番外編へと進む準備
さて困った。
困った理由は本文見たらわかります…
「メインヒロインは誰か!ちゃんと決めないといけないときもあるのよ!」
静香は読者を意識したような口調でゲームと現実を合わせたような言い方をした。
「周りからみたらイタイ人にしかみえないぞ?」
「うるさいわね!とにかく!主人公である健一には、メインヒロインを出してもらうわ!」
俺は今日一番の溜め息を出しながら考えた。
「そもそも、メインヒロインということは最終回などで結ばれる、つまり彼氏彼女になる関係じゃないといけないんですよ?俺にそんな関係せいをもった相手なんか…」
「そんなの気にしたら何も前に進まないわ!」
むう…今日は何故か強気というか、強情だ。
俺は静香がメインヒロインのなんたるかをくどくど説明している間に、多分この状況をつくったであろう犯人にアイコンタクトをとることにした。
(犯人ですか?)
(あら?私は何もしてないわよ)
犯人であろう人物が妖艶な笑みをしながらそう答えた。
(ただ、ゲームの話にもちこんで、そのあと小説の出番の話をしただけ)
(それだけ?)
(ええ、メインヒロインは出番が多いとかそうい…)「犯人はやっぱりお前か!!」
俺は思いっきり叫びながら突っ込んだ!
「あら?私はきっかけをつくったに過ぎないわ」
「十分犯人だろそれ!」
「さて…仕事をしないと」
「話そらすな!」
強制的にこの会話は終了されてしまった。
「そういえば健には好きなやつとかいるのか?」
犯人(読者もわかるであろうが一応言うと楓先輩だ)との会話が終わると薫が唐突にそんなことを聞いてきた。
「好きなやつ?そうだな……やっぱりこの学校ナンバー1美少女の杉下涼子かな?」
「やめとけ、もう彼氏がいるって話だ」
「嘘!?マジでか!」
「よかったな、赤っ恥かく前に知ってて」
「ううむ…なんだろうこの複雑な気持ちは…」
女子との会話で普通こんな話題はあるのだろうか?いや、いないだろう。
「そういえば薫はいないのか?」
「なっなんだよ急に!」
「いや、三話か四話だったけ?俺をぼこぼこにしながら『なに言わしてんだゴルラァァァァァ!!!』とか叫んでたじゃないか」
「なに思い出させてんだゴルラァァァァァ!!!!!」
瞬間、俺は元の座っていた場所からぶっ飛び、壁まで飛んだとさ。
俺はMなのでしょうか?いや、Mということは痛みなどに対して喜んだりする人のことだから多分違うだろう。
ではなぜ、こうも殴られる機会が多いのでしょうか。あれですか、某上条さんみたいな不幸体質ですか、俺の右手には不幸の原因と言われる幻想殺しでも宿っていらっしゃるのでしょうか。
「はぁはぁはぁ…」
「さて」
「復活はやっ!?」
「いちいち対応するのも面倒だからな」
「いやいや!簡単に復活するってお前何者だよ!」
何故か直ぐ復活したことに対し、文句を言う薫に何者なのかをいった!
「毎日暴力に怯える可哀想な…本当に可哀想な高校生ですよ」
「あたしがわるかった!!頼むからそんな不吉なオーラをださないでくれ!」
む?俺が不吉なオーラを纏っている?多分薫の気のせいだろう。そしてその場にいる皆の顔が青ざめているのも……多分気のせいだろう。
「じゃあ早速メインヒロインで意見ある人!」
「まだ続いてたのその話題!」
「はい!私あります!」
「よし、雨ちゃんいっちゃって!」
「無視!?」
本格的に俺に対する接し方が酷くなってきた。俺は主人公なのに皆に無視されるのは嫌なので、少しばかり耳を傾ける。
「そもそも、メインヒロインとは主人公の一番身近じゃないといけないというわけではありません」
「ん、つまり幼なじみとか?」
「はい、よって女性ばかりがメインヒロインと考えては駄目なのですよ」
「へっ?」
「だから私はメインヒロインは馬場さんがいいと思いま『全力で却下だよ!!』」
俺と馬場はこれでもか!というくらいのシンクロ率100%越えで否定させてもらった!
「まともなこと言うと思ったら絶対そっちに引きずりこむよな?お前!」
「なんでそこまでBLに引き込むの!?」
馬場の顔を見ると杉〇がいつも〇目黒から逃げるような顔をしていた。わからない方はググるといいらしいです。
「ふっ…これが世界初のBLエンドですよ!」
「何を自慢気に!?」
「一回精神科いってこい!」
すると真〇……いや雨宮は頭の上に「はてな」をつくったような感じで…
「周りでBLをみられるのに不幸せな女性っていますか?」
『本格的に精神科いってぇぇぇぇ!!!!』
静香と薫が軽く青ざめていたのは……気のせいではないだろう…
「あっそういえば!」
「ん、どした?健」
「来週修学旅行だ!」
『!!!!!!』
ここ平方高校は、いや他の高校と同じなのか違うのかわからないがまあ…学年ごとにいく場所も滞在する期間も違う。中学の俺はずっと高校三年でしかやらないと思っていた、修学旅行。
しかし問題はそこじゃなかった。鈍い静香はそれに対して疑問気な表情を浮かべてた。
「それのどこにヤバい部分があるの?」
「つまり、この小説は俺視点で進んでいるんですよ」
「ふむふむ…」
「そして学年ごとにいく場所も滞在する期間も違います」
「うんうん……それで?」
「つまり小説で話を進めると俺、薫、雨宮でしか話が進まないんだ!!」
「なっ!」
「つまりこの三人以外…」
皆がごくりと唾を飲むのがわかる…そんな中俺は勇気を振り絞りわかっているであろう続きを喋った。
「出番がないんだ!」
……………。
…………………………。
シーン…とした静寂の次に出たのは…
『いぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
叫びだった。
どうしましょう………
とりあえず悩む期間、又はリクエストなどください!まさか一番楽しい修学旅行で詰まるとは……作者もびっくりです。