みなのか……光も届かない暗黒の大質量の底へと戻る。

 何だあれは? 宇宙と言われても納得してしまいそうな深海の中に淡く

 光るものがある。真珠? いや違う……遠いからそう見えただけだ。


 大きい……都市が1つそのままに入ってしまうほどの、それは、ドーム

 状の何かだ。虹色に光沢を放つそれは固体なのか液体なのか。いずれに

 せよ恐るべき美しさだ。軽魔力。軽魔力か。これは絶大なる精霊の力か。


 その燐光に照らされて浮かび上がる俺の姿は……え?


 人間なのか? いや、違うか……鱗もあればヒレもある……けど、四肢

 の有り様は人間の体格を模している。半魚人といった風だ。どうして?

 とっくのとうに人間的な外見など捨ててたろうに……?


 おお、虹色のそれに足から触れ、埋没していく。逆再生だから、そんな

 風に身をよじりながら出てきたのか。随分と苦しそうな様子だ。


 巨大な真珠のような膜……魔力の膜のようなものか……その内側には。


 

 

 日本の都市?




 まず水がない。空気がありそうだ。底の方は海水溜りがあちこちあるが。

 ボロボロの岩礁のようにも見えるけど……違う……これはコンクリート

 の街並みだ。長い間海に沈んでいたようで、本当に無残な有り様だけど。


 東京じゃんか、これ。


 だってさ……俺であるはずの半魚人は、虹色の膜に刺さった長大な槍の

 ようなものを伝って戻っていく。倒れて斜めになっているが、元は直立

 してたんだろ、それ。しかもその形知ってるよ。建造中の所をわざわざ

 見学に行ったことあるんだ。もうお土産が売ってて驚いたよ。


 スカイツリーだろ、それ。


 滅茶苦茶にズタボロで、岩かどうかも見分けつかないけどさ。ねじれる

 ように柱が渦を巻いていく感じが見て取れる。見上げた姿と繋がるんだ。


 底の海水はそれなりの深さがあるのか。奇妙だがスムーズな泳法で戻っ

 ていく半魚人。しばらく戻ると海水が途切れた。隆起した場所のようだ。

 そこでまた変化していく。どんどん人間らしくなっていく。


 人だ。人に戻った。


 深海の底で、軽魔力の幻想的な燐光に照らされて、廃墟と化した東京に

 独り、後ろ向きに歩いていくそいつは……素っ裸の痩せた男は……俺だ。

 高橋テッペイ。日本人で大学生の、高橋鉄兵に他ならない。


 どこへ戻っていくつもりだ? どこから俺は……いや、何だあれは!?


 俺が戻っていく先にあるものは何だ? いや、倒壊したビル群であるの

 は間違いないが。その上に何かが浮いている。山? 山のような何かが

 非現実的な有り様で浮いている。微動だにせずに、東京の空に。


 おい……嘘だろ……何だよそれは。何の冗談だ。わかっちまったよ。


 魔石だ。


 在り得ないほどに巨大な魔石なんだ、そいつは。


 しかもどこか生き物の外観が感じられる。彫刻家が途中で作業を投げ出

 しでもしたかのようなそれ。無数の蛇が互いに絡み合い、解けない知恵

 の環にでも変じたかのような……そんな姿。そのままに溶け合って。


 邪龍……なのか。それが。


 いや……違う……違くはないが、それだけじゃない……そうなのか?


 そういうことなのか? 悪魔石もまた魔石であるように……?


 恐らくは全ての重魔力の源泉であるところのコイツは……つまり……?


 

 源魔岩。



 在り得ない規模の悪魔石……悪魔石の親玉で、魔石のお母さんだっけ?

 伝説上の魔石。どんな願いも叶えると夢見られる魔石中の魔石。源魔岩。


 それじゃないか。コイツはそれに違いない。

 何て禍々しい。そして何て神々しいんだ。


 見えなくなった。裸の俺がヨロヨロと建物の中に入っていったからだ。

 しかも……おいおい……髪が縮んでいく。皮膚が病的に落ち窪んでいく。

 まるでゾンビだな。どんどんグロテスクになっていく。実際はその逆で

 どんどん人間的に、健康的に変化していったんだろうけど。


 何だ……ここは?


 妙に広い。何かの展示場だろうか。時間はともかく、水流の影響はあま

 り大きくなかったようだ。何となく在りし日の姿がわかる。展示会か?

 そこに転がっているのは人骨。そこには……輪切りのそれは何だ?


 あ。


 あはは、おいおい。


 笑ってしまう。何だそりゃ。何なんだ、そりゃ。


 水溜りの魚を取り込み、展示物の蜥蜴を取り込み、まるでつまみ食いを

 して歩くようにしてフラフラと奥へ進んで……戻っていった俺は。


 俺はかろうじて直立する1本のポールに背をつけて停止した。既に皮膚

 の1枚も無い。筋肉と骨と……全てが滑らかに固形物の様相を呈して。


 おっと、それが更に輪切りに裂けた。断面図の展示だな。よくわかるよ。

 朽ちて色褪せていくけど、それにしたって見事な展示品だ。確かアレだ、

 プラスティネーションだっけか? 水分や油脂の代わりに合成樹脂を流

 し込んで固めたやつ。海外で見たことあるよ。日本でもやってたよな。


 俺じゃん。


 俺も展示物なんじゃん。


 あらら、視界が薄くなっていく……俺が無くなっていく。元の人体標本

 へと戻っていくんだな。その先は見れなそうだけど、多分、そこへ垂れ

 てきたんだろう? 邪龍の血の1滴とやらが。源魔岩の微小な欠片が。


 凄いな。

 凄い正体じゃないか、俺。

 全裸なんてもんじゃない。中身も輪切りで衆人環視の元に晒してたのか。


「……さあ、そのままにお眠りなさい。それが世界の在るべき姿。死者は

 眠り、生者は日々を生きます。1個の生命だけでなく、人類という総体

 を生かすべく生きるのです。それこそが生命の理。種の運命」


 ああ……すっかり力が抜けた思いだ。笑えるよ、いっそ。


 異世界じゃないじゃん。どんな経緯で死んで、何でまた展示物になって

 いたのかはわからないけど……ここって遥か未来の地球ってことじゃん。

 むしろタイムスリッパーなんだ、俺は。端から化物として目覚めて。


「邪龍の吐息こそ重魔力。人類は呪われています。滅亡を望まれています。

 尖兵たる者よ、眠りなさい。他の肉片との合体などもはや許しません」


 増し増す眠気。安寧の誘惑。確かに道理かもしれない。世界は生きとし

 生けるものの舞台だし、邪龍を一部でも自由にさせることは人類の災厄

 だろう。俺はこの身を含めて居るべきじゃない。在るべきじゃない。


「滅びでも死でもなく……ただ戻るのです。無の闇の中に。さあ……」


 ああ、そうだな。わかったよ。俺は消える。間違って存在する危険物は

 消えて当然だ。了解したよ。安らぎである必要はないけどな。納得だ。


 



 けど、さ。





 それはそれ、これはこれって言葉知ってるかい? 俺が生きた日本では

 割かしポピュラーなことわざだと思うんだけどさ。それを今、告げよう。


 宣戦布告として告げよう。


 アンタさ、天帝だっけ? 大義を胸に随分と御苦労をなさっているよう

 だけどさ。アンタのやり方が気に食わないんだよ。邪龍の尖兵だか血液

 だか知らないが、そんな俺を滅ぼしたいのはわかる。協力もしようとも。


 けどさ、サイア関係なくね? ナルキ関係なくね? ハニ関係なくね?

 50万人の人々だって関係なくね? 不幸にされる謂れがなくね??


 アンタが犠牲として払うつもりの人たちは、誰もが幸せになる権利を

 もって産まれてきた。当然、権利と同等の義務があって、それがこの

 場合は死ぬことなのだと言いたいんだろうけどさ。


 けどやっぱり、子供には義務ないんじゃね? この夜に死ぬ義務はさ。


 弱者を苦労顔で切り捨てる強者ってのはさ、基本的に、クズなんだよ。


 人類全体のため? 天空の秩序のため? はぁ??


 アンタらの考える全体やら秩序のために、ホラキンの子供たちがどんな

 絶望を生きてきたと……どんな諦観で死んでいったと思っているんだ?

 それを数にも入らないと言い放ち、すがる思いで実施した契約を逆手に

 取ってサイアを支配したアンタを、俺は許さない。俺は認めない。


 弱者が弱者であることを強要し、自らが強要する立場であることを当然

 のように受容する連中が作る秩序……そんな小汚い世界で、あの子たち

 が死んでいくことなど……俺は絶対に受け入れない。


 正す。俺が俺の意志で正す。是正してやる。こんな狂ったやり方を。


 そのために。俺の意志を通すために。あの子たちを生かすために。


 俺の全部を支払うぞ!! 目ぇ覚ませ、そして力を寄こせ、邪龍!!





 生身の俺の耳に、足首の2つの封魔環が外れる音が届いた。

 小さな音だった。コトリと素朴に響いた音。終わりの金属音。


 この夜にとうとう全ての封魔環を外して……高橋テッペイは終わった。

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