異世界の最強剣士
真っ暗だった…
そこに道はない…
右も左もなければ
まるで浮いているかのような、身体がない感覚…
翔太の意識だけが
ここにある状態だった…
(ああ…死んだのか
…ついに僕は…)
しかし、そこに
いる筈のない存在がいた
(スライム?)
小さな水色の
スライムが歩いていた
「なぁ、マリン
本当にこの辺なのか?」
知らない男の声がする…
しばらくすると、スライムの後ろから
以前見たあの、魔物の大群に向かって大地を割って全滅させた最強剣士が出てきた。
「なんだ…
男で、子供か…
がっかりだよ…」
その後、翔太の意識は優しい眠りにつき、次に目を覚ました時には知らない部屋の中にいた。
「ここ…は?
えっと、あなた達は?」
翔太がベッドの上で目を覚まし起き上がった
目の前には美人な女性と先ほどの剣士がいる
剣士のほうは前に見た最強剣士、
女性はロングの赤髪で長身な美女だった。
「そうだな、わかりやすく言うと…
君の世界の未来、5000年後ぐらいだろうな…
正確じゃねーけど」
「えぇっ??」
もし、本当に5000年後の世界ならば何処がどのように変わっているか気になって来た
「俺の名はユウト、
今はただの冒険者だ
こっちはマリン、
スライムだが今は人間の姿だ」
「よろしくね♪」
どう見ても人間にしか見えないが、まあこの剣士がいうからそうなんだろう
「えと、鈴木翔太です。
封印されたところを
助けて頂いたようで
ありがとうございます。
でも、どうして僕なんかを助けたんです?」
すると、スライムのマリンが答えだした。
「事故なのか意図的なのかはわからないけれど、
貴方の世界と、この世界が、繋がる道が出来ちゃったからかもね…
見つけたのは本当に偶然なんだけど…」
「正直なところ、こちらとしては放っておいてもまったく問題にはならない
こちらからそちらに行くには、通れる穴も小さいしほとんどの者は諦めるからな。
だが困るのはそちら側だと思う」
「困る?
確かに知らない場所に繋がるのは怖いですけど…」
ユウトが腕を組み
「いや、違うんだ
この世界では今、戦争が起こっている。
つまり、
君達の世界からもしも人が通って来ると
その戦争に巻き込まれて死ぬ可能性が高いんだよ」
「そうですね…」
(確かに、
あの魔族の軍勢は僕でも無理だろう…
一匹一匹がとても
強そうに見えたし…)
悩んでいると最強剣士が予想外な事を言い出した
「それにな…
君が望むなら俺は
協力してやってもかまわない…
5000年前のAV、アニメ、エロゲ、マンガ、小説…見てみたい…
過去の世界は
宝の宝庫だからな」
「ええ??
本当に!!?」
翔太はそんな理由でいいのかと驚くが、マリンが最強剣士を睨みつけている…
「とまあ…
それはいい…
今は君の街の問題が知りたい、何故あんな魔法とは無縁の時代で封印されていたんだ?」
「えっと、
異世界にいた奴らが、
僕達の世界に移動してきました…
見た限りだと、ピエロ風の格好をした女性、ゴブリン、サキュバスがいました…
ゴブリンは仲間を連れて現れた事もあり棍棒の魔法を使います。
僕はサキュバスに不意打ちで封印されてしまいました。」
「ふむ…」
最強剣士は悩んでいる。
「翔太君、ところで、
そのサキュバスは美人さんなのかな?」
「は??」
翔太はその質問に
驚いた表情になった
マリンは付き合い切れぬといった感じで部屋から出て行ってしまった
「そりゃまあ、
サキュバスですし…
美人かでどうかで言えばピエロ仮面の素顔だってかなり…」
最強剣士
ユウトは立ち上がる。
「ふむ、決まりだ!
出発は明日!
今回の件、
俺が手伝ってやろう」
ガチャ…
「ただ女の子が
見たいだけでしょ?」
マリンがお茶とティーカップを持ってきた。
剣士のは無しで翔太とマリンの二人分だった。
わざとだろう。
「ありがとうございます。」
マリンがカップ二つにお茶を注ぎ、飲み始める。
「んー、良い味ね」
(スライムって人間の姿でお茶を飲むのか、知らなかった)
「確かに、凄く美味しいです、飲んだことない味」
二人でお茶を飲んでいると最強剣士が震えていた
「俺のお茶はないのか……」
(最強剣士がマリンに睨まれながら、手を組みピクピクと震えてる気がするが…
怒ったのか?
まさか喜んでるんじゃないよな?)
そして、その後…
この場所が小さな街の宿である事がわかった。
ユウトが買い出しに行き、三人は部屋で夕食を食べる。
最強剣士は、なんだかマリンの言いなりになっているような気がした。
出発は明日、
最強剣士は嫌がっていたがマリンも着いてくるらしい。
3人で行く事になった。
「ここだ…」
最強剣士に連れてこられた場所は、あの崖だった。




