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黒のカサブランカ ――裏切られし女勇者、闇に堕ちて魔王となる――  作者: 小鳥遊 千夜
第一章 最初のメインターゲット 大魔導士、ウィザー=アルヴァレン編

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第21黒 転移結界を破る魔女、黒百合の女帝に道を示す

 

 突如現れた、魔女服の女性の提案を受けリィナは短く答えた。


「分かったわ…」


 毒霧の残滓(ざんし)がまだ空気に残り

 喉の奥にかすかな痺れ。


 だが戦意は消えていない。

 赤い瞳はまだ鋭く、剣先も微動だにしない。


 そんなリィナの様子を見て彼女はくすりと笑う。


「合理的で、冷静な……復讐者さん。」


「うん、好きよ、そういう人」


 リィナは答えない。

 ただ剣を下げず、彼女を見ている。


 敵か味方か。


 まだ判断できない。


 だが――


 今この状況で助けたことだけは事実だった。


 その空気を切るように、ヴァレンの声が飛ぶ。

「逃がすと思うか?」


 呪詛結界の鎖を断ち切り、一歩踏み出す。


 その動きは速い。


 毒霧の中でも正確な暗殺者の動き。


 幻影が再び増殖し、短剣が光る――


 《シャドウ・ルクス!!》


 本体の気配が消え、リィナの背後に、刃が現れる。


 だが――


「うるさいわね」


 謎の彼女が軽く息を吐くと指先をくるりと回す。


 すると。

 空中に、紫の魔法陣が三重に展開した。


≪転送魔具 ブラッド・ゲート》


 彼女の手の中で、黒い宝石のような


 魔道具が光る。高位転送用のアイテムだ。


 すると床に巨大な魔法円が広がり、穴のように暗く沈む。


「転移阻害結界の中で転送だと?無理に決まってる。」


 ヴァレンが驚きの声を上げる。


 だが――


 ヴェルミナは肩をすくめる。


「普通はね」


 彼女の足元から再び呪詛が広がり、

 ヴァレンの結界が軋む。


「でもね。私、普通じゃないの」


 転移阻害の魔法構造が、呪詛によって書き換えられていく。


「なっ――」


 カイランが剣を構え直す。


 だが遅い。


「こっちよ」


 ヴェルミナがリィナ達に向かって手招きする。

 黒い転送円が完全に開き、底は全く見えない。


 リィナは一瞬だけ迷うがその視線がシルフィと交わる。


 シルフィが肩をすくめた。

「今は行くしかないですねぇ…?」


 カイランが舌打ちする。


「逃がすか!!」


 突進し剣が振り下ろされる。


 だが。


 リィナが一歩踏み出し剣が閃く。


 《黒百合斬(ノワール・リリィ)!!》


 黒い斬撃が走りカイランはとっさに剣で受ける。


 ギィィン!!


 衝撃。


 その一瞬。


 リィナ達の身体が――


 闇に沈んだ。


 ヴァレンが悔しそうな目で睨む。


「くそ…あの女、まだ動けやがったか…。」


 それを見て謎の女性はにやりと笑う。


「ふふっ…また会いましょう、暗殺者さん」


 指を鳴らすと転送魔法陣が、閉じる。


 ヴァレンは消えていった場所を


 睨みつけながら舌打ちする。


「チッ……黒の女帝に、厄介な“影”が増えたな」







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