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封印師の憂鬱  作者: キンチョウス
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世の中の人達が認識している陰陽師はすべての怪物や妖怪をド派手に退治するらしい。


どの物語でも刀を振り回して、呪文を唱え、鬼だとか妖怪を討伐しながら仲間と切磋琢磨して成長していく話ばかりだ。


だが、実際はそんなことはあり得ない話でフィクションでしかない。


陰陽師が全ての怪物や妖怪を退治するのならば今の時代で言うところの、ブラック企業に所属している社会人扱いになってしまうだろう。


何故ならば、一人の人間が調査から戦闘、封印までの一連の作業は非常に激務で普通の生活すらままならない為である。


それならば2人組や3人組で作業を行えばいいと思うかもしれないがそれも難しい。


そもそもの話をすれば陰陽師自体の絶対数が少ない状況で全国で起きている任務を解決するには人手が足りない。

それに加えて任務に出るには化け者共を倒す実力を備えていなければならず、それ相応の技術や身体能力が必要なのだ。


一人の人間がそこまでの技術を覚えて、身体能力を鍛えるには普通に考えてみれば実践の場に出るまでに相当な時間が掛かるし、育てるための金銭も膨大なものになってしまう。


遠い昔の陰陽師達は人を育てるために掛かる膨大な費用に頭を抱えることになる。

そして、時は流れ江戸時代になると、幕府からの陰陽師達への予算が削られたことも衰退の原因でもあったらしい。


これでは生活することも儘ならないと考えた陰陽師は江戸時代の中期ごろに考え付いたものが分業制という体制システムだ。


すべての技術を覚えるよりもそれぞれの専門的な技術を分けて覚えさせた方が一人一人育てる手間が省けて、効率的に任務を遂行できると思い付いたのである。


この方法はすぐに全国の陰陽師達のうちに広がっていき、この考え方が普及することになる。


そうなると困ることも発生する。


それぞれの専門的な分野を学んだもの達が家を起こして一派を作り上げたのである。

一派と分かりにくい言い方になってしまったが、流派と言い替えた方が一般の人には伝わりやすいだろう。


この流派と言うのは屋号と呼ばれるものでそれぞれが担っている仕事の業種が分かるようになっている。


ここで問題になるのがどこの家にたいして仕事を依頼すれば良いのか依頼者側がわからないという点であった。


そこで時の政府は全国の流派を管理する組織を作り上げ、その組織のなかで仕事を割り振ることになったのである。


ここまで長々と語っているがこれはこの業界で生まれ育った封印師である吉兆寺 行生の物語である。


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