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みょんちゃんが奏でる虹色のメロディー ~皆で紡ぐ、楽しい学校と素敵な町並み~  作者: 根 九里尾
第6章 ”みょんちゃん”の日常(未来の子ども達へ)【過去】
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58 親子喧嘩 3(試してみなけりゃ!)

「みょんちゃん!!」

 ぼくだけでなく、そこにいたみんなが驚き、椅子から転げ落ちそうになった。


「もー、急に顔を出すんだから~!」

 もちろん、みんなは、うちの母親の顔は知っているし、よくうちに遊びに来るので、母親の特別な事情も分かっている。




「どうしたの?みょんちゃん。こんなところで会うは思わなかったわ!」


 和美(なごみ)は、いつものように、親し気に“みょんちゃん”と呼び、友達のように話しかけた。


「何言ってんの、ここは虹ヶ丘小学校よ、私が作った学校よ。たまには、遊びに来るのよ、いいでしょ!羨ましい?」



「もー、みょんちゃんったら……」

 “遊びに”って言うけど、母さんは正式に虹ヶ丘学園の理事長なんだ。仕事をするために時々来ているようなのだが、本人は遊びに来ているつもりらしい。


「えーっと、みょんちゃん、いつからいたんですか?」

 

 笑太(しょうた)が、恐る恐る聞いた。


「笑太君の………“大樹(だいき)とこみたく仲良し母ちゃん”……ぐらいかな。“仲良し母ちゃん”でーす」


「はー、どーも、すみません」


「いえいえ、仲良し母ちゃんですから、大丈夫で~す」




「おーい大樹、何とかしてくれよー」


 さすがの笑太も困った顔をした。


「ちょっと笑太君、聞いてもいいかしら」

「はい、みょんちゃん、何ですか?」

「あなたの余った野菜を食べる料理の考えは、一太(いちた)君や笑美(えみ)ちゃんには言ったの?」


「ええ、だから笑子(しょうこ)が、告げ口をして…………」

「違うのよ………、自分の口で言ったのかって事。もっと言うと、実物を味わってもらったの?」


「……いいえ……言ってもいないし、増して料理も作っていません……」


 母さんは、背中のリュックを下して、笑太に渡した。


「何ですか?」

「使っていいわよ」


 中を見ると、ダイコン、カボチャ、ジャガイモの他、いろんな野菜、砂糖、塩などの調味料など、他にも料理に使えそうな材料や道具が、少しずつ入っていた。


「どうせ午後は、自由な時間なんでしょ、調理室を借りればいいわよ……」


「え?調理室借りて、どうするんですか?」


「それから先は、自分で考えたらどう?

 好きにすればいいでしょ。好きなことを、好きなようにやれば、いいんじゃないかしら?」


 それだけ言うと、またあっという間に母さんはいなくなってしまった。





「よし!職員室へ行って、調理室を借りれるかどうか聞いてみよう」

 ぼくが、提案するとみんなは喜んで賛成した。


 当然、調理室は空いていて借りることができた。

「(やっぱり、母さんは分かっていたのかなあ~)」

 

午後は、さっき弁当を一緒に食べた仲間で、笑太の考えた余った野菜をおいしく食べる調理方法を実際に試した。

 ダイコンの千切りを蕎麦に見立てて汁で食べるのは、生だと少し硬いしおいしくなかった。

 少しゆでるのと、甘みのある汁を工夫するのと、汁に入れる具の種類を増やすとおいしく食べることができた。

 

 カボチャとアンコの寒天固めは、甘さの調節をうまくし、冷やすことができれば、夏の暑い時においしく食べることができるものになった。

 

 ジャガイモの凍り菓子は、一度茹でたものをすりつぶし、牛乳や生クリーム、練乳など甘みを加えてから凍らせるとおいしくできた。


 みんな大満足して、オヤツ大会になった。



〔つづく〕


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― 新着の感想 ―
料理上手なみょんちゃんも一緒に作れば良かったのに、親子だから遠慮したんですかね?。 でも、フードロスの観点からも、廃棄直前の食材を工夫して美味しく食べるのは大切なことですよね〜。 (*´ω`*)
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