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砂姫  作者: 穂田宗
1/2

プロローグ

「ボレンドパネット都市図書館」蔵書のデニス戦記より抜粋


 人々が土地を開き、国を建て生活がより良くなり、百年の節目を迎えた年

 災禍が広まった

 地に落ちしドラゴン〈デーストルークティオ〉によって

 オアシスが枯れ、行路が断たれ、多くの人が襲われ残されたものたちは嘆いた

 大海より帰し、カラック船に討伐の名乗りを上げし者がいた

 砂色の髪を靡かせ、琥珀の瞳で遠くを見据え、識多き衣を身にまとい、数々の武具を携え、稀なる大鳥を引き連し、乙女である

 この地で最も高き石壁でドラゴンとの闘が始まった

 闘が始まって三度目の日の出に、乙女はドラゴンの牙を片手に持ち戻ってきた

 皆が喜び、乙女に感謝し、国は名誉を、人々は名を送った

 *砂姫〈リートゥス・レーギーナ〉*

 乙女の容姿と土地からこの名が付けられた、英雄の名として……


 この伝説は今より十三世紀より前に文献に記されていることが確認されている。

 詩や劇、歌人たちにも良く題材とされる。この地方に住むものならだれもが知っている、ポヒュラーな話である。

 砂姫にはいくつものストーリーがあり、確認されているだけでも一〇件を超える。

(例)

 戦乱の時代、軍勢を相手に単騎で槍を振い千人を切り伏せ、国を守護した

 天からの矢が放たれ、街に迫りし時、遠方より矢を射てこれを相殺した

 砂の中から剣と盾を引き抜き、悪魔の王の一人を倒した


 これらのストーリー共通している点は三つ。

 同じ年代に記されている、どの話にも武具が登場する、容姿特徴は同じである。

 英雄の武具は、シンボルとして語られることが多いのだが、砂姫のエピソードでは、シンボル足る武具が登場しない。どれもが剣、盾、弓と固有名称が登場しない。

 砂姫のエピソードはまだ、未解明な点が多く、現地調査も検討中である。

 周辺国で争いが絶えないため、このように戦に纏わる伝説が、複数の英雄をモデルにあることが確認されている。

 引き続き調査を進めていくこととする。

                       レポート制作 ジーケンズ





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