24話
「あの戦闘から数ヶ月経ったわね・・・時が過ぎるのは早く感じるわ」
サリエミは王城の外を見て呟いた
10年ぶりに再開した戦争が始まってから数ヶ月
ヴォールン族が目的を達成した後
数ヶ月から帝国からの動きが確認されなかった
予想より動かない時間が長かったため作戦を変更してすでに八英雄を探す動きが始まっていた
始まっていた八英雄残り5人を探すには時間がかかるものだ
「私達が生きている間に大きな戦争になるとは思わなかったわ」
サリエミはそう考えていると大きな地震が起きた
「!?何が起きたの?」
すぐに部屋に出て近くの警備員に聞く
「今の地震は何か分かる?」
「王女様!?いえ、私達も分かりません。ですがとてつもない力が複数同時に現れたくらいしか分かりません」
「王なら何か分かるかと」
警備員はそう言うと貴族がサリエミのところに来る
「サリエミ王女様!大変でございます!」
「どうしたの?」
貴族の慌てぶりに気になるサリエミ
先程の地震が原因であることは承知だが詳しくは知らない
「国全域に地震が発生!国王陛下から15魔将の封印が解かれたと!!」
ついに地獄が始まる
ノック領では
「まさか・・・こうなるとは・・・」
目の前の男を前に見えるのは領民の死体
大量の死体が積み重なっていた
その死体達の上に浮いている者がいた
「くだらぬ・・・弱いな」
銀髪の男ージアは呟く
あまりにも弱すぎる人間達に評価を下げることになってしまった
今の時代の人間が弱すぎる事を彼は理解してしまった
「さて、キロスト・ノックと言ったか。お前は無抵抗に死ぬか抵抗して死ぬかどちらか選べ。血を極めし我が功績の一部になる未来には変わらぬがな」
「・・・・・・私は・・・いや、俺は負けない」
剣を握って対抗する
そんな彼を見て少しだけ反応して・・・笑う
「いいだろう。俺の餌食になるがいい」
キロストの能力は『殲滅』
・殺戮ー生物を殺せば殺すほど強くなる
・狂人ー死んだ生物を見れば見るほど狂気に汚染されて自我を失う
・死滅ー肉体を消滅させる
・魂破壊ー魂を破壊する
普段能力を使用する事をしないキロスト
彼の能力は戦争に参加しればするほど強くなる能力
殺せば殺すほど強くなるという力
この力の上昇の条件は人間だけではなく、生物全般にも入っており、条件として生物を殺すだけ
波の人間ではできない事をキロストはこの能力に耐えられる精神を磨いてきた
暴走しないように
仲間や敵の死体を見て精神が暴走しないように
だが、もうこれは戦争だ
すでに大量の死体がある
能力を発動しているとはいえ、目の前の男を相手に苦戦していてはどうにもならない
相手がどうあれ、勝たないと自分も死ぬ
今は目の前の敵を倒さないといけない
「鉄竜斬」
硬い鎧を砕くキロストの攻撃はジアに喰らうと思いきや
「!」
「なんだ、その程度か。残念だ」
指一つで止められた
キロストが能力を使用して強化した一撃が簡単に止められてしまったのだ
「やはりこの時代の人間はその程度だったか」
英雄クラスの実力者であろうとジアの前では意味がなかった
数千年前に存在していた怪物を相手に数十年しか生きていない英雄では戦闘で勝負にすら成立にならなかった
次元のレベルの差で敗北してしまう
「さらばだ」
「!」
腹を貫かれてしまった
腹をジアによって貫かれてしまったキロスト
ジアはこいつは死んだなと思って抜く
腹を貫かれてしまったキロストは倒れる
(ここまで実力差があるとは・・・)
自分の予想を遥かに上回る結果となってしまった
どうにもならないこの状況
しかし、戦闘をしてみて・・・殲滅させる如くこの領地を襲って分かったのはこの男は・・・
(こいつは・・・間違いなく、人間だ・・・数千年に封印された11魔将の全員がヴォールン族ではないと言われていたがまさか・・・・・・これは国に報告すべきことだ・・・だが)
立ち上がるキロスト
「まだ・・・ここで終わるわけにはいかないな」
回復魔法で治そうも治癒をしようも貫かれた腹を治すことは簡単ではない
だが、貫かれて穴が空いている腹を治すことに成功した
「まだやるのか?」
穴が空いた腹を治して完治に近い回復をしたキロストを相手にジアは問うと
「ああ、ここで負ければいいとは思いたくないからね。これでも戦争の大将だった時代があったんだ。大将がそんな簡単に負けてはいけない」
「・・・くだらない話をするもんだな。国の英雄だろうと俺には勝てない」
それは事実だった
ジアを相手に勝てるオリガット王国の英雄はほぼいない
かなりの強者であるキロストですら勝てないのだからジアを相手に戦闘を成立できる実力者は数少ないだろう
「ふう・・・ふう・・・やるか」
剣を捨てるキロスト
星4の武器を地面に投げて新たな武器を出す
「破滅剣オールラン」
現れたのは禍々しいオーラを纏う剣
英雄ではなく、魔神が持つような剣であった
「星5か」
国家が管理するほどの貴重なランクの武器
英雄と呼べるような武器であるがこれは
「なるほどな。確かにそれは英雄と呼ばれるわけだ」
人間が持って生き残れるような可愛い武器ではない
所持者を殺す呪いの武器
そんな危険な武器を持っても表情ひとつも変えず、握ることができるということは武器の呪いを制御できていること
これは数千年前の英雄ですらできないことだった
「まあ、いいか」
ジアはその武器を見ても負ける未来が見えてなかった
"その程度の武器"だから
25話は2月7日(金)18時20分に投稿予定!




