Sympathy for the Devil
“Sympathy for the Devil”がイヤホンから流れ始めました。ここ日本では、悪魔を憐れむ歌、として有名ですよね。軽快なピアノと小気味良いビート、アフリカ系の民族楽器が混ざり合う。普遍的なロックからはみ出しているのに、ロックの歴史からは外すことが出来ない異様さは、流石はストーンズです。
音楽は素晴らしいです。人間というものを、これ以上ないほどに表現してくれる。音楽を聴いているだけで人間を理解出来る。そんな人間たちをひっそりと観察するのが、私、佐々木のひっそりとした趣味としています。
今回のお客様はとても良い感性の持ち主でした。Be be your love もHeart shaped-Boxもどちらも素晴らしい曲です。二人の鬱屈した愛憎が、また曲にとてもマッチしていて、選曲した私の目に狂いはなかったです。まぁ狂う筈もないのですけど。ふふ。
それだけに惜しいです。こんな100年に1度の逸材を二人も同時に失うなんて。折角の楽しみが出来たのに、それは余りにも寂しい。だから救っちゃいましょう。本人が望めばですけど。ふふ。
悪魔を憐れむ歌を聴きながら鼻歌混じりで踊れば、月明かりに照らされた影が、私と一緒に悪魔のように踊ってくれましょう。どちらかが事切れる前に向かわないといけませんが、慌てる必要もありません。運命なんて捻じ曲げても文句言いませんし。
さてさて、ここが事件現場。早速お邪魔しちゃいましょう。うーん、安物のドアノブですね。すぐ壊れちゃいそうです。あらら、本当に壊れちゃいました。
それで中はどうでしょうか。おおー。レイチェルの方はちょうど死んでしまう瞬間ですね。カートの方は…こっちはとんだ期待外れですね。自分で死ぬ事が出来なくなるなんて。残念ですが興味が失せました。悪魔にもなれたかもしれないのに。憐れむ価値もありません。
それじゃあ、レイチェルの方は今どう思っているのでしょうか。それをしっかり確認してみましょう。
「鮫島さん。まだ聞こえますか?」
返事はありません。それはそうですよね。あと数秒遅ければ死んでる状況ですし。話せたらびっくりしちゃいます。
「聞こえてたらで良いのですが、もし生きたいと思っているならどうにか教えてください」
少し口元が動いたかしら?ま、動いたって事で良いでしょう。それでは肯定したって事で少しだけお話ししましょう。




