都合の悪い現実なんて夢に変えてしまえ
教室内はパニックになった。
(夜神?実験室長?)
翔太は名字に違和感を覚えたが今はそんな事よりあのピエロ仮面から逃げる方法を考えていた。
(これは悪い夢だ、夢なんだきっと…)
翔太は目を瞑った…
「おい翔太!あれ、この前の体育館の奴じゃ…」
斜め前の席から学が叫んでいた
(うるさい)
「きゃあああっ!!」
女子が悲鳴をあげて泣いている…
(…これは夢だ)
翔太はそう思いながら目を瞑り夢に入ろうと…
(…???)
すると何故か悲鳴が止んだ…
(目を瞑っててわからないけど、きっとあのピエロ仮面が何かしたんだ)
翔太はそう思い、机に前に倒れ込み更に夢に入ろうとする。
カツカツとヒールの足音が聞こえてくる。
(きっとあのピエロ仮面だ…)
足音が近づいてくる。
(気にするな、眠って夢の中へ…)
「こんな状況で寝られるなんて、君、舐めてるの?」
闇子の声がした。
怒っているのか落ち着いているのかもわからない声でそう言ってきた。
(気にしちゃ負けだ…こんな現実、夢に変えてしまえ…)
翔太は眠気の深いところを探し、意識の中でそこへ近づこうと歩いていく…
「これは許せないなぁ、えーと、君は、翔太くんって言うのかぁ…
これはちょっと先生がキツーイお仕置きをしなきゃいけないね♪」
もはや翔太にその声は聞こえてなかった。
僕は家に帰ることを想像しながら、眠気の深いところへたどり着いた翔太は、そのまま意識を失い…
━━━そして━━━━
「はぁ……?」
翔太は完全に眠りにつき、教室には驚いた闇子の声だけが響き渡った。




