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駄目なのに

 私はベッドの上で全裸のまま、八佐視祐斗の隣で横たわっていた。

 私が彼と初めて身体を重ねた日から一週間が過ぎて、二度目の淫らな行為に及んでいた。

「ほんと……ごめんね。カノジョさん……」

「良いよ、俺がシなきゃ駄目なら仕方ないからさ。こんな形でしか、ヤれなくてごめん。今日はいいか、美夏?」

「祐斗くんが嫌じゃないなら、もう一回……シたい。祐斗が謝ることなんて……ないよ。私が悪いの」

「そう。なんか食ってからシよう、美夏。買い出しに行かなきゃ駄目か?」

「うん。インスタント系、ちょうど切れててないの。何か食べたいのあるの?」

「浮かばないわ。食いに行くってのもイイんじゃない。どうする?」

「祐斗くんと食べに行きたい」

「外食ね、オッケー。じゃあ身体洗って、行こ」

「うん。どこがいいかな?」

 私と八佐視は二人同時にベッドを下り、浴室に向かった。


 狭い浴室で、多少のじゃれ合いを楽しみ、身体を洗い、汚れを落とした私たち。


 二時間程、外出して、寛げる住処に帰り、彼と本日二度目のセックスを楽しんだ。

 彼の大きな手で胸を揉まれ、舌を絡ませながらのディープキスは気持ち良くて、彼の唾液を飲めて、彼の指で膣内とお尻の穴を掻き回され、絶頂けるのが、幸せだった。

 彼とのセックスが気持ち良くて気持ち良くて、他の男性とヤれたとしてもこれ程の快感は得られないだろう。

 彼には恋人が居るのに、私と身体を重ねて、セックスしてくれる。

 最低な女性の私を抱いて、頭を撫でてくれる。甘い言葉を耳元で囁いてくれる。私のアレな体液を舐めて、飲んでくれる。

 羞恥心は湧くのに、嬉しさも胸中にある。

 彼は私に独特な臭いの濃厚なものを飲ませはしない。彼が恋人とどういったセックスを楽しんでいるのか視たくない光景が脳内を掠め、気持ち良さが薄れる瞬間が何度か襲う。

 これが偽りの幸福であったとしても、手放したくない。

 こんな私は……クズですか?


 ごめんなさい、祐斗くん……

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