永遠など無い
私の寝る前の妄想を文字に起こすとどうなるかの実験場
今日が何事もなく過ぎ去る。
明日も、明後日もそれは変わらないだろう。
この平和な日本国では誰もがそう信じてやまない。
そのような益体も無い事をふと考えているのが、僕こと「天山光」である。
御大層な氏名にも関わらず、家柄は普通だし職業はただの工場勤務なんてとんだ名前負けだ。
まぁそんな事例は世の中にはいくらでもあるのだろう。
名前負けしていようが何だろうが、僕は今の生活が気に入っている。
職場の雰囲気はかなり緩く、残業をするような熱心な社員など片手の指よりも少ない。
無論、僕もその指には入っておらず、本日も定時にタイムカードを切り、コンビニで晩飯を買って帰宅中なのである。
(今日は帰ったら何をしようか…積みゲーの消化か、ウォッチリストに入れた映画を見るのも良いな。ま、どうせ予定通りになんかいかないのだけど。)
そのような事を思考しながら家路を辿っていると、
スマートフォンから生理的に嫌悪感のある音が鳴り響いた。
不審に思い、僕は電源を入れてそれを確認する。
(え?緊急避難警報?どういう…)
思考を遮るように、眼前の夕焼け空に閃光が走った。
刹那、ドォン!というけたたましい轟音が耳をつんざく。
(…!?何だ…何が起きた!?)
遠くに見える景色にはあちらこちらから煙が立ち上り、空は赤く染め上げられる。
静かだったはずの住宅地は一変、阿鼻叫喚の喧騒に包まれ、家屋からは住人が飛び出し、我先にと逃げ惑っている。
フィクションでしかお目にかかれない非日常的光景故に、僕はまだそれを現実として受け入れらずに立ち尽くしていた。
はっと我に帰り、スマートフォンの画面を再度確認する。
そこには信じられない文章が表示されていた。
「某国が日本国に対し敵対行為を実行って…嘘だろ…」
呆然とする僕の耳にありふれた日常を容易く破壊する轟音が再度響き渡った。
ハイファンタジーになる予定




