3話
オリガット王国第三王女サリエミがノック領に来てから数日経った。
王国の暗部の連絡を定期的に取ることで帝国の情報をキロストは集めていた
それによって帝国から帝国軍2万人が侵攻を始めたのがすぐに分かった
残り1週間でノック領に着く。
10年の時を経て再び始まる戦争。
サリエミ達は策を練っている時、別の場所で立ち入り禁止の場所に黒髪の男が現れた。
「地上に出れたが人がいない・・・立ち入り禁止?」
近くの看板を見てつぶやく
「まさかこの場所が立ち入り禁止の場所になっていたとは・・・これは驚いた。まっゆっくりと歩いて行くか」
そして男はその場から去った
その看板に書いてある内容は
この場所は異界に繋がるゲートだ。命を惜しむなら戻れ
男は何者なのかまだ知らない
しかし、その後この男がこれからの戦争に大きく影響する
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1週間後
帝国軍がノック領を侵入した。
キロスト軍1万VS帝国軍3万
戦力差では圧倒的に差がある・・・
「3万ですか・・・そこまでの兵士を連れてくるとは流石帝国と言っておきましょう」
サリエミ達がいる陣でキロストが兵士の報告を聞いて呟いた
「始まったけど戦力差があるわよ?キロスト。聖騎士は一人もいない状態で勝負挑むのは・・・危険じゃない?」
「サリエミ様、まだ始まったばかりです。諦めるのは早いですぞ。ですが厳しいのは事実ですね。まあ、相手が聖騎士相当クラスが何人もいた場合は私が相手しましょう」
「流石に貴方が複数人の聖騎士を相手するのは辞めなさいよ?大将が戦争の最前線に出るのは自殺行為。まして相手に奴らがいたらどうするの?」
サリエミがキロストへ言う
「奴ら?ああ、15魔将ですか・・・確かに奴らは長年討伐されたことはないですが奴ら自身が戦場へ来たことは一度もないですよ?」
笑って過ごすキロスト
15魔将・・・ヴォールン族で最高位の位置にいる15人の魔人で過去に討伐記録がない。戦場に出た記録すらないため存在事態怪しいが過去に国を滅ぼしたと言う文献の一部にあったため危険な存在とされている
「ええ、キロスト殿に賛成です。今回も来ないでしょう。そもそも存在しているのか怪しいのですから」
長いヒゲを持つ男性・・・副将である子爵のデイマン子爵が言う
彼はノック領の隣の領の当主でかつて聖騎士をしていた者だ。幾年も戦争の最前線で戦い勝利している
戦争での経験上から行っているだろう
しかし・・・最後の戦争から10年は経っているため否定はできる
この10年が奴らの準備期間なら現れるという可能性が低くもないため安心はできない
聖騎士ーーーオリガット王国の教会の守護を任されているオリガット王国精鋭部隊。千人ほどしかいないが一人一人の実力は高く、オリガット王国の最終戦力とされている
幾年も支えてきた部隊のため信頼度は高い
「確かにデイマン子爵の言う通りだ、だが10年振りの戦争で奴らがどれくらい強くなったのはわからない。既に始まっているとはいえどとまで行くのか・・・俺でも分からないな」
キロストはデイマンの話に賛成して報告を待つ
(でも帝国が何も準備してないのは・・・ないでしょうね。人類史が始まってから既に敵対続けていた相手が何も考えずに戦争を起こすわけがない)
考えるサリエミしかし・・・深く考えるとしてももう遅い
帝国は既に精鋭を送った
それをすぐに報告される
「報告します!!我々の軍が帝国軍に押し負けています!!」
兵士からの報告で楽観的な考えは捨てる
「何?それで被害は?」
「はっ!!帝国軍の精鋭が動いたことにより帝国軍が有利になり、死者は数百人!それと相手側の将軍が動いたと報告が来ています!!!」
「なるほど既に大将直々に動いているか、どうするのです?キロスト殿。我々も動くべきでは?」
キロストに聞くデイマン子爵
「そうですね、相手側の大将が動いたなら動くべきでしょうが大将自ら動くとなら何か相手側にも策があるはずです私と王女様は残り此処を守ります、司令塔が壊滅した場合は貴方を大将にします、よろしいですね?デイマン子爵」
キロストがデイマンに問いかける
「いいでしょうですがキロスト殿・・・貴方が負けるのは想像つきませんが戦場にいる限りわかりませんですからな。わかりました、私達は行きます」
とデイマン軍が戦場へ向かう
「私達はどうするの?キロスト」
サリエミは会話に入れなかったのでここで話す
「正直わかりませんね、まだ始まって数時間で大将が動くこと事態怪しいのですから逆に罠では?と考えています。」
「なら大将より強い者が相手側の陣にいるって考えているの?」
「正解です、大将が何故自ら動くのかはそれ以上の者がいると仮定しますが副将などに任せて自分で行ったと言う考察も出来るので分かりませんね。副将が動いているかもしれません。それが戦場のどこかに」
「・・・・・・」
サリエミ達は改めて勝つ為に策を練ろうとした時、兵士が急いで来て報告する
「只今!帝国軍が此処へ向かっているとことです!!」
「何?デイマン子爵が負けたのか??いや、違うのか・・・」
「はい。別部隊が此処に来ています、数は200人ほど。しかし、中には聖騎士に相当している者が確認されています!」
「精鋭で畳むってことかしら?」
サリエミはキロストへ言うとキロストは頷く
「ええ。やはり、我々が残ったのは正解でした。司令塔を叩く作戦に出る為にわざと大将を戦場へ向かわしたのでしょう。その後に挟み撃ちを仕掛けるつもりだったと」
中々考えていますねと言い相手を褒めた後にすぐに外に出たがサリエミも着いてきた
「サリエミ様。まさこ貴方まで戦うつもりですか?」
「そうよ。此処にいる人数で300人程度、数が有利でもどちらが勝つかは分からないわ、なら私が参加しない理由は聞かないわよ?キロスト」
「・・・まぁ、いいでしょう」
キロストはのちにその選択を後悔する
帝国軍が来てキロスト達を見て止めると2メートル超える男が馬から降りる
「やれやれ、此処の戦力はもうないと思っていたが元聖騎士団長が残って居られるとはね。帝国軍副将のゲルデルと申します」
深くお辞儀する男はキロストを見て睨む
「それはどうも。知っているとは思うが私は元聖騎士団長のキロスト・ノックだ。貴様らが侵攻している領の当主である。今は公爵としてやっているよ」
「そうですか。礼儀正しい方ですな、貴族ならそうであるのか・・・此処は貴方の領地でしたか。なら説明が付く情報部め。出鱈目な情報をよこし上がってましたな、ですが此処で貴方を倒すだけだ。しかし、隣のお嬢さんは?何故戦場に非戦闘民がおられる?邪魔な兵士を連れてくるとは・・・」
サリエミを睨むゲルデル
「私はサリエミ。オリガット王国第三王女よ、王女が此処にいたらだめかしら?」
軽く挨拶するサリエミ
「王女か・・・貴方だけは捕まえて交渉時に使おうか」
ゲルデルは一拍置いて
「いざ・・・!参る!!!」
と戦闘の合図を出して始めた
「そう来るか!」
最初にゲイデルはキロストと一騎打ちとなったが互角の戦いを演じている
「さて行くわよ!!『聖なる盾』!!」
と聖属性の盾で守りながら相手するサリエミ
しばらくして
戦況は帝国軍が勝っており、王国軍は厳しい戦いとなっている
聖騎士クラスが帝国軍に数名いるため大変厳しい状態となっているオリガット王国軍
味方陣営が負け始めて帝国陣営が勝ち始めてゲイデルはさらに本気出す
「!?くっ危ないね」
飛んだキロストは回避し、ゲイデルは
「これでも当たらないのか、早く終わらなければ・・・長期戦は相手に時間を与えるだけだ」
サリエミに危険がきた
「今だ!!」
と帝国軍の一人がサリエミに剣を振る
「!?まずい!?」
しか・・・サリエミは避けるのが遅いのか
このままでは当たる
「!?サリエミ様!?」
キロストが助けに行こうとするがゲイデルが止め、キロストは助けに行けない。そのままサリエミは死ぬと思う
が
『このまま・・・終わるの・・・まだやりたいことがあるのに・・・』
目を閉じる。走馬灯が見えて今までの人生を振り返って・・・
現在になる
しかし、
『長いわね・・・?』
「え!?」
目を開けるサリエミ
そこにはサリエミに向けていた兵士の剣が何者かに弾かれ、腹を殴られて兵士は倒れる
その何者かは次々と来る帝国軍を倒し、無双して聖騎士クラスまで一撃で倒す
「まさか久しぶりにノック領に来たらこんな状況になるとはな。戦争状態は予想外だよ」
と黒色の髪の青年は言う
「何!?何者だ。あやつは?」
「まさか・・・!」
ゲイデルとキロストは驚く
「貴方は一体何者?」
サリエミは黒髪の青年に言う
「俺?知らないのか。なら教えてやる。俺は―アゼル。八英雄団長アゼルだ。覚えとけ」
と青年は言った
その出会いがその後の未来に大きく変わる事を誰も知らなかった。これが―サリエミとアゼルの出会いだった
ようやく主人公登場!
主人公の登場が遅すぎたな・・・