サキ・ナイトメア
翔太はイメージしたものを現実にする能力を使って、小型のゲーム機を出現させた。
「やった!これでゲーム遊び放題だ!」
公園のベンチに座り一人ではしゃいでいる翔太。
しかし…
バサッバサッ…
空から何かが飛んでこちらを見ていた…
見た目は羽と尻尾の生えた水色の肌の卑猥な格好をしたお姉さん。
(あれもゴブリンと同じでRPGでたまに見るキャラなんだよなぁ)
しかし翔太は
余裕の表情だった
「今さ、ゲームしてるんだから邪魔しないでよ…」
翔太はサキュバスを無視し、ゲームを再開する。
しかし、サキュバスは空中で手を出した
「ん?」
「風の棍棒!」
声と共にまるで
竜巻のような風が起こり
翔太はベンチと一緒に
空に飛ばされた
あのゴブリンの仕業に違いない
「うわあああぁっ!!」
翔太は空に飛ばされた…
そして待ってましたと言わんばかりにサキュバスが魔法陣を発動する。
「トラップ発動!
「封印!」」
(え?どゆこと?
封印ってまさか僕…)
空中に穴が開いた…
翔太はその開いた穴の中に吸い込まれ、そのまま目の前が暗くなり気を失ってしまった。
「やったわ!!
封印に成功した!
能力を使わせる暇も
与えなかったし、完全に封印したわ!」
「はぁ…はぁ…
恐ろしい相手だった…
一歩間違えれば
口に出されただけで
全滅だったからな」
「そうね♪
でもこれで、
アタシ達の実験を邪魔する者は
この世界にいない」
サキュバスとゴブリンは
翔太を封印した事でかなりはしゃいでいた。
そしてゴブリン・ナイトメアが
学校にいる時の先生の口調になる。
「さて…
今日はサキ先生のおかげで、
最も厄介な敵がこの世からいなくなった。
お礼に食事でも奢ろうか。」
「本当に~?
じゃあ、前から行ってみたかったレストランがあるんだ♪
今日はゴブリン先生の奢りね?」
「ああ、この事を室長に伝えれば我ら二人とも給料アップ間違いなしだろうしな!
ふふふ…」
そして、
サキュバスとゴブリンが
人外の姿のまま
まるで人間のような会話をしつつ
高級レストランで
食事をしたのだった
それが出来る理由…それは…
シャドウ・ナイトメアという
魔術師による街全体を巻き込んだ
催眠術のおかげだった
その催眠術により、
この街の人外の行動は
例えどんな事があっても
すべて黙認される…
つまり、
人に迷惑をかけても…
人を食べても…
人を殺しても…
すべて黙認されてしまうのだ。




