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第一章 6

数十分後、京介の乗る新幹線が到着した。


「あれやな・・」


チケットを見ながら 席に座った。



西日本へ向かう新幹線は時間帯のずれのせいか乗客は少なめだった



窓際の席に座り出発を待った



頭痛の為に飲んだ薬のせいか、少し睡魔が襲ってきた・・




「どうせ・・終着点まで、乗るのだから少し休むか・・」



出発を前にウトウトし始めた。




『京ちゃん! 京ちゃん!』




目の前には満面の笑みのちぃが居た



『似合う?』



ウエディングドレスを着ていた



『あぁ 似合うよ』



『ホラ! ミニにもなるんだよぉ(*´∀`*)』



ちぃは白くて 長い脚を 見せてきた。



『このドレスは世界に一着、ちぃの為の生まれたドレスだもんな(*´∀`*)』



『ねぇ どう?可愛い?』



『あぁ 似合うし 可愛いよ(*´∀`*)』



『そうじゃなくて!「私」と「私」、どっちが似合うのよ!!』



『どっち・・?』



『どっちの千佳に似合うって聞いてるの!』



ちぃは自我と本体のどちらが似合っているかと聞いてきた



『どっちも似合うよ・・』



『嫌なの!嫌なの!私だけを見て!私だけを見てってば!京ちゃーん・・』




本体のちぃは泣きながらしゃがみこんでいた・・




『ちぃ・・おい、ちぃ・・』



『く・・くすり・・・は・・はや・・く・・』




ちぃの顔は青ざめ・・震え始めた・・




『待て、今渡す!』




京介は鞄の中を薬を出そうとした



『無い・・無い・・・薬が・・・』



ちぃは大声で叫びながらうずくまった・・





『いやぁぁぁぁぁぁー』




『ちぃぃ・・!』







京介は汗だくになり、ちぃの名を叫びながら目を覚ました・・





「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」




何が起きたのか、直ぐには理解出来なかった・・



激しい頭痛が 一瞬襲った・・



「ズキン」



「うっ・・」




痛みで、先程まで見ていた光景を現実のものではないと理解した・・




「・・ゆ・・夢か・・」



「はぁ・・はぁ・・」




痛みが少しずつ弱まり、景色が目に入り始めてきた



「ここは・・何処だ・・」




数時間、眠り込んでいるうちに新幹線は名古屋まで来ていた



「名古屋か・・・」




徐々に頭痛が激しくなってきていた・・




「フラッシュバック・・のせいか・・」




ジャニスから渡された薬を再度出した・・



「飲みすぎは危険です・・」



ジャニスの言葉が頭を過ぎった・・




「ダメだ・・途中下車して休もう・・薬を飲んで我慢すよりはいいだろう・・・ちぃの為にもあの景色を・・」




京介は痛みを堪え、生まれ故郷である京都で途中下車した・・・


















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