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第二章 完結
京介は大阪を旅立つことにした・・
大阪・・沢山の思い出があった・・
「ひとみ・・」
もう二度と会う事はないだろう・・・京介はそう感じていた・・
その日は頭痛が激しくなり大阪を出る事が出来なかった
ひとみの所に戻るのも嫌だった・・
「駅の近くのホテルにでも泊まって明日の朝一で出るか・・・」
京介は普段乗りなれない、バスに乗って駅を目指した・・・
バスに乗ると高校生や社会人が思い思いの話をしていた・・
昨日の見た、TV番組、学校や友達の事・・会社での愚痴・・
そうかと思えば疲れきって寝てる中年・・
同じ時間、違う場所で同じような会話がなされているのだろうか・・・
数年前、ちぃもこうして友達と楽しそうに話をしながら、通勤や通学していたのだろうか・・・
考えれば考えるほど、ちぃの事を知らない自分がいた・・
新大阪が近づきバスは停まった。
ホテルに向かった・・
チェックインし部屋に荷物を置き、窓から空を見上げた・・
辺りは既に暗くなり始めていた・・
「ちぃと星をよく眺めたな・・・」
京介は目をつぶり・・・
千佳の事を思い浮かべた・・・




