なんでもない日
こちらはひな月雨音様主催のコラボ企画
【てとてワークス】に参加させて頂いた作品です。
テーマは『幸せ』
少しでも幸せを感じていただけたり、温かい気持ちになって下されば嬉しいです。
冬の始まり 寒空の下
長い小道を 2人で歩く。
吐かれた息は まだ透明。
彼女の指は口許で 瞬く星を見上げてる。
浅い吐息は 夜空に溶けた。
小さな身体を抱き寄せて
温めあえたらいいのにさ
そこまで僕は できなくて
静かな横顔 手を伸ばす。
「もっとこっち。傍にきて」
これが僕の精一杯。
澄んだ瞳が きらきら光る。
月明かりに照らされた
静かな道を 並んで歩く。
絡まる指先 ぎゅっと繋いだ。
ふいに触れ合う肩先と 普段よりも近い距離。
じんわり溶け合う体温に 僕の心臓 脈打つばかり。
意識しすぎて落ち着かないけど
彼女もどこか そわそわしてて。
小さな幸せ 感じてる。
ぱちりと視線が交わえば
2人揃って 笑ったね。
優しい夜に包まれる
しみじみ感じる 特別な瞬間。
愛しい想いが 僕の身体を熱くする。
小さな 小さな幸せを
壊さぬように 噛みしめて。
ずっと続いていくように。
その感覚を 忘れぬように。
大事に大事に 守っていこう。
この瞬間が 僕の全てだ。
輝く月と星たちは
優しく僕らを照らしてる。
いつも傍に居てくれて
僕を見守り 支えてくれる
彼女に愛と 感謝を込めて。
本当はね しつこい位に言いたいけれど
臆病な僕を 許してほしい。
『いつも本当にありがとう。愛してる』
紡いだ言葉は音にはならず
彼女の唇へと 重ねて溶けた。
お読みいただきありがとうございました。
こちらの企画 他の作者様たちも参加されているので、そちらの方もどうぞご覧になって下さい。
素敵な作品がたくさんありますよ^ ^