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短編集/feat.AI  作者: トミタミト/feat.AI
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しいくがかり

――貴方たちはペットを飼ったことがあるだろうか?




私は金魚を飼ったことがある。お祭りの屋台で手に入れた何の変哲もない出目金だ。


個人的には鱗の白い綺麗な方が欲しかったが、偶然ポイにかかった奴を何となく気に入ってしまい、そのまま飼うことにしたのだ。当時小学生だった私はその生き物を大事に世話したものだ。


餌も毎日あげたし、水換えだって欠かさなかった。


しかしそんな私の愛情は裏切られることとなる。


ある日、私が学校から帰ってくると、そいつはプカプカと水面に浮いて死んでいた。


既に私は生き物はいずれ死ぬものだと言う事は知っていたので、それほどショックではなかった。


ただ、何故この子は死んでしまったのかと言う事だけが不思議でならなかった。


「…………」


そう言えば、祭りでは金魚掬いの前におみくじを引いていた。そこで凶を引いたんだっけ。確か『病気に注意』とか書いてあった。


金魚の亡骸を庭に埋め、墓を建てる。


生き物はいずれ死ぬ。その程度の価値観など分かっていた。


そのはずだったのだが。


以来、私はペットを飼う事をやめてしまっていた。







……数年後。


私は中学生となり、いたって平々凡々な日々を過ごしていた。


「はい、席についてください」


学校の始業を告げるチャイムと共に朝のホームルームが始まる。


いつも通りの日常、何の変哲もない時間が流れる中、教師は告げる。


「皆さん、今日のニュースはご覧になりましたか?人間以外の生物がいる惑星に初めて人類が到達したという……」


「先生、それ知ってる。朝方どこの番組でも取り上げてた奴だろ」


同級生が威勢よく質問に答えた。


朝方は寝坊してきたので私はそんな事一切知らなかったが、興味の無い話題だという事は確かだ。


私は毎朝のルーティンであるペン回しをしながらその様子を聞き流す。


「その件に関してなのですが、実は今日は皆さんに新しい仲間を紹介します」


「えー!どんなやつ?」


「可愛い女の子ですか!」


生徒達が騒ぎ出す。私はその様子を冷めた目で見ていた。


(また何か面倒くさい話が始まりそうだ)


そんな予感を覚えながら、教室からグラウンドへ移動する。




「ここは……うさぎ小屋ですか?でも、確か去年うさぎは野良犬が侵入したせいで……」


真面目な委員長が眼鏡を上げながら答える。


彼の言う通りうさぎは去年飼育係が鍵を掛け忘れたせいで、すでに野良犬たちの胃袋の中。


うさぎ小屋は長い間放置され、もぬけの殻となっているはずだが。


「この子が皆さんの新しい友達の……」


担任の言葉に皆は視線を向ける。




「オルブラッド星獣です」





「――!?」




私は目を疑った。犬でも猫でもうさぎでも無い、グロテスクな生物がそこにはいたからだ。


こびりついた血のような体表に、ぎらぎらと光る眼、蛇のように長い舌。


そして何よりむせかえるような獣臭が周囲の人の顔をひきつらせる。


「ひっ……」


逃げだしそうになった女子を先生が引き留め、答える。


「この子は国より預かった重要な生き物です。訳あってこの学校で飼う事になりました。皆さん、仲良くしてくださいね」


「な、仲良くしろと言っても……」


低いうなり声が小屋の奥から響き渡る。


薄暗い中から発せられるそれは、見る者を危険だと判断させるには十分であった。


しかし先生はいたって冷静に話を続ける。


「さしあたってこのオルブラッド星獣……おうる君は当面私達のクラスの飼育係が担当することになります。えっと、このクラスの飼育係は誰でしたっけ?」


生徒たちの視線が私に向けられる。


その様子には内心自分たちでは無くて良かったと言う安堵が感じられた。


「………」


私は仕方なく手を挙げる。


するとクラス全員からの拍手喝采が起こった。


「凄いぞ!お前ならきっと立派な世話が出来るだろう!」


「流石は我がクラスのホープ!」


「頼りにしてるよ!」


次々とクラスメイト達は私の肩を叩く。


去年何となくという理由で飼育係を選んだ過去の自分を、私はいま恨んでいる。




……放課後。




「……」


憂鬱だ。私は一人小屋の前に立ち尽くしている。


「!」


「うっ……」


私に気づき、近づく星獣に対しおもわず嗚咽がこみ上げた。


黒々とした感情の無い瞳をこちらに向けるその様に鳥肌が立つ。


いやいやいや、百歩譲ってうさぎやにわとりならともかくどうしてこんな生物の世話を私がしなきゃいけないんだ。


私はなるべく距離を開け視線を外しながら、渡されたペレット餌を窓から素早く投げ入れる。


「……」


星獣は何も言わず、ただ私の行動を見つめているだけだった。


お腹は空いていないのだろうか?星獣はただ不気味に舌先を地面に這わせている。


「世話……したよね?……帰ってもいいよね?」


飼育係としての責務は果たしたはずだ。私はその場から逃げる為に、息を切らしながら帰路へと向かった。




その夜。




「……最悪だ」


星獣のことで頭がいっぱいになっていて、今日の宿題を学校に忘れてきてしまった。


「取りに行くか……」


私は重い腰を上げ、学校へと向かう。


「……」


学校に着くと既に日は落ち、辺りは真っ暗だった。


当然のことながら、誰もいない。


「あれ……」


私は違和感を覚えた。


いつもならば誰かしら残っているはずの教室だが、今日は電気がついておらず、不気味なほど静まり返っている。


「まあ、いいか」


私は机の中からノートを取り出し、自分の家へと帰ろうとする。


その時、視界の端に動く影が見えた。


「!?」


私は気配に気づき、素早く机の影に身を隠す。


しばらくして、恐らく2人組らしき声が聞こえてきた。


「みなさん、こんばんワール!ワールワールドチャンネル今日の企画は~?


母校で肝試ししてみた、でーす!」


1人がスマホでカメラを回し、軽薄そうな男がポーズを決めている。


「いや~懐かしいっすねマジで、あ、これ俺が在学中傷つけた壁だわ、まだ直してないんだ」


……いわゆる動画投稿者という奴か。どうやらこの学校のOBのようだが、許可をちゃんと取ってから撮影しているとは到底思えない。


「それでは早速行ってみましょう!まずはこの教室から!」


「おい、あんまりうるさくするなよ」


「分かってますって、じゃ、行きますよ~3、2、1」


カシャリ。シャッター音が鳴り響く。


「心霊写真とか撮れてたらどうしよ。その時はお祓い行ってみたでもやろうかな!」


いかにも迷惑系な彼らは、私の隠れている教室にぞろぞろと入ってくる。


(うわ、面倒くさい)


そう思った私は、彼らの背後を中腰で通り過ぎ、そっと教室から出ようとする。




――カチャン。しまった、ポケットに入れていたペンを落としてしまった。


若者たちは少しドキッとした様子でこちらに振り向いた。


そしてすぐに私の正体に気が付くと、軽薄に話しかけてくる。


「やべっ、リアルJCじゃん。こんな時間まで何してるわけ?」


「もしかして迷子ですか?送ってあげようか?」


私は敵意を持って彼らを睨み付ける。


「そんな怖い顔しないで、俺たち君の先輩よ?」


私は無視をして足早に去ろうとした。


「無視すんなって」


若者の一人が私の腕を掴む。


「離して!」


「ちょ、別に何もしないって! ただ今日の事は誰にも言わないでって約束してくれるかな?」


私はパニックになり、若者の手を振りほどき、教室の中を駆け回る。


しかし椅子につまずき、すっころんでしまった。


「わっ痛そっ、大丈夫?」


「……!」


私は立ち上がり、再び逃げようとした。しかしその瞬間、私の視界にとんでもないものが見えた。




「え……」




それはあの星獣だった。


小屋にいるはずの星獣が天井に張り付き、長い舌をちらつかせていたのだ。


「え?」


軽薄な男は自分の肩にかかる生暖かい違和感に気づき、天井の方を振り向く。


余裕の表情が絶望に変わるのは時間の問題だった。


「ギャアアアアでたああああああああああ!!!!」


若者たちは叫びながら教室から逃げていく。


「……」


星獣はこちらを見つめ、獲物に狙いを定めたかのように舌なめずりをした。


「……」


私は震えた声で言った。


「助けて……」


天井から降りてきて、だんだん近づいてくる。


終わった、私の人生ここで終わった。


星獣は一層大きく口を開き、いびつな歯並びを私に見せつけ、足元までやってくる。


「ひっ……」


星獣は私の膝を舐め始めた。腰が抜けて、恐怖で悲鳴も出せない。


「……」


星獣の舌には血が付いていた。私は先程こけた時にすりむいてしまったらしい。


「……もしかして心配してくれてる?」


私はおとなしく傷を舐める星獣を見つめる。不思議と朝方に感じた嫌悪感はなく、むしろどこか心が安らぎ、落ち着きを取り戻すことが出来た。


「ありがとう」


私は微笑んで礼を言う。すると星獣は頭を撫でてくれと言わんばかりに頭を差し出した。


恐る恐る手を伸ばす。


「よし、いい子だね」


どうやら私は大きな勘違いをしていたらしい。


見た目だけで獰猛な生物だと決めつけていたが、この星獣という生き物は非常におとなしい性格であるようだ。


どこかの偉い人が人を見かけで判断してはいけませんなどと言っていたが、その言葉が初めて心に染みた気がする。


「オルブラッド星獣……いや、おうる君。君が私のご主人様だよ」


星獣は尻尾を振り、こちらに愛想を振りまく。こうなればもう大型犬と変わりない。


私はオルブラッド星獣に対し無知であったがために彼にひどい言動をしてしまったことを恥じる。


「……」


もう二度とペットを死なせた悲しい思いをしないためにも、私はもう少しこの子の事を知らなければいけないのかもしれない。


「そういえば支給された餌を全然食べなかったね……君は何が好物なんだい?」


星獣は再度、私の膝に舌を這わせる。


「もう傷は大丈夫だから」


私はくすぐったがりながら星獣をたしなめる。そして私はその星獣の様子から彼の食性の憶測が閃いた。


「……もしかして、そういうこと?」




――次の日。




愛歌ラブカさんは?」


「風邪で休みだって、まああんな生物の世話係になったから寝込むのは無理ないよね」


教室では飼育係の話題で持ちきりになっていた。


ただ結局は自分たちには関係の無い話だとして、次第に他の話題へと切り替わっていった。




「全く最近の子は飽きっぽいんだから」




見当はずれな事を言いながら教師は小屋の前へ餌を運ぶ。


当然飼育係がいない以上、クラスの先生が代わって世話をしなければならない。


放課後に教師のやる事は非常に多いんだから、面倒事を一人に押し付けないでほしい。


そんな事を思いながら、小屋の前までやってくる。


「……」


小屋の中にはおとなしく星獣が座っている。


昨日与えられたであろうペレット型の餌は全くの手つかずだった。


「ふんふーん、今日の晩酌は日本酒~だからがんばる~」


そんな事は全く気にせず、教師は鼻歌を歌いながら、窓から餌を放り投げる。


星獣はそれに見向きもせず、喉からゴロゴロと声を鳴らすだけだった。


「それにしても臭うわね、ラブカさんはちゃんと掃除をしているのかしら」


教師は掃除用具を持ち出し、小屋のドアを開けるために鍵に触る。


金具を捻って回すだけの極めて単純なそれは簡単に開き、出入りを容易に許すものだった。


「ほら、どきな」


星獣を竹ぼうきで押しのけ、中へ入る。


小屋の中は異臭が充満しており、まるでゴミ屋敷のような有様だった。


床に散らばった汚物、壁に飛び散る体液、悪臭の原因は間違いなくこれだろう。


「これは酷い……」


教師はその惨状に顔をしかめつつ、それらを塵取りに納めていく。




それにしても臭う。まるで、腐った死体のような……。


小屋の隅を竹ぼうきで掻いていると何かが引っ掛かる感触がした。


「?」


それはこの学校の生徒手帳だった。校章が入っているから間違いない。


どうしてそんなものがここに?


腐ったような異臭、飼育係に抜擢され、今日来なかった生徒。


教師は脳内で言葉を結び付け、最悪の事態を想定してしまった。




「まさか……」




教師は青ざめ、目の前の星獣から一歩下がり竹ぼうきを構えつつ睨み付ける。


「お前……何を食べた?」


星獣は相変わらず喉を鳴らし、こちらの様子をうかがっていた。


「答えろ!!」


教師は怒号を上げ、星獣を威嚇する。




「ごめんなさい、先生」




その嫌な予感はすぐに打ち消された。


小屋の外にはレジ袋を両手に持ったラブカがいたからだ。


「あなた、今日はお休みしてたんじゃ……」


「ごめんなさい、どうしてもやりたいことがあって仮病を使いました」


ラブカが持っていたのは郊外にある大型スーパーのもので、何やら食材が沢山詰め込まれているようだった。どうやらこれらを買う為にわざわざ学校を休んだらしい。


いそいそと小屋の中にラブカは入り、レジ袋から2980円と書かれた牛肉のパッケージを取り出す。


「生ごみは飼育係の私が責任もって掃除します。お忙しいでしょうし、先生は仕事に戻って下さい」


「……私が買うより良い肉食べさせるのね」


「はい?」


「いえ、何でもありません」


教師の言葉に引っ掛かりながらも、ラブカはパッケージを破り、星獣に肉を与える。


星獣は臭いを嗅いだのち、それを慎重に口に運んでいく。


「美味しそうに食べるわね」


「はい、私もこれくらい幸せそうな顔ができるようにがんばります」


ラブカは星獣を撫でながら、教師に向かって言った。


「支給されたペレットを食べなかったから、もしかしてと思って色々買ってきたんですけど……どうやら彼は生のエサが好きなようですね」


現存する生物の中でも、生きた餌で無いと受け付けないというものも多い。


昨日執拗に私の膝の血を舐めていたことからオルブラッド星獣もそんな食性なのではないかと私は思いついたのだ。


教師は安堵のため息をつきながら、答える。


「学校を勝手に休んだことは駄目な事です。でも飼育係として星獣に真摯に接することは素晴らしい事だと思います。これからもおうる君の事、よろしくお願いしますね」


「はい」


教師は安心した様子で、その場を去っていった。


「……さてと、掃除もちゃんとしないとね」


獣臭と腐った肉の臭いが混ざり合って非常に恐ろしい環境になってしまっている。


私は放置された竹ぼうきと塵取りを手に取り、掃除をし始める。


散乱した汚物を清掃し、丁寧に雑巾で拭いていく。


そして竹ぼうきで小屋の奥の隙間のゴミを取り除いていく。




「……先生がちゃんと掃除する前に呼び止められてよかった」


隅に追いやられていた猫やカラスの死骸を片づけながら私はぽつりとつぶやいた。




「それにしても私が夜明けから必死に獲ってきた生餌を全く食べずに高級肉は食べるなんて……おかげで朝一から電車に乗ることになったんだぞ?見た目に反して意外とグルメな奴だねお前は」


星獣は先ほど与えた牛肉に夢中で食らいついている。


この調子なら明日以降も同じメニューでなんとかなりそうだ。


「……まぁいいか」


星獣は食事を終えると再び小屋の一番奥に座り、眠り始めた。


その様子を眺めているだけで、今の私は幸せを感じていた。




「いっぱい食べて大きくなれよ」







――そしてオルブラッド星獣の飼育係になって数か月が経ったころ。


教室では夏休みをどこで過ごすかなどの予定を皆は話していたが、私はあいかわらず星獣に夢中であった。


「おうる君、今日はセールをしていたから大盛サービスデーだよ」


星獣のことも日に日にクラスメイトの中で広まり、次第にこの生き物が無害であるという事が知り渡ってきた。


今では少しずつではあるが様子を見に来る生徒も多くなってきた。


これも飼育係である私の努力のたまものだろう。


「おうる君?」


星獣は眠っているのか、床に伏せて動かない。


まさかと思い、私は小屋のドアを開けて星獣の様子を確認する。


「……!」


その目には生気を感じない。首元に触れ、呼吸を確かめる。


脈動を感じない。




――まさか。




「死んだの?」




私は突然の出来事に放心していた。まさか昨日まであんなに元気だったのに。


一体何が原因だったの?あんなにたくさんお世話したのに、あんなにたくさん愛を注いだのに。


……どうして?




(やっぱり、飼育委員なんてやめておけばよかった)




久しぶりに感じた喪失感に私は戸惑いを隠せずにいた。




「……あれ?」




その時、何かが動いたような気がした。


私は素早く星獣のお腹に耳を当てる。




……トクン。トクン。


わずかだが、胎動している。


思わず私の口元は緩んだ。




「……」




私はゆっくりと星獣の腹部を包丁で割いていく。




「動いてる」




「息してる」




「生きてる!」




血だまりの中に手を突っ込み、私はそれを取り上げた。




「ごめんね……! 今度こそ大切に育てるから、ごめんね……!」




星獣の胎児を抱きかかえ、私は大粒の涙を流す。


星獣が宿していた小さい生命が確かに存在していたからだ。







――数十年後。


1人のペットブリーダーがインタビューを受けている。




「今日のゲストはこの方、昨今の星獣ブームに火付け役、竜胆愛歌りんどうラブカさんでーす」




そう、私はあの後、星獣を増やしペット化させることに成功し、今ではすっかり有名ブリーダーとなったのだ。


「ラブカさん、さっそくですがブリーダーとして星獣に対し、どういった考えを持っているかお聞かせください」


私は少し考えるそぶりをし、答える。


「星獣というのは本当に賢い生物です。私も昔星獣に助けられて……それで今の自分があると思っています」


「私も星獣大好きです、始めは見た目で抵抗ありましたけど、今じゃ家に3匹も飼ってるんですよ」


コメンテーターの一人が鼻息荒くコメントを遮る。


「そうですか、それはすごいね。って、ラブカさんが今しゃべってるところでしょ~貴方空気読みなさい」


司会がコメンテーターを軽くいじり、会場に笑いを巻き起こす。


「まさに星獣はあなたの人生と言うわけですね、それでそれで?」 


そして再び私に話題は振り直された。




「……こうして星獣たちが市民権を得て以来、時々思うんです。


檻から外を覗いていたのは星獣でなく、私達人間の方だったのではないかと」




「なるほど~分かる分かる~ってよく分からん! 価値観が独特!」




再び会場に笑いが巻き起こる。


その後もブリーダーとしての在り方や今後の星獣についての活動などを話し、この番組は終了した。







「こら、テレビに向かって吠えないの!」




子供が星獣をリードで引っ張り、リビングのテレビから遠ざける。


「全くもう……」


子供は注意しながら、星獣の頭を撫でた。


「……でも、君がこの世界にとって必要な存在だって事は、私はちゃんと分かってるからね」


子供は星獣に語り掛ける。


星獣はそれに答えるように、ゴロゴロと喉を鳴らした。

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