目を覚ますとそこはいつもの日常だった?
―――――――目が覚めた――――――――
「はぁ‥はぁ‥」
汗だくで目が覚めた、場所は自分の部屋で心臓は今もバクバク‥
「夢?」
‥こんなに恐ろしいリアルな夢ははじめてだった‥僕は無意識に小便を漏らしていた。
あんなに怖い夢を見たからだろうか、ベッドのシーツは小便でベトベト‥
僕、鈴木翔太は今年で小学4年生にもかかわらず、お漏らしをしたのだった。
仕方がないので、気まずそうにしながら、食卓へ向かい親に漏らした事を話した。
「もう、その歳になっておねしょって恥ずかしくないの?」
「ハッハッハッ、まあそんな事もたまにはあるさ、翔太、気にするんじゃないぞ!」
母親には叱られ父親には笑われてしまった、翔太は恥ずかしがりながら食事を終えて学校へ向かう
「おーい翔太」
「あー学か、おはよー」
クラスメイトの学だった。こいつは勉強が出来てクラスでは成績もトップ。
翔太の数少ない友達のうちの1人だ。
「今日日直だから先に行ってるね、じゃあまたな!」
学は手をふって翔太を追い抜いて走っていってしまった。
いつもの日常、いつもの風景、翔太は安心していた‥
そう、安心していたのだが‥
いつもの通学路、小さなトンネルを抜けた先に
人が一人通れるぐらいの穴がありハシゴがかかっていた。
「なんだ?このハシゴ‥」
何より驚いたのが穴の下が砂漠になっていて、別の次元へ繋がっているように見える。
というか、どう見ても繋がっているのだ‥
普通に考えれば、いつもの通学路の下にこんな砂漠の世界が広がってるなんてありえない。
「これも夢だっていうなら‥覚めないと」
僕はハシゴを降りていき、辺りを見回した。
(嘘‥でしょ)
自分が降りたハシゴを見上げると、空中に穴があり通学路の景色と繋がっている。
つまりここは別次元へと繋がる穴だったのだろうか?
降りてきたこの世界の空は、良く晴れた青い空で、太陽に照らされていた。
「暑く‥ない?」
不思議と体で暑さはほとんど感じなかった。
僕の身体にとっても、ちょうど良い気温でこの砂漠は不思議な空間に思えた。
「まあ、これなら何とか戻ってこられるか」
僕は好奇心を押さえ込めず、この不気味な砂漠を進むことにした。