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悪夢の実験場  作者: 焼き芋さん
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見れば見るほど、謎は深まるばかりだ

 穴の中は今度は違う部屋だった。まるで豪華なホテルのフロントのような場所だったが誰もいない。

 それに外へ繋がる扉が開いていた、見ると先は夜で、僕はようやくこの不気味な建物から解放されるらしい。


「よかった、これで外に出られる」


 僕はお腹から血を流しながら、外へ出て行った。


「暗いな‥どこだろ、ここ」


 外は真っ暗で、ほとんど何も見えなかった。

 後ろを振り返ると、それは大きな城のような建物だった。


(僕、こんな建物の中に居たんだ‥)


 少年は辺りを見渡す、すると今度は廃村があった。

 この城は廃村の中にあり、壊れた和風の民家が囲んでいる。


(どうしてこのお城だけ電気が?外が廃村なのは何故?)


 不思議に思ったが、考えても答えがでそうになかったので諦める。

 廃村を探索してみるが、街灯はなく真っ暗で明かりが付いた家は1つも見当たらない。

 人が住んでる気配も無いのだ。


 家を1つ1つ見ていくと屋根がない家、壁にヒビや穴が開いている家、瓦礫の山などばかりだった‥

 とても人の住める環境ではなく、そこは人のいない村に見えた。

 この惨状はまるで、戦いでもあって滅ぼされた後のような‥そんな気さえしてくる風景だった。


「こんなところにひとりぼっちとか怖いな」


 辺りを見渡しても風の吹く音すらしない、虫の声もしない完全無音の不気味な廃墟。

 先ほどナメクジに吸われたお腹は痛み‥血は垂れていて傷口も思ったより深くえぐれている。


「自分はわけもわからないままここで死ぬのか」とさえ思いはじめる。


 僕は血を垂らし絶望しながらも誰も住んでいない廃墟を歩いていく。

 たまに「誰かいませんかぁ!?」と叫んでみるが、やはり反応ひとつ無かった‥


 その時だ…


「あっ!!」


 目を疑った、一軒だけ薄明かりが付いている民家があったのだ。

 この民家は他の廃墟のように壁にヒビも入ってなければ屋根が無い、穴が開いているということもなく普通の家に見えた。

 おそらく、明かりが付いているのを見るに電気も通っているし、誰か住んでいる可能性が高い。


「夜分にすみません!誰かぁ!誰かいませんかぁ!!」


 僕はほとんど泣き叫ぶような声でドアを叩いた。

 すると足音がしてこちらに人の影がやってくる、そしてその人影はドアをゆっくりと開けてくれた。

 ドアを開けてきたのは黒髪で短髪の優しそうな青年だった。

 年齢は見た感じだと20歳~30歳ぐらいだろうか?

 正直、心の中で安堵した‥


(良かった、人間だったぁ‥)


 少年は内心ホッとしていた、先ほどの場所を見たばかりだからか家から化け物でも出てきたらどうしようかと不安もあったからだ。


「こんばんは、こんな誰もいない危険な村に君みたいな小さな子が来るなんて珍しいね、迷子かい?」


 お兄さんは少年のお腹の出血を見ると驚いていた。


「ちょっと、そのお腹の傷、大丈夫なのかい!?」


 少年が痛そうにお腹の傷を抑えているのを見ると慌てて家に入れてくれて、お兄さんは簡単な応急処置をしてくれた。

 そして小部屋で休んでいたところ、料理を運んできてくれた。僕は出されたお米と焼き魚を食べている。

 腹には包帯が負かれ、もう血は止まっていた。


「僕の名は夜神一郎だ、ところで君はここに来る途中この怪我をしたのかい?」

「鈴木翔太です、助けて下さって本当にありがとうございます。僕はあの建物の中で目が覚めて、化け物に襲われて、ここまで逃げてきました。」


 少年はこの人なら大丈夫だと思い、起きたら白い部屋にいたこと、化け物に血を吸われた事‥そしてそこから逃げてきた事をすべて話した。


「つまり、あの実験場から逃げてきたのかい?」


 僕が出てきたあの城のような場所を、どうやらお兄さんは実験場と呼んでいるらしい。


「あのお城、実験場なんですか?いったい何を実験しているんですか?」


 すると、お兄さんは悲しい表情になり。


「人体実験‥だね」


 少年はそれを聞いて言葉を失った。


「人体実験って‥あの人間を改造したりする‥あの‥?」

「そうだよ、実験の材料は僕たち人間さ‥」


(僕たち人間?まさか、この村全体の家が空き家ばかりなのって‥)


 お兄さんはお茶を入れてくれて、二人で夕食を食べ終わった。


「ともかく、今日のところは泊まっていってゆっくり休んでくれ」

「はい、何から何までありがとうございます」


 僕はお兄さんに感謝をして、今日はここに泊まる事にした


 ――――――と、その時だった――――――


「グオォォォォォ‥」


 別の部屋から何か動物のような声が聞こえた気がした‥

 動物の鳴き声なのか何なのかわからないが、僕は、その声に身の危険を感じた‥


「お兄さんのお家、ほかに誰か住んでいるんですか?」

「いや、住んでないよ?」


 確かに声が聞こえた気がしたのだが、お兄さんがそういうので僕は黙って食事を取った。

 そして、案内された部屋で眠る事にした。

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