ようやく元の世界に戻れたと思ったら…
「さあ、準備はいいかい?」
生徒達はお兄さんと鬼の指示で体育館に集まる。
シャドウ達を倒しているのを見ていた生徒達は二人を信用していた。
(先生方はいなくなってしまったけど、これで帰れるのか…)
僕はそう考えながら、体育館の中で待っていた。
━━━そして━━━
夜神兄弟が剣をすべて引き抜いた直後、校舎は完全に消滅してしまった。
「これで良かったんだ、そうだろ弟よ」
「うん、無関係な者を我らの戦いに巻き込むわけにはいかないからね」
二人は暗闇の中へ溶けるように帰って行った。
一方…翔太達はというと、校舎ごと元いた翔太達の世界に戻っていた。
体育館から出てみるといつもの外の景色、つまりこれでいつもの学校に戻ってきた。
しばらく学校内はパニックとなったが、クラスメイトの皆はそれぞれ家に帰った。
その後、世間では先生や一部生徒が突然いなくなった大事件として扱われた。
地元のテレビでは一週間立った今もニュースで騒がれている。
何故なら原因不明だからだ。
ちなみに生徒達も身に起きた恐怖の体験談を話したが、あまりにも現実離れしていて誰も信じてくれなかった。
学校はあの後、休校となり、しばらくしてから新しい先生が来る事が決まり、また授業が始まる予定だ。
翔太はもう、あの事件の事は忘れて、楽しみにしながら学校へ向かっていた。
「なぁ翔太、どんな先生が来るかなぁ」
「優しい先生がいいよね」
今日は久々の登校日、学と翔太がそんな話をしながら学校へ向かっている。
そして、あれからしばらくは、もうあの変な夢も見ることもなかった。
そして今日は新たなクラスの担任が決まる日でもある。
今日は授業前にクラスの担任がやってきて自己紹介をする予定となっていた。
翔太達は少しワクワクしていた。
クラスの皆が教室に到着し、新しい先生が教室のドアを開けるのを待っていた。
そしてドアが開く。
(ごくり…)
僕はのどを鳴らす…するとカツカツと音を立てながらヒールの美人な女教師が入って来る。
男子生徒達は喜んで盛り上がっていた。女教師は黒板の前に立つ。
そして自己紹介を始めた…
「まずは自己紹介するね☆ワタシは今日からこのクラスの担任になる…」
明るい雰囲気でそこまで言った途端、先生の顔の表情が意地悪なものに変わる。
「悪夢の実験場、実験室長、夜神闇子です。よろしく」
女教師はそう言いながら指をパチンと鳴らした…
━━━━━すると━━━━━━━
その女教師の顔に仮面、頭に水玉の帽子が現れ、服は左右が白黒の衣装になってしまった。
それは、あの時…体育館で校長を真っ二つにし、全校生徒の前でゲームをしようと言い出した世にも恐ろしいピエロの姿だった…




