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黒のカサブランカ ――裏切られし女勇者、闇に堕ちて魔王となる――  作者: 小鳥遊 千夜
第一章 最初のメインターゲット 大魔導士、ウィザー=アルヴァレン編

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24/38

第24黒 蒼光塔の簒奪者――狂気の天才魔導士ウィザー、協会長を粛清する

 

 (セイクリッド・)(アズライト)本部・最上階。


 結界に閉ざされた円形の会議室は、すでに半壊していた。


 円卓は砕け、石床には焦げ跡が走り、

 壁の魔導結界はひび割れて蒼い火花を散らしている。


 その中心で

 セラフィナ=ルクレールは膝をついていた。


 白い法衣は焼け、胸元から血が流れている。

 呼吸は荒い。


 だが――瞳はまだ死んでいない。


 彼女の前に立つのは、ウィザー=ヴァレンタイン。


 蒼い魔力が渦巻き、彼女の周囲を光が螺旋(らせん)を描いている。


「……意外としぶといわね。」


 ウィザーが小さく笑う。


 その声には、明確な(あざけ)りが混じっていた。


 セラフィナはゆっくり顔を上げる。

「あなたは……本当に愚かですね……」


 かすれた声。だが言葉は鋭い。


「天才に逆らうことが、どれ程愚かなことか分かったかしら?」


 ウィザーは肩をすくめる。


 セラフィナは血を吐きながらも言い返す。


「上司であり、味方のこの私を殺す覚悟があるのですか?」


 その問いに。

 ウィザーは一瞬だけ目を細めた。


 そして――


 くすり、と笑う。


「あら、忘れたの?」


 蒼い魔力がさらに濃くなる。


「仲間を殺すのに()()()()()も変わらないわ。」


 その言葉と同時に魔法陣が輝き、蒼光が収束する。


 巨大な槍のような魔力が、ウィザーの掌の上に形成される。


 セラフィナの瞳がわずかに揺れた。


 それでも、彼女は睨み返す。


「くッ……裏切り者が!!」


 セラフィムの血が唇から垂れる。


「ろくな死に方をしませんよ…?」


 ウィザーは静かに微笑んだ。


「それはお互い様でしょう?」


 次の瞬間――


 蒼光の槍が放たれた。


蒼光断罪槍ルミナ・エグゼキューション


 光が走り、セラフィナの胸を、蒼い魔力が貫く。


 ズン――


 重い音と共にセラフィナの身体が揺れる。


 黄金の魔力が一瞬だけ輝き――


 そして、消えた。


 彼女の身体はゆっくりと床へ崩れ落ちる。


 静寂。


 会議室に残るのは、魔力の焦げた匂いだけ。


 しばらくウィザーは動かなかった。


 そして。


 ふいに肩を震わせる。


 フフ……


 フフフ……


 やがて、堪えきれなくなったように笑い始めた。


「アッハハハ……!」


 声が会議室に響く。


 狂気に満ちた笑いだった。


「これで協会は私のもの。」


 ウィザーはゆっくり両腕を広げる。

 まるで王座に立つ王のように。


「私に逆らう者は皆こうなるのよ!」


 彼女の笑いがさらに高くなる。


「アハハハハ!!」


 魔法陣が蒼く輝き

 崩れた会議室の中央で、ウィザーの影が大きく揺れた。


 そして。

 彼女の瞳が冷たく細くなる。


「次はあなたよ……」


 低く囁く。


 その名を、まるで獲物のように。


()()()。」


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