イケない恋愛
私は禁断の恋愛と知っていながら、ある女性と交際している。
交際相手の女性は、二児の母で——人妻だ。
私は強引に交際相手の緋代千鶴をショッピングに誘い、ショッピングを終えて緋代の自宅に上がっている最中だ。
「紫恵美ちゃん、さっきはどうしてあの娘に気付かれて私の背中に身を隠したの?」
「知られたら、冷やかされるもん絶対。千鶴には分かんないよ……フンっ」
私は先程のことを訊かれ、唇を尖らせ不貞腐れ、顔を洗濯カゴの方に向けた。
「まぁまぁ。今は昔より同性愛に対して理解され始めてるから、紫恵美ちゃんが心配するほどのことは起きないわ、きっと」
緋代が洋服を洗濯カゴに投げ込み、ブラジャーとショーツを身に付けた姿で楽観的に宥める。
「千鶴は普通の恋愛で済んでるからそんな風に言えるんだよ、まったくっ!もう、千鶴のバカっ……」
「まぁまぁ、紫恵美ちゃん。そんなむす〜ぅとしてたら、今からスることが満足出来なくなるんじゃないの?」
彼女が私の両肩に手を置いて、宥め続けた。
「千鶴の返事が悪いからじゃん……子供はいつ帰ってくる?」
「18時には帰ってくるんじゃないかしら。まぁ、二人はどうとでもなるわよ。さっ、入りましょ」
彼女はブラジャーのホックをカチっと外し、ショーツを脱ぎ始めた。
私も彼女に続いてブラジャーを外し、ショーツを脱ぎどこにショーツを置いておくか迷っていると彼女に洗濯機の上に置くように促され、従った。
バスマットの上にいた私たちは、彼女が浴室に入って私が彼女の後に続いて、浴室でシャワーを浴びた。
彼女がシャワーを掴もうとした刹那、私が彼女の汗を流すことを宣言し、阻止に成功した。
「待ってっ!私が千鶴の身体を洗うから」
「えっ、あぁうん。紫恵美ちゃんがそう言うなら、お願い」
私がシャワーを持ち、水圧を調整していると、彼女がバスチェアに腰掛けるのを視界の端で捉えた。
「座らないで、千鶴っ!」
「えぇっ!座っちゃダメなの……わかったよ」
バスタブを正面に見据えた彼女が再び腰を上げ立ち上がったのを確認して、私が彼女の背中に胸を押し当て、左の鎖骨辺りからシャワーの水を流していく。
「ありがと、じゃ始めるね」
「ひゃっ……あぁうぅっん……んんぁあーっ……ああぁああんんっっ……うゔあぁああんんんっっっっ……あんんっぁあっっっ……しぃ……っっえぃ……紫恵美ぃいぃぃっっんんんっっっ!しえぇ……っっんん……ぁっ紫恵美ぃぃ〜〜っっ!」
私はボディソープを泡立てる前にシャワーの水で彼女の首まわりから濡らしていき、片手の掌でも収まりきらずはみ出る胸を下から持ち上げるように揉みながら乳頭を喘ぐまで弄る。続いて、腹を五指で這うように撫で、下腹部の一番快感を感じるアソコを絶頂くまで撫でて挿れてを繰り返し、太腿を撫で、脚の指先までのひと通りを楽しんだ。
立てなくなり、膝から崩れ落ち床にへたり込む彼女を怪我をしないように衝撃を抑えることを思考して支えた私だった。
「はぁはぁ……いつになく……私を絶頂かせて……はぁはぁ……」
「そんなシてないって聞いてたのに、早くない?嘘ついた、千鶴」
「嘘ついてないって、紫恵美」
弛緩した頬で苦しそうに返事をした彼女。
「そう。今からちゃんと洗う。座れる?」
「な、なんとか……」
彼女はバスチェアに腰掛けられるかを訊かれ、両脚の太腿の間にある両腕を床に突いて、生まれた子鹿のように震えた両脚を動かし、バスチェアに座った。
私はボディソープを泡立て、彼女の背後から軽く彼女が気持ちよくなるようなことも絡め、入念に身体を洗っていく。
彼女の身体からボディソープが流れ落ち、髪も洗い終わるのに30分も掛かっていたらしい。
私は彼女に身体を洗われる際に、愚痴を漏らすことはなかった。
私は彼女を気持ち良くさせ、彼女に気持ち良くされたくて、彼女に無理を言って、パートがはいっていない今日という一日を一緒に過ごしているのだから。
私は毎日逢いたいくらいで、現状の彼女に逢える頻度が少ないことに不服に感じているのであって、彼女に愛撫でされ絶頂けることが至高の悦びなのだ。
物足りなさはあるが、彼女には家族というかけがえない存在が有り、幸せな家庭を築いている一家を崩壊させては、緋代千鶴との繋がりが断たれてしまう。
私と彼女の戯れは二時間ほど続き、おやつをよばれて、別れる間際の玄関先で20分程のディープな口づけを交わした。
「今日は無理言ってごめん、千鶴。我儘に付き合ってくれてありがと。今度は、いつ逢える?」
「あの子たちがどうか分かんないし、旦那も不規則で読めないから、この後送るよ」
「そう……わかった。じゃあ、またね。バイバイ、千鶴〜!」
「うん、またね。バイバイ、紫恵美ちゃん」
私は手を振り見送ってくれる緋代千鶴に手を振り返し、緋代家を後にした。
清水紫恵美は高校二年生で、交際している相手は36歳の人妻である緋代千鶴で禁断の恋愛をしている。