受け入れがたい夢の世界
夢を見る前にイメージした事は、夜神闇子、つまりあのピエロ仮面を倒す方法だった。
(きっとこれで、家のベッドで目が覚める)
僕はそう思いながらゆっくりと目を開けた…
━━━しかし━━━━
そこはまるで別世界だった…僕は見たこともない崖の上にいた。
辺りを見渡すと異世界転生ものでよくありそうなファンタジー世界に見える。
予想以上に高い崖で、もし落ちたら間違いなく死ぬ…
下を見下ろすとそこは辺り一面、砂地で、他には村があり、村の前には剣士が立っていた。
見た目は背中に大きな剣を背負ってとても強そうに見える。
しかし…
目の前から魔物の軍勢がおよそ100匹…200匹…いや、1000匹いるかも知れない…
その魔物の大群が村に向かって走って来ていた…
「あの剣士何をするつもりなんだ…」
あんな強そうな魔物の大群に一人剣を構える青年…
翔太には青年が自殺をしようとしているようにしか見えなかった。
しかし…翔太は信じられないものを目撃する。
その青年が剣を一振りすると大きく地面が割れて魔物達はその穴に落ちていった。
「うわあぁぁっ!!!」
翔太の崖も崩れ地面に落ちていった…
しかし青年は汗一つかいてない余裕の表情で村に戻っていったのだが…
翔太が落ちる途中、青年は驚いた様子でこっちを見た…
ような気がした。
「痛い…血がこんなに…もう駄目だ…何が…どうなって」
翔太は出血が止まらずそこで意識を失った。
━━━━そして目を覚ました━━━━
「はぁ…はぁ…ここは…?」
いつもの自分の部屋、自分のベッドの上だった…
「コンコン…」
部屋のドアがたたかれる。
「え…嘘…翔太学校に行ったはずじゃ…ここで何をしてるの?」
母親だった…
「僕もわかんないよ!学校で眠って気付いたらここで寝てて…こっちが聞きたいぐらいだよ!」
僕のほうも逆ギレするかのように母親に怒鳴った
「そう…とにかく先生来てるから降りてきて…」
(先生?)
僕は不安になった…
下に降りていくが、案の定、お茶を飲みながら夜神闇子がいた。
食事などをする部屋に座っていたのだ…
その姿は教室内で変身したピエロの格好ではなくスーツを着た美人教師の格好だった。
「うわあぁぁっ!!!ピエロの化け物おおぉ!!」
翔太は叫びながら、玄関へと逃げていった。




