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メモリーリミット  作者: レオ
迷走編
9/10

その7

「なぎさぁ〜!大丈夫なのぉ?」



病室の扉が急に開いた。



それと共に、甲高い声が、鼓膜を通った。



明らかに山下さんのお母様だ。



年齢不詳の顔立ち。

雰囲気は、確かに山下さんと似ている。



「あ、貴方が長谷川君ね!

娘が迷惑をかけたみたいで、ごめんなさいねぇ。」


「いえいえ。娘さんがいなかったら、今頃大変な事になってましたから。」


お母様は、山下さんの顔を見た。


「本当だわ。こんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見たわぁ。」



え?俺には、無表情にしか見えなかったが。

やっぱり親というものは、子の気持ちがわかるのだな。


山下さんは特別と思っていたが、親子愛は、普通と変わらない。



赤の他人の俺が、彼女の感情を分かろうとすることは、かなり無謀なのかもしれないな、、。



「渚は、大丈夫よぉ!ああみえて、結構頑丈だから!」




頑丈な割に、よく飛んだな。




「そうですか、、。とりあえず、眼が覚めるまで居ようと思ってるんですが。」



「渚も、その方がいいと思うわ。

病院までついてきてくれたのだから、仲良くしてくれてるみたいだし。」




「渚さんは、俺と仲良くしていると思っているんですかね?」




「でなきゃ、あんな顔しないって!

まあ、長谷川君には色々迷惑かけると思うけど、これからもよろしく頼むね!」




何故か、お母様の信頼を得てしまったようだ、、。



この時に、彼女の事を聞いておけばよかったのだが、言い出しにくかった。



ただ、こうやって話をしただけでも、自分にとっては大きな収穫だ。





「あ、、。」




「なぎさぁ!!大丈夫?」



「あ、、お母さん?」



目が覚めたようだ。



「病院......。」



「長谷川君が助けてくれたのよ?感謝しなさいよ!!」




「………。」




「まったくもう、、。無愛想も大概にしなさい!!」




「先帰ってて。」




「もう、、。親の気持ちも考えて欲しいものだわ、、。」




「じゃ、じゃあ僕はこれで、、。」



「あら、もっと居てくれてもいいのよ?」



いや、正直超居づらい。


親子が会話してる中に居るのは精神がもたない。




「ちょっと用事があるんで、、。」



「それは仕方ないわね。また、娘と遊んでやってくださいな。」



「は、はい、、。では、失礼しました。」



俺は、逃げるように病室から出た。


そして、そそくさと病院を後にした。




本来ならこのまま家に帰りたかったのだが、

まあ、そう計画通りにいくわけもなかった。




「あ!!いたいた!おーい!!」





それみたことか。


彼の行動力は、時に仇となる。


何で、ここに居るって分かったんだよ、、。



「まじか。」




「急に電話切るとか酷いよ〜。そんなに、山下さんヤバい感じなの?」



「いや、さっき意識戻ったよ。」



「そりゃよかった!で、暇ならちょっと付き合ってよ!!」



「どうせ、野球でしょ?」



「そう言うなって!

実は、ちょっとした朗報があってね。」



「うん。もしかしたら、来年甲子園に出れるかも知れないよ?」



「へ?全然ちょっとじゃないし、どういうこと?」



「来年、後輩がうちの高校に入るかもって!!」



「後輩?ああ、中学の時の?」



「そうそう。で、そいつがかなりヤバいんだよ!!」



語彙力クソかよ。



「何?そんな凄いの?じゃあ、もっといいとこ行くだろ?」



「僕を舐めてもらっちゃあ困るね!!」



「まさか、お前、、。脅したのか?」



「馬鹿か!!僕だって、中学時代は全国区レベルだったんだぞ!!」



「あっそ。でも、そいつだけとか、無理あるだろ?」



「それだけじゃないよ。監督もだ!!」



「は?監督?」



「やっぱ、監督が変わら無いと駄目だろ?今の監督のやる気の無さは、よく知ってるだろ?」



「馬鹿はお前だ。どうやって連れて来るんだよ?」



「親が、監督なの!!」



「は?お前の?」



「違う!!その子の。」



「あー。親子共々みちづれにするって訳ね。」



「言い方ヒド!!」



「本気で、来るの?その子。」



「ああ、実力は保証する。」




彼は、いつだって本気だ。



ただ、ここまで本気の目は、彼に会って一番かもしれない。



何故そこまで、野球にこだわるのだろうか。






「、、、。分かった。やってやろうや!!」








こうして、長い一年が終わった。




大きく変化した一年だった。


ただ、想像してたのとは違っていた。


これからどう進んでいくのだろうか。


今はまだ、その断片すらも見えていない、、。




こうして、新たな出会いが待ち受ける、新学期が幕を開けた、、。





































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